2回東京10日目第11競走 第85回優駿牝馬(オークス) 予想 


※レースの概要

東京芝2,400mで行われるG1級競争で、1938年にイギリスのオークスを
模範として「阪神優駿牝馬」として設立された。オークスに限らず、日本の
競馬はイギリス競馬を模範としたものが多い。時は進み1946年に「優駿牝馬」となり、1965年からはオークスの副称が付くようになった。
84年のグレード制導入でG1に格付けされ、桜花賞に続く牝馬クラシックの
第2戦として定着している。またかつてはフルゲート28頭という多頭数の
レースだった時代もあるが現在のフルゲートは18頭となっている。

※コース概要

泣く子も黙る東京競馬場芝2400mで中央競馬を代表する主要コースである。
スタートは正面スタンド前の直線からで、平坦のホームストレッチを走り
ゴール板を一度通過。そこからぐるっとコースを1周する。
1コーナーまでの距離はAコース時で350m。1コーナーから1コーナーは
ほぼ平坦となっており、3コーナー手前からやや登り、4コーナーにかけて緩やかに下り、最後の直線走路は525.9m。途中には高低差2.1mのゆるやかな上り坂がある。仮柵によるコース設定はA,B,C,Dの4パターンで、3mごとに
幅員が異なっており、オークスが行われる日はBコースの2週目となる。

※好走馬の条件

勝ち馬は上位人気馬

牝馬クラシックの頂上決戦に相応しく、上位人気馬が順当に走る。
過去10年の単勝人気別順位は以下の通り。
1番人気:6-2-0-2
2番人気:1-3-3-3
3番人気:3-0-1-6
このように勝ち馬は全て3番人気以内から出ている。
かつてはそのまま平穏に固く収まるのがオークスであったが、2019年から
昨年まで連続で3着内に1頭は10番人気以下の馬が突っ込んできており
ヒモ荒れになる傾向が続いている。過去10年の人気別順位で10番人気以下
から馬券に絡んだ5頭は、この期間に集中している。

ナスルーラ系は割引

過去10年の系統別成績をみてみると以下の通り
父系
SS系:5-5-7-113
その他のヘイルトゥリーズン系:1-1-0-13
ミスタープロスペクター系:3-3-1-29
ノーザンダンサー系:1-1-1-19
ナスルーラ系:0-0-1-3

母父
SS系:1-1-1-41
その他のヘイルトゥリーズン系:2-0-0-12
ミスタープロスペクター系:2-3-2-43
ノーザンダンサー系:4-5-3-53
ナスルーラ系:0-1-1-14

以上の通り、父、母父ともにナスルーラ系でなければどこからでも
狙っていけると言えそうだ。父系に関してはミスタープロスペクター系のみ
勝率が10%を超えているのは指摘しておきたい。
配合的には父SS系×母父ノーザンダンサー系が安定しているが
父SS系×母父ミスタープロスペクター系の配合からは勝ち馬が出ておらず
評価を一段下げたい所といえる。
また父馬に関しては7頭中5頭が芝2400m以上のG1勝ち馬だ。オークスは
牝馬限定重賞では最長距離の重賞になり、桜花賞からの臨戦ともなれば
一気に800mもの距離延長となる。従って、距離適性に関して血統的な裏付けは必須と言える。またNHKマイルの項でも触れたが、母系も優秀であれば強調材料と言え、母~曾祖母に重賞勝利実績が欲しい所だ。

基本は前走桜花賞組を順当に評価

オークス好走馬の前走をみてみると、やはり桜花賞組が多数を占め
前走桜花賞組の全体成績は7-5-6-63となる。さらに桜花賞1着馬の成績は
4-1-0-3となり、以下順位をさげるごとに好走率も下がっている。
また勝ち馬7頭は桜花賞3着以内だった。桜花賞組で気になるデータを
もう一つ上げると、桜花賞で4角5番手以下の通過順位だった馬は7-5-5-49で
4角通過順位が4番手以内だった馬は0-0-1-14と勝ち切れていない。

次に別路線組を精査してみる。メインはフローラS組と忘れな草賞組で
フローラステークス組は1-3-1-39だがフローラステークス1着馬は0-3-0-7と
勝ち馬が出ていない。またフローラステークスから桜花賞で3着以内だった
5頭はいずれもフローラステークスで5着以内だった。
更にデータを精査すると、3着内馬5頭のうち4頭が4角通過順位8番手以下で
5頭全頭が上がり3Fが2位以内だった。
最後に忘れな草賞組だがこの組は2-0-1-8で3着以内馬3頭は上り3Fが3位以内
だった。

※注目馬

7番ステレンボッシュ

阪神JFではアスコリピチェーノに惜敗したが、桜花賞では逆襲の一手で
アスコリピチェーノを下し牝馬クラシックの一冠目を勝ち取った。
そのアスコリピチェーノはNHKマイルCを僅差の2着としたところからも
この馬の地力も高いと言えるだろう。しかし桜花賞3着のライトバックらとの着差は僅かであり、ほんの小さなファクターで順位がひっくり返る可能性もある。大崩れはしないと思うが、桜花賞とオークスの連続好走という芸当は並大抵のことではない。また母父ルーラーシップと血統的に不安が残る。


17番タガノエルピーダ

阪神JFは痛恨の除外。しかたなく出走した朝日杯FSで3着と好走した。
それだけにチューリップ賞の4着は意外な結果ではあったが、前走の
忘れな草賞では格の違いを見せつけ快勝。好位から捻じ伏せるという
内容だったが、更なる距離延長と東京コース替わりが未知数といえる。
瞬発力勝負だと分が悪いと言えそうだが、オークスは牝馬がほぼ経験する
事が無い過酷で長い2400m。ペースが割合に流れやすく、最後直線は
バテ合いの消耗戦になりがちな側面もある。そうなれば一気に突き抜けても
不思議はない。

12番チェルヴィニア

アルテミスステークス以来5か月ぶりの出走だった桜花賞では4番人気を背負ったが、なんとなんと13着と大敗。しかしながらこの負けは終始外目を
回らされたことと、直線走路で他馬と接触による減速と原因がはっきりして
おり、ある程度は度外視できる。
今回は新馬戦2着、アルテミスS勝利と相性のいい東京へのコース替わり。
改めて期待したい所である。

※今回の予想印


  • ◎7番ステレンボッシュ

  • 〇14番ライトバック

  • ▲12番チェルヴィニア

  • △10番アドマイヤベル

  • ×2番クイーンズウォーク

  • ×5番コガネノソラ

  • ×13番スウィープフィーート

  • ×17番タガノエルピーダ


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