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100人超えスタートアップのHR施策を公開!プレイドの組織づくりにおける非常識とは

はじめまして、株式会社プレイドのアクセラレーターチームでTalent Experience(=いわゆるHR)を担当している城です。プレイドでは、法務、労務、総務、人事、広報などを担当するチームをバックオフィスとは呼ばず、アクセラレーターチームと呼んでいます。

アクセラレーターチームはその名の通り、事業を加速させるために必要なことを考え、実行しています。ドラスティックにやるべきことの取捨選択を行っているため、一般的なHRの視点からすると時には非常識に見えることもあります。

今回はプレイドのHR担当が組織づくりでやっていない施策、やっている施策の両方を伝えていくことで、スタートアップにおける組織づくりのヒントになればと思います。

また、今回記事でご紹介するような取り組みも含めてお話する「プレイドのこと全部話します」meetupを9/18に開催予定です。
興味ある方はぜひご参加ください!

プレイドが組織づくりでやっていない施策

プレイドは組織づくりにおいて、HRであれば常識とされるような組織構造/
施策でも、あえてやっていません。例えば、以下のようなものはやっていません。

・チーム編成の固定/上司部下の関係
・勤怠管理ツールの導入
・ポジション別採用、ロール別採用

それぞれ、なぜやらないのか、説明していきます。


チーム編成を固定せず、上司部下の関係がない

プレイドの組織の前提は、事業がドライブしやすいように機動的かつ、フラットで個々人のパフォーマンスを高められるようにしています。そのため、上司部下の関係はなく(つまりマネジャーが不在)、長期的に固定されたチームはありません。100名を超える組織においてこの状態を維持していることは非常に稀だと思います。

一方で、このやり方を「完璧だ」とも思っておらず、都度メンバーで話し合いながらチューニングをかけています。


勤怠管理ツールを導入していない

前提として、プレイドでは時間を意識せずに働くことを理想にしています。また勤怠管理に時間をかける事が不要なコストであると考えています。そのため、勤怠管理も外部ツールを導入するのではなく、その考えに沿った独自のツールを開発して利用しています。

時間をかけて働くこと”そのもの”には価値を置かず、アウトプット観点で働くことにこだわっています。一方で、日本の法律を遵守するため勤怠の記録は必要です。もちろん、法律の遵守以外にも勤務や休みを記録して長時間労働を防止するためにも、何かしらの形で勤怠の記録が必要になります。

プレイドではこうした考えのもと、勤務時間を自動的にデータで記録し、できる限り手入力から離れ、時間を意識せずに働けることを実現できるようにトライしています。

社内のネットワーク環境に入った時間と出た時間を自動的に計測し、上記のようにGoogleカレンダーに反映します(カレンダーの黄色部分)。またリモートで作業した場合は手動で入力することも、もちろん可能です(カレンダーの緑色部分)

現在、プレイドの勤怠記録はCTOの牧野が開発した勤怠記録ツール「fungus」を使っており、オフィスのネットワーク環境への接続を検知して、PCを使用しての業務時間を勤怠カレンダーへ自動記録するようにしています。

ポジション別採用をしていない

プレイドでは多様性を重視していて、「今のタイミングや組織にはFitしないかもしれないけれど、長期的な視点で考えると活躍しそう」「その人の長所がどこかしらで生きそう」と感じられる人も採用するという方針です。そのため、特定のタイプに偏った採用はしないと決めていて、基本「全てオープンポジション」というスタンスです。

ポジション別の採用は行っていませんが、関係者で共通認識を持つべくジョブディスクリプションは作成しています。面接に進んだ候補者には「ポジション別採用は行っておらず、エンジニア/デザイナー/ビジネス/アクセラレーターとしての採用になる」「入社の際にお伝えするのはあくまで入口で想定しているロールになります」と伝えるようにしています。

過去に実施してやめたコミュニケーション施策

プレイドは、一時期様々なコミュニケーション施策を実施していました。限られた人数ですべての施策を担うのは負担も大きく、アクセラレーターチームが疲弊している時期も。

CTOの牧野がアクセラレーターチームのリーダーになったタイミングで、「業務に追われるのではなく、もっと攻めていけるように今アクセラレーターチームが主導してやってる施策をほぼすべて止めてみて、それが本当に必要なのか検証しよう」と呼びかけ、ほぼすべて止めてみるという大胆なトライを行いました。

例えば、以下のようなよくあるコミュニケーション施策もこのタイミングで止めています。

・シャッフルランチ(月二回、ランダムなメンバーでランチ)
・今月のお誕生日社員をみんなでお祝い(ケーキを用意)
・朝食部

現在は「HRが実施することによって事業が加速するか?」を検討した上で、加速すると判断されたものにフォーカスするという方針で施策を考えています。

一方では、一度辞めたコミュニケーション施策でも、必要だと思う社員がいれば自主的にやってもいいことにもなっています。役割や組織に囚われずに動くことができるプレイドならではだと思います。


プレイドが実践している組織づくりの施策リスト

組織づくりのこだわりから、HRの常識的な施策をいくつもやっていないプレイドですが、取り組んでいる施策にも特徴的なものがいくつかあります。ここではいくつか施策の中身を共有します。

・福利厚生
・オンボーディング
・ツール活用
・可変的チーム編成
・オフサイト
・オフィス


生産性向上のための福利厚生

プレイドでは、福利厚生も生産性の向上に徹底的にフォーカスして制度のプロトタイピングを行っています。

2018年6月からは「PLAY-AID Allowance」という制度をβ版として開始。これは個人と会社に関わる費用で「曖昧なところ」に対して全社員一律で補助金を支給し、社員は自分自身の生産性を高める働き方のために、自由にその使い道を決めることができる制度です。

例えば、クライアントのECサイトにユーザー登録し、よりクライアント理解を深める、コワーキングスペースのドロップイン利用などでパフォーマンスを高める、メンバー間でおやつやランチなどのコミュニケーション促進につなげるといった用途で利用されています。この他、Amazonの会社アカウントに個人のアカウントを紐付け、生産性の向上に必要だと思ったものを自由に購入して良いことになっています。

お金の使い方や物品の購入以外でも、生産性を第一に働くリズムの作り方も一人一人に委ねています。プレイドには「PLAY-AID Holiday」という有休が無制限に取得できる制度があります。発想・生産性の向上など個人の非線形の成長をサポートするための制度で、法定の有給休暇とは別に独自に付与している有休制度です。

働いた時間ではなくパフォーマンスで評価していることや、必要だと感じる時は自分で判断して休む、生産性高く働くためにセルフマネジメントをしよう、というメッセージを込めています。

基本的に管理をするのではなく、個人が判断できるという前提に立ち、生産性を上げるために効率化に取り組んでいます。


事業との垣根を溶かすタレントオンボーディング

今のプレイドでは、KARTEの理解が働く上でのベースラインになるため、そこを作りにいく=社内の共通言語を増やす、businessとengineerの垣根を(限りなく)なくすといった状態を目指しているので、タレントオンボーディングも極端にやっています。

入社後なるべく早い段階でクライアントよりもKARTEを知っている、使える状態にするため、合計で5日程度の時間をかけてKARTE自体を利用しながら学ぶ「KARTE Dojo」。

KARTEの機能やKARTEで実現できることを理解するため、技術的な知識についてインプットするためのプログラム「TECH::Dojo」。

この2つのタレントオンボーディングを改善を重ねながら作り込んでおり、今後はクライアント向けのオンボーディングにも活かしていく予定です。

どんどん進化するKARTEにあわせて、社内の誰もがこのプログラムを進化させていけるような運用方法への変更にも挑戦したいと考えています。


ツール活用による生産性向上

プレイドでは、社内のコミュニケーションを円滑にするため、アクセラレーターチームでもGithubを使います。その他、Slack、Asana、Zapierなどいろんなツールを使っています(以前調べた際には今までプレイドでは120ほどのツールを使っていました)。

HRの生産性が上がるようにと、エンジニアがツールの連携を設定してくれることもあります。既存ツールの中に適切なものがない場合も、エンジニアが自作します。現在、利用している受付アプリや勤怠記録アプリは社内のエンジニアが作ったものです。

社内外のプロダクトを使い倒すドッグフーディング文化が浸透しており、HRもツールを使い倒すことで組織づくりの生産性を上げたり、事業との境界線を曖昧にしていこうとしています。


2ヶ月単位でチームが組み変わる「フォーカス」

プレイドは、開発体制が常に最適なやり方を選べる可変組織を目指してきたこともあり、会社全体のチームの考え方も、その時の状況に応じて各々が最も良いと思った方法を決めて取り組むというのが前提になっています。

「KARTEをどのように進化させていきたいか」という前提のもと、いくつかのチームに分かれます。たとえば、「KARTEの面を広げるための新機能を作る」「組織拡大のために採用に注力する」「非連続な成長を生み出すために全く新しいことをやる」など軸を決めて複数のチームができます。このチームのことをプレイドでは「フォーカス」と呼んでいます。

このフォーカスは、一定期間ごとにサイクルを区切って、何回も何回も繰り返し編成されます。現在はサイクルの周期を2ヶ月間〜半年としていて、この期間のことも「フォーカス」と呼んでいます(少しややこしいんですよね...)。数ヶ月単位で「フォーカス」が変わっていくので、チーム編成は固定されず、常に流動的です。


短期的な視点を「一旦忘れる」ための月1オフサイト

「フォーカス」のようなチームでの動き方をしており、上司部下の関係もないため、いかに一人ひとりの視座を上げるかがプレイドでは課題になります。その解消も兼ねて開催しているのがオフサイトです。

プレイドでは、月に1回日帰りのオフサイトを開催しています。1回あたりの参加者は20名程度ですが、半年で全員一度は必ず参加するよう、メンバーをアサインしています。泊まりで開催するオフサイトや全社合宿は宿泊が難しい人がいたり、コストが意外と高かったりと課題が色々あったので、今はやっていません。

KARTEは、初期から長期目線で開発しているプロダクトで、「たった0.2%しか出来てない」というのは組織内で自分たちの現状を表現する際によく使う言葉です。オフサイトのような中長期のことを考えられる機会は、思考の抽象度を上げたり、短期的な視点を一旦忘れるためにも重要な役割を持っています。


アップデートしていくオフィス

プレイドは、「アップデートしていくオフィス」という考えのもと、オフィスを活用しています。詳しくは、代表の倉橋がオフィス移転の狙いについて語っているブログをご覧ください。


プレイドのHRがこれから組織づくりで挑戦すること

やっていないこと、そしてやっていること。両面からプレイドのHRが組織づくりにおいてどんなことを実践しているか少しはわかっていただけたかと思います。プロダクトがまず第一にあり、そのプロダクトに最適な組織をつくる。

変化が早く、まだ誰も到達したことのない領域を目指すプロダクトのための組織もまた、従来のやり方とは異なった設計が必要です。プレイドのHRとしては、仮説検証を繰り返しながら組織づくりに挑戦していかなくてはいけません。

この次に挑戦していかなくてはと考えているのは、大きく次の3つです。

・機械的ではない評価の仕組み
・可変組織の中での制度設計
・選考体験を心地よくするKARTE for HR


機械的ではない評価の仕組み

100人を超える規模に成長しながらも、プレイドにはまだ評価制度がありません。さすがにこのまま評価の仕組みがないままで組織拡大をしていくのにも限界があり、評価の仕組みを作ろうとしています。

ただ、機械的に評価の仕組みを作ればいいのではなく、多様性を重視しているプレイドだからこその評価の仕組みを作っていかなければいけません。


可変組織の中での制度設計

フォーカスというチームが固定されず、かつマネジャーが不在という中で、採用やオンボーディング、エンゲージメントの向上をどうするのかというのはHRとしては悩ましい問題です。従来の企業組織と同様のやり方ではフィットしないため、プレイドならではのアプローチを考え、仮説検証していく必要があります。


選考体験を心地よくする「KARTE for HR」

特に採用に関しての議論は継続して行っていて、選考プロセスの体験をいかに求職者にとっても人事にとっても気持ちよいものにしていくかに取り組んでいかなくてはいけません。

プレイドでは「ここでもKARTEを使えないか?」とすきあらばKARTEを使って体験をよくすることを考えるというカルチャーがありますが、選考体験においても負が多くあり、ここを変えていくことに挑戦したいと考えています。

今回は、プレイドの組織づくりにおける常識と非常識について紹介してきました。プレイドでは、完成しない組織づくりに一緒に挑戦してくれるHR担当を募集しています。プレイドに興味のある方は、ぜひご連絡ください!

また近々、HR関連のイベントも開催します!そこでは今回の内容をより詳細にお話できればと思うので、興味のある方はぜひお越しいただけたら嬉しいです!

プレイドの組織づくりの土台にある思想

以下は、本編にも関係するプレイドの組織づくりの土台となっている3つのキーワードです。本編を読んでプレイドに興味を持ってくださった方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。


Culture-less Culture(「決めきらない」という文化)

プレイドには、「決めきらない」という文化があります。前提として、プレイドが挑戦している市場は、未開拓のカテゴリ。そのため、「これをやれば正解」というものはありません。正解がわからない中で、組織が何かを決定してしまえばそれが活動の制約になってしまうこともありえます。

そもそも、カルチャーはあくまで過去の成功体験にすぎません。その過去の成功体験であるカルチャーに縛られ、「らしさ」を固定してしまうことは居場所をなくすことにもつながります。文化を決めきらないこと、そしてカルチャー自体も決めきらないこと。それによって、組織に多様性が生まれ、新たな視点の獲得につながると考えています。


機会フラット

プレイドは「機会フラット」な組織です。メンバーには、意志をもってやりたいと思ったことを、思ったときにやれる機会(権限)が与えられています。


学習する組織

プレイドは学習する組織を目指しています。KARTEは、マーケットインではなくプロダクトアウトな事業です。自らマーケットを開拓する必要があり、未開拓のカテゴリに正解はないため、思考・トライ・学習が重要です。

「まずやってみる」という姿勢も、ここから来ています。正解がない中で、どの方向に向かえばいいかわかりません。そのためには、点を多く打つ=トライの数大事。トライを重ねることで、どこが正しそうかわかってきます。トライし続けることで、正解へと繋がりそうなルートを自ら切り拓いていくのがプレイドの基本姿勢です。

プレイドの組織づくりに興味を持ってくださった方へ

以上、プレイドの組織づくりについてまとめてみました。
興味を持ってくださった方はぜひイベントや採用サイトでプレイドの情報をチェックしてみてください!



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