(4)共通テスト漢文の問題文を白文を読む練習に使ってみようのコーナー

こんなことを最初に始めたきっかけのツイートがこれです。

共通テスト漢文の問題文を白文を読む練習に使ってみようのコーナー(3)|カワイ韓愈 / 카와이 한유|note
の続き。

問自古以來君者無不思求其賢賢者罔不思効其用然兩不相遇其故何哉今欲求之其術安在
句読点をうつ、というより、似たようなかたまりを探して並べ替える、と言い換えた方がわかりやすいかもしれないです。そしてこの最初の二行を、目印となる漢字や、似たような構造の部分みつけて並べ替えることによって、意味のひとまとまりのかたまりを作っていく、みたいなことをやりました。
問 自古以來 君者無不思求其賢
       賢者罔不思効其用

兩不相遇 其故何哉
今欲求之 其術安在
この冒頭の二行を並べ替えて意味を取りやすくしたのが前回までです。その並べ替えの目印となる漢字をみつけながら、似たような構造のかたまりをみつけながら解釈もくわえました。
その解釈に必要な漢文を読むルールは、高校の漢文副読本にずらっと書いてあります。あれは便利ですから手元にある方がいいです。ブックオフの100円棚にはきれいなままのそれが100円で並んでいます。

続く文も同じようにやっていきます。
臣聞人君者無不思求其賢人臣者無不思効其用然而君求賢而不得臣効用而無由者豈不以貴賤相懸朝野相隔堂遠於千里門深於九重
これをこれまでのようなやり方で並べ替えていきます。
臣聞
人君 者 無不思求其賢
人臣 者 無不思効其用
然而
君求賢 而 不得
臣効用 而 無由 者 豈不以貴賤相懸
              朝野相隔
              堂遠於千里
              門深於九重

臣聞く(臣、聞けり、とか読む人もいます)
人君 は 其の賢を求むるを思はざる無く
人臣 は 其の用を效すを思はざる無しと。(「と」と読むのにも意味がありますここでは触れません)
然り而して(しかりしこうして、と読み習わされています)
君は賢を求めて(共通テスト漢文では「求めんとして」と読んでますが、何度も言う通り、これはそう読んだ人の解釈です。そう読んでもいいですが普通はそう読まないです)得ず
臣は用を効すに(共通テスト漢文では「効さんとして」と読んでますが同様の理由です。普通はそう読まないです)由無きは
豈に、貴賤、相懸たり(あいへだたり)、朝野、相隔たり(あいへだたり)、堂は千里より遠く、門は九重より深きを以てならずや。

この共通テスト漢文の方に「求めんとして」「効さんとして」と送り仮名をつけてあるのは、それを読んだ人がそう解釈してわかりやすいと思ってつけたやーつです。私はわざわざそう読まなくてもいい派なのでそう読まないです。基本を外してなければそのぐらい読み方はそこそこ自由です。

貴賤相懸
朝野相隔
「懸隔」という熟語が現代日本にも残っているようにこれは同じ意味で使用されているなあ(懸てる/隔てる・懸たる/隔たる)とわかってきます。次も、
堂遠於千里
門深於九重
「堂」と「門」が建物、「千里」と「九重」が距離、「遠」「深」が程度、並べてみると、きれいな構造。
あとは、それぞれのかたまりの中で、動詞っぽいものはこれ、目印はこれ、最終的に意味はこれ、などとやりながら意味を考えていきます。

「於」というのはもうかなり頻繁に出てくる上に、場面によって様々な意味に変化するなかなかやっかいな目印の漢字です。これも、例の漢文副読本に説明があります。ここでちょっというと「於」の前に形容詞っぽいものがあった場合「~よりも〇〇だ」と解釈します。そういう決まりもそのうち慣れてきます。最初から全部知らなくていいです。そのうち覚えます。



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