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お問合せを減らすためにやったこと

小規模でWebサービスを運営していると、お問合せとどう向き合うがけっこう重要なポイントだったりします。実際に使用するお客様から、改善のヒントをいただけたり、思わぬ不具合に気づいたりします。え? こんな使い方してたのと驚かされることもあります。このように、お問合せはお客様から直接ご意見がいただける貴重な機会と捉えるべきです。

一方で、カスタマーサポートに費やすことのできる時間や人数は限られていますから、サポートサイトのマニュアルに書かれてあることをこちらが回答すれば済むような単純なお問合せは、極力減らしたいものです。お客様にとっても、いちいち電話やメールで問い合わせするのは負担なので、自力で解決できたほうがお互い幸せになれます。今回はうちでやってきた、お問合せを減らすためにサポートサイトをどう改善してきたかについて書きたいと思います。

サポートサイトがあってもお問合せが減らない理由

立派なサポートサイトがあるのにお問合せがあるのは、主に以下のいずれかのケースです。

  1. マニュアルに書かれているが、ユーザーには見つけられない

  2. マニュアルに書かれているが、ユーザーには理解できない

  3. マニュアルに書かれていないか、または嘘が書かれている

書かれているが、ユーザーには見つけられない

サポートサイトから目的の情報が見つけられないと、お客様はスマホからSIMカードを取り出す方法が分からないために、お問合せフォームからの回答を待つ半日を無駄にすることになります。カスタマーサポートの担当者は、マニュアルのここに書いてありますよとたった1行のURLを返して終わりです。マニュアルはせっかく書いても、目的の情報探せなければ意味がありません。マニュアルに書いてありますよというのは提供側の言い訳です。誰が面白くもないマニュアルを隅から隅まで読んだりするでしょうか。サイト内から検索ができるのは当たり前ですし、わたしはSEO(検索エンジン最適化)にも気を配るべきだと思っています。SEOというと、マーケティング上のテクニックだと思われるでしょうが、いちいちサポートサイトを開くようりも、Googleで「iphone simカード 取り出し」で検索して目的の情報にたどり着けるなら、それに勝るユーザー体験はありません。顧客満足度を高めるためにも、SEOは有効です。サポートサイトのSEOなんてあまり考えたことないよという方は、一度「自分の商品名 + 機能名」で検索してみてください。顧客が知りたい情報がヒットしますか? キーワードをきちんと検索エンジンに拾ってもらうにはいろいろなテクニックがありますが、まずはGoogleが出している「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を読んでもらうのがいいかなと思います。あまり無理なSEOは逆効果にもなるので、ユーザーに有益な情報を掲載することに注力しましょう。

書かれているが、ユーザーには理解できない

ちゃんと書いてあるのに説明読んでよ、と思うことがあるかもしれません。でもそれは間違っていて、説明が書かれてあってもユーザーが読んでくれるとは限りません。読んでくれない理由はたったひとつで、それは「ユーザーの立場に立っていないから」です。よく海外のソフトウェアを使っていて、公式が出している説明を読んでもまったく理解できなかったけど、個人が運営しているブログを読んだら理解できたみたいな経験はないでしょうか。わたしにはGoogleアナリティクスの公式サイトに書かれてある説明がまったく理解できません。

Google アナリティクス 4 は次世代のアナリティクスです。アナリティクスの管理画面の左上にあるメニューを使用して、アクセス権限のあるすべてのアナリティクス アカウントとプロパティを切り替えることができます。

もちろん、公式のマニュアルは厳密さが求められるので、わかりやすさがある程度犠牲になるのは仕方ないかもしれませんが、理解してもらわないことには意味がないです。専門用語や機能の名前は提供側には馴染みが深いでしょうが、使う側はそうではありません。わたしが気をつけているポイントを以下に挙げてみました。

  • ユーザーのITリテラシーに合った用語を使う

  • 「機能」に沿って説明するのではなく、「用途」に沿って説明する

  • よく使うもの、重要なものから説明する

  • 図表やコールアウトを使う

  • 必要に応じてブログや動画で説明を補う

書かれていないか、または嘘が書かれている

「できること」はマニュアルに書かれます。が、「できないこと」は積極的にマニュアルに書かれないことが多いです。あれはできません、これはできませんと書いていたらきりがないのと、なるべくならポジティブなことを書きたいものです。ですが、お問合せにくる内容の多くは、こういった「できないこと」だったりします。なのでマニュアルには「できないこと」をあえて書いておくのも大事です。うちでは制限事項や、サポートしていない機能についてお問合せがある場合は、その都度マニュアルに追記するようにしています。あと、とくにうちのような更新頻度の高いサービスでは、画面のデザインやレイアウトが変わることが珍しくないので、画面のスクリーンショットは最低限に留めるようにしています。その代わり、ブログでスクリーンショット付きで機能を紹介することが多いです。ブログなら間違っていても許されるわけではありませんが、いつの記事ですよと日付を明記しておくことで嘘にはなりませんし、気になるところは後で修正することもできます。

お役立ち資料を書きました

と、他にも書ききれないことがたくさんあったので、資料にまとめてみました。上にも書いたように、お問合せは直接ご意見をいただける貴重な機会でもあるので、ゼロにすることが目的ではありません。マニュアルを改善することでカスタマーサポートの負担を減らすことができ、よりお客様のための活動に注力できます。ご興味ある方はぜひダウンロードしてみてください。期間限定の公開とさせていただきますのでお早めに。

公開は終了しました。こちらのフォームからダウンロードできます。