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暗さの美学 / 陰翳礼讃

陰翳礼讃(著)谷崎潤一郎


『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は、谷崎潤一郎の随筆。まだ電灯がなかった時代の今日と違った日本の美の感覚、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性について論じたもの。谷崎の代表的評論作品で、関西に移住した谷崎が日本の古典回帰に目覚めた時期の随筆である
引用:wikipedia / 陰翳礼讃


本書は、昭和8年、当時の日本の生活が西洋化・近代化するなかで、日本の美学と西洋との違いについて語られている作品です。「美意識」について、特に「陰」の日本的なあり方について、考えさせられ、今の生活やビジネスにおいても気づきのある作品でした。

ひとつ、誤読になりますが、面白いと感じた部分を紹介します。

もし東洋に西洋とは全然別箇の、独自の科学文明が発達していたならば、どんなにわれわれの社会の有様が今日とは違ったものになっていただろうか、と云うことを常に考えさせられるのである。
引用:陰翳礼讃

私は、いま利用しているものやそこにあるものを、とても自然に受け入れてしまっていますが、「ちょっと待てよ。」と考えさせられました。

仕事のやり方について、たとえば、外部のコンサルタントや顧問に言われた「こうやると効率がいい」というものをすぐに取り入れてしまっていることで、自分たちの会社の良さや独自性というものが失われている可能性があります。

これは誰かに、必要、便利と言われて実施してしまった結果、本来あったはずの「美意識」、ビジネスでいえば「Vision」や「Culture」といったものが、会社独自のものに昇華するはずだったものが、他から持ってきたもので対応することによって、異なるものになってしまいます。

しかし、他の技術を使わなければ、独自の方法が必ず見つけられるかどうかは別の話しなので、絶対に正しいというわけではありません。

日本の美意識について解き明かされている、とてもおもしろ本でした。

ぜひご一読ください。

こちらはKindleでテキストのみであれば、0円で読めます。





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