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イスラム教を知りたくて①:ほぼ知識ゼロから始めた、本やニュースやマレーシアSNSの感想

ほぼムスリム国家・マレーシア

駐在妻としてマレーシアに住む者です。せっかくマレーシアに住むなら少しはイスラム教の知識でも調べてみよ、という好奇心で、本とか買ったり地元のニュースを見たり読んだりした感想。

イスラーム世界史 後藤明

真面目に正しくお勉強の本で、知ってたことをおさらい出来たし、知らなかったことを学べた。ただし眠くなる。。。お勉強の本なので。

アフガニスタンへの思い:国歌

いきなり話が逸れるが、私はクーデターでタリバン政権になる前のアフガニスタンの国歌が大大大好きなんです。

素晴らしく良い歌なのでみんな聴いて。
真っ当な国威発揚、軍歌って感じ。アメリカ人がつくったのかもしれない。いい曲過ぎるから。
歌詞も、ラテン文字で発音が何となくわかる訳をメモ帳に書いてほぼ暗記した。詩の内容も良い。各種人種(部族名?)がたくさん出てくるところもグッとくる。
辛い通勤中もこれを聴いて心の中で一緒に歌って元気を出したし、ダウンロードしてスマホのアラームに設定して、平日は毎朝これで起きてたよね。

で、そんなアフガニスタンでタリバン政権になってしまって、どうも女性とかはけっこうひどい目にあってるみたい。。。
当時のニュースを見て心を痛めていたので、アフガニスタンとタリバンについて色々知りたかった。(半年後のロシアのウクライナ侵攻のせいで、アフガニスタンのニュースは一掃された)

タリバン復権の真実 中田考

アフガニスタン国歌への思いから、何か本を。。。と思って、アマゾンで評価の良かったこちらを買ってみた。が、なんだか気持ち悪くなってしまった。アメリカとマスコミ批判がひどい。事実だと思うし、知らなかったことも知れて納得するところも多いけれど、意図的に書いていないことが多そうで不信感が募る。全体的に漂う、タリバンとこんなに信頼関係を築いている日本人の私すごい、というのが鼻に付いてしまって読み進められなかった。

インスタやツイッターからマレーシアのムスリムニュースを収集

そんなわけで、イスラム教関連の「日本人が書いた書籍を読む」をやめて、マレーシア在住という土地柄を活かして、現地のニュースを見ることにした。

おしゃれムスリマインフルエンサー

マレーシア(大都会クアラルンプール)在住の、イケてるおしゃれムスリマインフルエンサーを何人かフォローした。他にもカタールやインドネシアなどのおしゃれムスリマたちもフォロー。
彼女たちのヒジャブありき、体の線を出さないありきのオシャレ写真はとっても興味深い。日本人の女子も(最近はKpopの流行とかで違うかもしれないけど)わりとダボッとした服とかオーバーサイズとか、重ね着とかチュニックとか好きだしすぐ流行るから、なんか「布を重ねてオシャレ感を出す」親和性を感じた。

マレーシア国内のイスラムニュース

ネットニュースや、英語で書かれてるイスラム系経済新聞みたいのをたまに買って読んでた。短いニュース収集期間に見つけた、面白イスラムニュース。

  • ムスリムはセレモニーなら、教会など他宗教の施設に入っても問題ない!と、セランゴールのスルタンが表明。

これは結婚式とか葬儀の話のことみたい。エリザベス女王の葬儀のとき、ムスリムでも大聖堂に入って問題ない、ということをスルタンという権威が表明した。つまりキリスト教徒の友人の結婚式やお葬式が教会で行われた場合、ムスリムたちは参加を躊躇していたということか。

  • 国の予算のうち1000万リンギットをコーランの外国語翻訳にあてる

これはスウェーデンだかでコーランを燃やすパフォーマンスがあって、イスラム諸国で強い反発があった直後のニュースだった。イスラムフォビアをなくすため、らしいけど。。。それをするのは東南アジアのマレーシア政府の仕事なのか?と思った。ちなみにマレーシア国民はマレー系6割、インド系1割、中華系3割の多民族国家。ムスリムではない国民もいる。このニュースの後追いをしてないので、実際に予算が充てられたかは不明。

  • ラマダン中のイスラム教徒に食べ物を売った親子が逮捕される

確かこの売った親子は中華系だったかな。食べた方のムスリムではなく、売ったほうが逮捕される国。

  • 政府はスウォッチの各販売店からLGBTQデザイン(レインボーフラッグ)の時計を押収

これ去年の今頃の記事。まだスウォッチと政府とで裁判やってると思う。このニュース見て、何となくほんわかした国だと思ってたマレーシア、けっこうヤバい国だな。。。と思うようになった。

  • ストラップ付きハイヒールを模したデザインが「Allah」に酷似。このデザインつきのレディースシューズを販売している靴屋が政府の事情聴取に応じる。(靴屋オーナーがムスリムかどうかは不明。)

最近のニュース。最初画像見て笑ってしまった。

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これもSNSで批判がたくさん出てた。オーナーが中華系だとしたら絶対アラビア語のカリグラフィーなんか読めないし見たこともそんなないでしょ?!というもの。でも素直に事情聴取に応じてるし、返金対応もするという。

ハマステロ、イスラエル報復後のSNS

日本でも盛り上がってるけど、マレーシアはめちゃくちゃ親パレスチナ。
当然のように、批判はイスラエルとそれを支援する米国、米国企業に向けられる。デモも何度も行われたし、街なかはパレスチナの国旗を掲げる家やパレスチナ国旗を掲げて走るバイクや車が目立ち始めた。SNSのアカウントはみんなパレスチナ国旗付き。
おしゃれインフルエンサーたちも、ここぞとばかりにストップ!ジェノサイドを訴え始める。そりゃもうインフルエンサーだから、すごい勢いで。

いやごめんなさい、自分的にはこれがどうも気持ち悪くてダメだった。
心情的にはガザの人に同情するし、イスラエル(というよりネタニヤフ)を誰か止めろやとか思ってるけども。
インフルエンサーたちは、どこで共有されてるのか、揃いも揃って「中立は悪。中立はイスラエルに加担してるのと同じこと。イスラエル・パレスチナ問題が難しい?勉強して!」というメッセージを発信し始めた。
えっ何。。。このメッセージ出さないとオシャレ立場が脅かされるから、みんな同じこと言ってるのか?と疑いたくなる。

だってこのおしゃれインフルエンサーたち、普段の投稿はヒジャブ付きで目一杯おしゃれしてディオールとかシャネルとかブランドバッグ持って、イタリアとかウィーンとか、パリでブランドの展示会に出掛けたとか、ロンドンでメイクブランドのお披露目に招待されたとか、めちゃくちゃ西側ヨーロッパの風景をバックに決め顔アップしてるんですよ。

イスラム教に異を唱えられないのかも

彼女たちを始めとして、ムスリムたちはイスラム教徒以外に対しては団結してデモもするし不買運動もする。でもイスラム教の中で起きている迫害や災害事案は見えてないのか、見えてても何もしないのか何もできないのか、一切スルー。
タリバン政権の、女性は勉強するな学校に通うなという扱いについては?イランでヒジャブ被らなくて殺されたティーンエイジャーについては?アフガニスタンやモロッコで地震が起きたとき、今みたいな募金の呼びかけはしないのはなぜ??(被害に遭ってるのは同じイスラム教徒だぞ!)

とか考えてしまって。この歪な一致団結具合が日本人から見ると気持ち悪い。ただ、この親パレスチナのマレーシアでインフルエンサーをやってる限り、そのような態度が正解だとは思うけど。ちなみに思想的な投稿が一番激しかった頃に次々フォローを外したので、今もまだ同じテンションで批判してるのかはわからないです。もう日常に戻って、またヨーロッパに行ってるかもしれない。

幸い私はマレーシア人でもないしイスラム教徒でもないので、もう少し、宗教的なヒステリック感情のないところで、政治的な外面と関係国の本音の部分はどうなのかとかを、事実関係から知りたい。。。と思う。






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