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愛しきマトリョーシカの2つのふるさと

マトリョーシカが大好き。

あちこち旅しては気になるマトリョーシカが見つかると買ってしまう。コレクションがいつの間にか増えていき、マトリョーシカ好きであることが周囲にも知れ渡り、ついには、夫から私のプロポーズにまでマトリョーシカが登場した。

教会の中に新郎が、新郎の中に新婦が、入れ子になっているマトリョーシカをどんどん開けていくと一番最後の小さなマトリョーシカに指輪がひっかかっているというサプライズ。6年前、東京に豪雪が降ったバレンタインの夜に、夜景が見えるレストランでプロポーズ…というベタな設定のはずだったのに窓の向こうはものすごい吹雪でまっちろで夜景どころじゃなかった新宿のおもひで。マトリョーシカの演出に救われたなぁ!

そんなマトリョーシカ、実は日本の入れ子人形がモデルという説がある。

ロシアにそのアイデアが持ち帰られ、ロシアっぽい柄で逆輸入されて「かわいいじゃん」と今やすっかりロシアの定番土産にまで成長したわけね。私もまんまとその波に乗っかってしまったのだわ。でもふるさとと意外とご縁が深いということを知るのもまた嬉しく、いよいよマトリョーシカへの親しみが増してしまう。

で、この写真は、ロシアの…どこだったか地名は忘れてしまったのだけど…モスクワ近郊のたしかセルギエフ・ポサドとかだったと思うんだけど…マトリョーシカ作りで有名な街の、マトリョーシカ工場。気持ちのよい木立の中に作業場があって、手作業していると思われる作業台や素材となる木などが置いてある。作業そのものは見られなかったけれど…内部を見学していてふと振り返った時に見えた入り口のこの光景。
絶え間なく出てくる木屑を掃いて整えている人たちの姿や、何度も繰り返し作業場に出入りしている職人さんたちの足取りが見えるような佇まいにふと心が躍りシャッターを切った。

こんな木漏れ日の当たる道を歩いて職人さんたちがやってくる小屋。
手にはお弁当のサンドイッチを持っているかも?
作業の合間にそれを持って外へ出て、同僚と一緒に木漏れ日の中でパクつくのかも?
気難しい顔で口髭をたたえたおじちゃんが木を削り、頭にバンダナを巻いて花柄の前掛けエプロンを付けたおばちゃんが絵付けをしたのかも?

なんて勝手に想像して、そんな人たちの手から生まれたマトリョーシカが海を渡り私の家まで来てくれたんだろうなって考えるだけで楽しい。

(たぶんSergiev Posado, Russia)

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