2回東京8日目第11競走 第19回ヴィクトリアマイル 予想 


※レースの概要

長らく牝馬限定G1級競争は、牝馬クラシック3冠のみという時代が続いた。よって古馬になった牡馬に混じってG1競争に出走する他なく、古馬牝馬不遇の時代だったと言える。しかし1996年のエリザベス女王杯の古馬開放を機に
古馬牝馬が活躍できるレースの充実が図られるようになり、春季に
古馬牝馬の目標となるG1を創設しようという目的で、2006年に新設
された。
第1回開催から東京競馬場の芝1600mで行われ、現在は春の
古馬マイル女王決定戦として定着している。

※コース概要

スタート地点は2コーナー付近。スタート直後は緩やかに下っており
スピードが乗りやすい。また3コーナーから4コーナーまでが緩やかな
カーブのためペースが落ちにくい。ゴール前の直線は約525mとなっており
高低差2メートルの坂が待ち受けている。緩まないペースに最後の瞬発力勝負とマイラーとしての総合力が求められるが、中距離をこなせるくらいの
スタミナも同時に要求されるタフなコースである。
また前回のNHKマイルの予想では、馬場バイアスはほぼ消滅し末脚がモノをいう差し有利傾向となっていると紹介したが、ヴィクトリアマイルに
限っては「スローペースだと差し有利⇔平均ペースだと先行有利」が鉄板であるという点に注意したい。

※好走馬の条件

前走重賞組が有力

過去10年の前走クラス別成績は以下の通り。
海外:1-0-0-4
G1:4-1-4-20
G2:4-4-5-67
G3:1-5-1-44
OP以下:0-0-0-10
見ての通り、オープン特別以下のレースから馬券に絡んだ馬はいない。
勝率、連対率、複勝ともに最も優秀なのは前走G1組で、つづいてG2組と
実績通り順当な結果に落ち着いていると考えて良い。
更に最も出走頭数の多いG2組に目を向けると、阪神牝馬Sからの臨戦が
4-3-4-57と最も好成績である。

前走1着馬が不振

前項で前走重賞組が順当に好走すると紹介したが、実は前走1着馬の
成績がなぜか芳しくない。前走着順別成績は以下の通り。
1着:0-3-0-36
2着:1-3-3-23
3着:1-2-3-9
4着:1-1-0-5
5着:1-0-2-7
このように前走2,3着の成績が良いだけに意外な結果と言える。
さらに前走1着馬のレースに注目してみよう。
阪神牝馬S:0-1-0-9
中山牝馬S:0-1-0-4
京都牝馬S:0-1-0-2
福島牝馬S:0-0-0-6
このように、主要なステップレースの勝ち馬が勝っていないことに気付く。
特に阪神牝馬S勝ち馬は大不振で、好走したは20年のサウンドキアラのみ。
狙うならばステップレースを2~5着に好走した馬を狙うといいだろう。

父系はSS系、ノーザンダンサー系だけチェックすればいい

NHKマイルCと同じコース設定で行われるマイル戦らしく、好走する血統も
似通った傾向にある。ヴィクトリアマイルは更に如実で過去10年の勝ち星の
トップはSS系の7勝と断トツの成績を残している。詳細は以下の通りで
SS系:7-7-8-119
その他ヘイルトゥリーズン系:0-0-0-7
ノーザンダンサー系:2-2-1-18
ミスタープロスペクター系:1-1-1-28
ナスルーラ系:0-0-0-2
と父系はノーザンダンサー系とSS系を押さえておけばまず間違いない。
さらに芝1600mか2400mのG1の勝ち馬であれば得に強調材料となる。

次に母父に目を向けると、SS系以外のヘイルトゥリーズン系とミスタープロスペクター系が3勝ずつと勝ち星を分け合い、ノーザンダンサー系が2勝
SS系とナスルーラ系が1勝ずつとなっている。
またマイルG1馬と北米ダート中距離型が多いのも注目だ。
総じて勝ち馬は母系も優秀であり、少なくともマイル重賞勝利実績は
マストといえる。

※注目馬

10番ナミュール

昨年のヴィクトリアマイルは7着、安田記念は16着と大敗したが、その年の秋にマイルチャンピオンシップで嬉しいG1初制覇を飾った。
香港マイルではゴールデンシックスティの3着とし、ドバイターフは
ハナ差の2着。ここにきて着実に力を伸ばしてきている。
とくに短距離~マイルでは破格のレベルを誇る香港で上位好走できたのは
その実力の証明と言えるだろう。今回は鞍上に武豊を迎え必勝態勢だ。

6番マスクトディーヴァ

昨年のローズSではコースレコードをで勝利。秋華賞では「お嬢さん」こと
リバティアイランドの2着と中距離ではG1クラスの実力を誇る。
また前走の阪神牝馬Sでは人気に応えきっちりと勝利し、2走前では
6着と敗れはしたが上り3Fは2位タイの速さを見せた。
マイル戦も問題なく、広い東京コースも合うはずだ。
ただし父ミスプロ系×母父SS系という血統に不安が残る。

5番ウンブライル

昨年のNHKマイルでは大外から目が覚めるような豪脚で追い込み2着とした
ものの、骨折が判明し長期休養を余儀なくされた。
休養明けの東京新聞杯ではさすがに馬体も絞り切れず、9着を見所なく終わったが、前走阪神牝馬Sでは外を回した分のロスが祟ったものの、勝った
マスクトディーヴァに詰め寄る2着とした。
なかなか勝ちきれないが、一貫してマイル戦を使われており、この距離が
得意であることに違いはないだろう。

※今回の予想印


  • ◎10番ナミュール

  • 〇5番ウンブライル

  • ▲6番マスクトディーヴァ

  • △3番スタニングローズ

  • ×2番フィアスプライド

  • ×4番コンクシェル

  • ×7番ハーパー

  • ×15番ドゥアイズ



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