見出し画像

両親がiPhoneに機種変更をした話


我が家は根っからのdocomoユーザーである。
実家の両親もそう、私もそう、旦那もそうだし、旦那実家も同様である。

私は大学生の頃にスマートフォンへ鞍替えをしたが、ハンディキャップがある両親はずっとガラケー(らくらくフォン)を使っていた。
珍しいものに興味がある父は娘がiPhoneに機種変更をすると興味を持ち始め、気付けば母が買って放ったらかしになっていたiPadを使いこなすまでになっていた。

父はこのままiPadとガラケーの2台体制で生活するんだろうなーと思ってたし、母も機械類が得意でないがいろんな人に教えてもらってパソコンでキーボード入力ができるまでに成長したので、ガラケーで電話、メールはパソコンにしていくのかなと思っていた。





FOMA終了が報じられるまでは。






とっくの昔にFOMAから足を洗ってしまっているので「そっか…過去のものになるのか…」としみじみしていたが冷静な私がふと気づいてしまったのだ。






あれ、あの人たち…FOMA終わるといろいろと終了なのでは…???
いや機械に強い父はいいとして、母親…ヤバない…?!?!





前述の通り、母親は電子機器類に疎い。家事に使う洗濯機や掃除機、TVのON/OFF、ラジオのON/OFFなどは問題ない。問題なのは携帯電話の操作である。



どれくらい問題なのかを説明すると、電話のかけ方は何とか覚えるのだが時代はメール・LINEと変遷をしている。そのメールを覚えるのに3年かかった人間である。
メールの送受信を覚えてからも母は私にゴーストライターとしてメールを送る任務を命じるくらい電話に全幅の信頼を置いてる(というかそもそもメールが嫌い)。

そして電話とメール以外の機能は全く使うことが出来ない。これは大ピンチである。





私「FOMA終了するけどどーすんのよ」
父「んー、まだすぐにサービス終わるわけじゃないですしねー。ゆっくり考えます。」

父よ、そんな呑気なことを言っている場合ではない。




そもそも親子というのは似るもので、私も友達が少ないが母親もそんなに友人は多くない。しかし親戚を含めて電話をする人はいるので、メールが苦手な母親にとっては貴重なライフラインの一つである。
だがそれは短縮ボタンがわかり易かったらくらくフォンだったから何とかなった話である。



FOMAが終了するということは母にとってはスマートフォンに機種変更をしなければならず、それはとても死活問題なのである。
何より画面が見えないから非常に使いにくい…!!!





…ん???待てよ???
見えなくてもiPhone使えるって聞いたことあるぞ???


皆様、VoiceOverという機能をご存知だろうか。





iPhoneには標準搭載の機能で、私は10年近く前の初期の初期の死ぬほど動作が重かった頃しか知らないためあまり信用していなかったが、視覚障害者のガジェットコミュニティでは「最近のVoiceOver、超優秀」と話題をかっさらっているらしい。父親から聞いた。


まあ、機種変更時に携帯ショップで設定をしてもらえばあとは何とかなるかな…Siriもあるし…と全く補助をする気がない娘で申し訳ないが、最悪ドコモショップの店員に懇切丁寧に何をしなければいけないか説明をしてもらうしかないと思った。





iPhoneに変えるわ宣言をされて1年以上経ったある日、仕事終わりに携帯を確認したら見知らぬ番号から電話が来ていた。

私は日頃から電話帳に登録されていない番号への対処法として番号をGoogle検索にかけて、本当に知らない(あるいはやばい)番号であればコールバックをしない手法を採用している。この時も一連の流れを行なったが、検索にも引っかからずかと言って得体の知れない番号のためコールバックをせずそのままにしていたが、いつもなら気にしないのにこの時は掛け直すか本当に迷ったのだ。


なんだかすっごく実家の電話番号に似てるんだよなぁ…むしろ下4ケタ一緒なんだよなぁ…



まあいっかァと放置をして数日、見慣れた番号から電話がかかってきた。母親である。

「元気ー???」
「元気だけど何ー???」
「実は報告があってさー、何日か前に変な番号から電話かかってきてない???」
「何故それを知っている???…ハッ」



勘のいい皆様はお気づきでしょう…数日前に掛かってきたすごく実家の番号に似ている電話番号の正体を。




「実はiPhoneに機種変更したんだー」



母親の番号でした。
会社ごと変えたんかと思った方もいるだろう、そもそも機種変更なら電話番号は変えなくてもいいのだが、これには機械が苦手すぎる母親なりの事情がある。



・iPhone使いこなせるか分からない
・でもらくらくフォンも最近調子悪い(この時点で購入から6年経過)
・でもどっちも使えなくなったら困る




以上のことから母親がとった手段はガラケーを所持したままiPhoneを契約するという一昔前のコム持ちJKと同じ手段を使ったのだ。
(ちなみに父親も同じ手段を使いましたが昨年末にはガラケーを解約したそうです。)




機種変更から1年ほど経ち、父親はすっかり使いこなしている。母親はSiriとお友達になった。Siriがないと電話がかけられないので、一応ガラケーも残していたが今年の夏頃に解約したらしい。よかったね。




ちなみに年始に実家を訪れた際に触らせてもらいましたが、VoiceOverは10年近く前よりもサクサク動きました(当たり前)。
ブラインドスクエアを入れたらすごく快適なんすわ」と父親に言われたのでなんぞ???と思って調べたら有料の盲人用地図アプリらしい。値段を見てびっくりした(買い切りのやつ)。







何となく「ATOKはいいぞ」と言われて値段見て絶望した学生時代のことを思い出して切なくなったが、両親が快適なiPhoneライフを過ごせることを祈りつつ、母親への誕生日プレゼントにiPhoneケースでも贈ろうかと思う。
(なお、今年の誕生日は過ぎ去った模様)(来年の私頑張れ)




ちなみにiFaceを触った母親の感想
「なんか持ちにくい」
手の小さい方には好みじゃなかったようです。

いただいたサポートは面白いものに使っていけたらと思います。(訳:まだ何も決まってない)