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週刊金融日記 第360号 人間は一番欲しいもののことを口に出せない、ニュージーランドで極右白人によるテロ、第21号~第30号の中でいまでもオススメのお店、初学者が恋愛工学を履修するガイドライン、他

// 週刊金融日記
// 2019年3月19日 第360号
// 人間は一番欲しいもののことを口に出せない
// ニュージーランドで極右白人によるテロ
// 第21号~第30号の中でいまでもオススメのお店
// 初学者が恋愛工学を履修するガイドライン
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 最近、かなり温かくなりましたね。僕は明日から、ちょっと海外に行ってきます。また、このメルマガで海外のスポットも紹介したいです。
 先週は、ニュージーランドで、イスラム移民の増加に反発する白人男性による恐ろしいテロがありました。ニュージーランドと言えば、世界有数の平和な国で、このメルマガでも留学先候補の国のひとつとして取材し、紹介していました。
 犯罪歴もない28歳の「ふつう」の白人男性が、モスク(イスラム教礼拝地)で自動小銃を乱射し、恐ろしい数の犠牲者が出てしまいました。
 ご冥福をお祈りします。

●NZ銃乱射ルポ 移民排斥、「世界の底の国」まで「トランプ米大統領の影響」の声も
https://www.sankei.com/world/news/190318/wor1903180024-n1.html

●ニュージーランドから学ぶ“個性を伸ばす”教育 テクノロジは「あくまでもツール」
https://japan.cnet.com/article/35118488/

『週刊金融日記 第343号 子供の英語教育 その2』
『週刊金融日記 第348号 オークランドの美味しいレストラン』

 テロと言えばイスラム過激派が多かったのですが、今度は先進国の孤独な白人男性が凄惨なテロを起こしました。白人至上主義者だったようで、多産なイスラム教移民が白人の国を覆おうとしている、などとした犯行声明を発表し、学者や評論家はさまざまな解釈を書いています。
 統計的には、テロの危険性は常に過大に評価されており、実際のところは交通事故などで死亡するリスクの方が圧倒的に高いので、生活レベルでテロに備える、という必要はまったくありません。テロに遭遇してしまったら死ぬしかありませんが、不運なので仕方がありません。あきらめましょう。しかし、世界中のメディアで取り上げるため、社会的なインパクトは絶大で、テロリスト集団はまさにそれを狙い、最小のコストで最大限の影響力を獲得しようとします。ある意味で、究極の炎上マーケティングで、騒げば騒ぐほど、テロリスト集団の思う壺です。人種や宗教による分断を決して許してはいけません。

●サルでも3分でわかるイスラム国の歴史
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52039311.html

●「男尊女卑」のイスラム教国家は大繁栄を続けている
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52093322.html

『週刊金融日記 第147号 恋愛工学で読み解くイスラム国』

 いつものように読者からの興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

- 先週から購読開始した者ですが恋愛工学を履修するガイドラインはありますでしょうか
- ビジネスメールでの文章力を上げる方法について
- 世帯給与所得4000万円ですが裕福な生活ではありません
- 世帯年収1000万円台後半ですが息子をはまキッズに入会させるべきですか
- 男ですがア*ルに入れられセックストリガーを理解しました
- 大学生ですが彼女がパパとやっていました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.人間は一番欲しいもののことを口に出せない

 先日のテロについて、僕が犯人=非モテ説をすこしツイッターでつぶやいたところ、犯行声明にはそのような事実はまったく書かれていなかった、としてこの分野に明るい学者や評論家の方たちに、ツイッターで怒られてしまった。事件はあまりにも凄惨で、もちろんSNSなどで奇をてらうことを言って、注目を集めようとしたりする行為は甚だ不適切だ。ただ、僕が言いたかったことは、作家でいえば村上龍さんなんかが「自殺よりセックス」と言ったり、実業家の堀江貴文さんが「テロよりエロ」と言っていたように、性的に満足できる何らかの捌け口があったなら、人間こんな愚かなことしないよな、という当たり前の話である。今日、女の子とデートしてセックスできるかもしれない、と期待してるやつが、自殺とかテロとかするわけないだろ……、と。
 動物行動学によれば、トドの決闘にしろ、鹿が角を突き合わせるにしろ、鮭が命を捨てて射精するにしろ、カマキリのオスがセックスしている間にメスに頭を食われたり……、命を危険に晒す行為のほぼすべてがオスが繁殖のチャンスに賭けるためである。テロの実行犯を想像してもらえばわかるように、彼らはほぼ全員が男性だ。ふつうのメスは子宮があるのでモテるのだが、ふつうのオスの精子は価値がないため子孫を残せない、というのが大半の動物の世界で、それゆえにふつうのオスは命を賭けて目立とうとするのだ。自分の命を賭ける極端な犯罪行為のエネルギー源が、こうした男の性欲から供給されているのは、進化生物学を勉強すると、ほとんど自明のように思える。

★既存の文系学問は、動物行動学のこの当たり前の事実を軽視していると思う。

★人間は一番欲しいもののことを口に出さないんじゃないか。

 池内教授が僕のツイートをディスったものだから、次から次に人文系の人たちが湧いてきて、僕のツイッターは賑やかになった。しかし、そんなことは気にしていないし、僕の池内教授に対する評価も変わらない。僕は基本的に、業績至上主義というか、本質しか見ないところがあって、あまりこういうことを気にしない。新しい知識やものの見方を教えてくれる人は、いつでもいい人だ。僕のポケットのお金を増やしてくれる人がいい人で、奪っていく人が悪い人だ。セックスさせてくれる女性が好きだし、そうでない女性はすぐに興味を失ってしまう。だから、直接知り合いでもないアイドルとかはまったく関心がない。
 さて、そんなことはどうでもいいのだが、今日はテロの話や宗教の話をしたいのではない。僕は常々思っていることだが、人間は自分が一番欲しいもののことを口に出せない、ということだ。むしろ、そんなものはいらない、と否定したりすることもある。たとえば、それは金とかセックスとかを思い浮かべればわかるだろう。

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