苦しそうにしていたから、少し楽になるような考え方もあるよ、と提示したくて手を差し伸べていたつもりだった。でもいつも、「経験だよ、あなたは若いから」と一掃される。なにが悲しいって、私がなにをしようと、この人には届かないんだって思ったこと。

私はどうがんばったって、私のやり方でしかあなたを救うことはできないの。あなたの苦しみを一緒に感じてあげることはできないけど、せめて、救いたいと思ってるということを伝えたいし、本気で救いたいと思う。でも、どれだけ私が手を差し伸べようとしても、その手を振り払われてるような感覚。おこがましいのかもしれないけど、ギブしても、ギブしても、テイクしてくれない感覚。

経験って、当たり前だけど、比べられないんだよ。私のしてきた経験をあなたが経験することができたら、死にたいと思ったかもしれない。私があなたと同じ経験をしていたら、もう死んでいたかもしれない。もしくは、全部良い経験として落とし込んでいたかもしれない。してきた経験自体、同じことなんてなにひとつなくて、苦しみや喜びの感じ方も同じ人なんて1人もいない。5年生きてきた年数が違っても、やっぱり比べられないの。

でもね、救いたい、あなたを楽にしてあげたい、その感覚はたしかにあるの。みんな違う優しさの形を持ってるの。だから、それを受け取ることくらいはしてほしい。私はたくさんもらってるよ。あなたも、お願いだからテイクして。