見出し画像

ワークショップのデザインモデルについて

ワークショップをデザインする枠組み(フレームやデザインモデルとも言う)について書きます。

この記事は、システムコーチング Advent Calendar 2023の記事です。

システムコーチングとは何かについては、以下に詳しく書いてあるので、気になる方はそちらの記事をご覧ください。

2023年にCRR Global Japanが主催するアルケミーコースを受講しました。2人体制でファシリテーションをする方法や、体験学習型ワークショップの組立て方の学び方を学ぶ講座です。

2人体制でファシリテーションすることに特化したトレーニングは初めてで、2人体制でなくとも学びが多く、おすすめの講座です(特にマージンとかもらっていませんので。あじからず。)

受講対象
コーファシリテーション(コーリード)に興味がある方、実際に必要な方
体験学習型ワークショップの組立て方を学びたい方
会議やプロジェクトなどで二人以上のメンバーと一緒にチームを導く必要がある人
学校教育などで体験学習プログラムの取り入れを検討している方
システムコーチングをコーコーチで実践されている方
ORSCプロフェッショナル実践コースに参加されている方、参加を検討されている方

感動的な瞬間やグループでの学びが深まっていく『体験学習』を自然と生み出していく仕組みを学ぶコース|アルケミーコース

アルケミーコースのなかでは、体験学習のプログラム/プロセスについて、多くの時間を扱ってはいませんでした。そこでワークショップ実践家のなかで、どのような設計方法が他にあるのかについて、この記事でご紹介します。


TKFモデル

TKFとは、つくって(T)、かたって(K)、ふりかえる(F)の3つのステップのことを指しています。この3つのステップは1回だけではなく、繰り返しながら実施していきます

まず、「つくる(T)」とは、夢中になれる活動を通して、表現したり作ったりする活動のこと。次に、「かたる(K)」は、作ったものを他者と共有し、意見を交換する活動のこと。最後に、「ふりかえる(F)」は、全体を振り返ることで体験を意味づけする活動。この3段階のプロセスを実践しようとするのが、TKFモデルである。

上田信行. プレイフル・シンキング[決定版]: 働く人と場を楽しくする思考法 (p.194).

近い考え方として、MIT Media LabのCreative Learning Spiral(創造的な学びのスパイラル)があります。発想(Imagine)→創作(Create)→遊び(Play)→共有(Share)→振り返り(Reflect)→発想(Imagine)…etcのサイクルを繰り返します。

http://web.media.mit.edu/-mres/papers/CC2007-handout.pdf by Mitchel Resnick


導入、知る活動、創る活動、まとめ

4つのステップで書かれているものもある。導入→知る活動→創る活動→まとめの流れである。

拙著『ワークショップデザイン論』では、ワークショップの理論的源流であるジョン・デューイの経験学習の理論と、それを定式化したコルブの経験学習モデルを参考に、ワークショップの単体の「活動」の基本構造を[導入][知る活動][創る活動][まとめ]の4段階で定義しています。

https://note.com/yuki_anzai/n/n7d4b95302098

イタリアンミールモデル

イタリア料理をメタファーにした活動モデルです。例えば「アンティパスト」は前菜なので、「これからどんな料理が出てくるのだろう」と期待感を抱かせるための料理と捉え。ワークショップデザインにおける、参加者が「なになに?これから何がはじまるのかな。ワクワク」と、そんな気持ちにさせる活動が必要になってくると考えてます。



イタリア料理のメニューは「アンティパスト」からはじまり、「プリモ」「セコンド」「ドルチェ」「エスプレッソ」と続く。僕はこれを、ワークショップを組み立てるときの活動のメニューとして使っている。

上田信行. プレイフル・シンキング[決定版]: 働く人と場を楽しくする思考法.


全体性のたまご

全体性のたまごでは、事前に用意したものを順番通り学んでいくというだけでは、目的達成できても、プロセスを良いものに出来ないのではという課題感から生まれた。全体性を感じられるように、たまごのような円を書きながら体験をデザインする方法。


https://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/papers/AsianPLoP18_WholenessEgg_WWS.pdf

はじめにデザインの対象の全体をイメージし、そこから最も重要な中心(センター)を捉え、分化させていくことで活動のデザインをしていくというデザイン技法である。

https://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/papers/AsianPLoP18_WholenessEgg_WWS.pdf



以上、ワークショップのデザインモデルについて、ご紹介しました。まずはデザインモデルを見よう見まねにつかってみること。そして、デザインモデルがどのようにできたかの背景も含めて探索してみること。最後に、自分なりのデザインモデルを構築してみる。そんな場を繰り返すことで、多様な人が関わる場、目の前のシステムをより良いものにできますね。

そして2024年から新しい学びの場を実験的にスタートします。

実践できる機会や、ともに学ぶ仲間がより重要だと感じ、2024年の2月から、物事に対してワクワクドキドキする場を通じて、学び、気づき、変化する。そんな場づくりについて学ぶ実践プログラム/実践コミュニティー PLAYFUL LEADERSをスタートします。こちらも気になった方は、ご覧ください。








この記事が参加している募集

最近の学び

ありがとうございます。ちょっと疲れた日にちょっといいビールを買おうと思います。