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テレアポ部隊化した、インサイドセールスチームを立て直してみた。

■0-1. はじめに

この記事では、先日Twitterで投稿した際に反響が大きかった「テレアポ部隊化した、インサイドセールスチームの立て直しステップ」について、お話していきます。

■0-2: 記事を読んでいただきたい方

・「インサイドセールスといっても、テレアポしかできていない」と悩んでいる方
・課題感を抱えつつも解決の糸口の見えないプレイヤー、マネージャー、経営層の方

この記事では、特に最重要な「メンバーのマインド面」にフォーカスして記事を書いています。管理手法などの科学的なアプローチは別機会で公開します。

■1-1. そもそも「テレアポ部隊化」とは?

●定義

言葉の定義が曖昧になるとお届けする情報として正確でなくなってしまうので、最初に定義します。

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イメージは「プッシュ型営業チーム」という表現が一番近いです。

 実際に現場で起きていること

①データが可視化できておらず、適切に改善されない
②組織目的が「顧客への貢献」から「アポ獲得」に変化。
③商談が獲得できなくなりアポ目標に追われ架電する
④顧客の解像度が上がらず「価値なし」と判断され電話が繋がらない
⑤新規架電をするしかなくなり、③に戻って負のループ


●テレアポ部隊とインサイドセールスの違い

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※見にくかったらDMいただければ纏めているmiroに招待しますので、ご連絡ください!

大きな違いは

・顧客の課題を知るためにヒアリングするか、アポ獲得のために架電するか
・顧客の解像度を高める努力をしているか
・改善のためのデータの可視化をしているか

です。

■1-2. インサイドセールスチームのあるべき姿

次に、テレアポ部隊化したチームと、インサイドセールスチームの違いを詳しく紹介します。

●テレアポ部隊化したチーム内でよくある行動

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インサイドセールスでは「お客様との約束」を取り付けることが鍵になります。しかし、約束=商談のアポではありません。

●インサイドセールスチームとして、目指すこと

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リストに沿ってお客様に電話をかけて終わりではありません。

インサイドセールスの第一歩は、

・顧客に担当者自身の姿勢とサービスの価値を伝え、課題を共有してもらえる信用を得る。

・そして、ヒアリングし、顧客にとって適切なタイミングで、次回の約束を取り付ける。

・お客様のご要望に応えられないのであれば、「提供できるタイミングが来たら、またご連絡差し上げます」という約束をする。

●まとめ

インサイドセールスチームが取るべきアクションは、お客様の課題を聞き出し、適切な情報を届けるプル型営業です。

「○○を買ってください!まずは一度お話だけでも!」と押し付ける、プッシュ型の営業になっていないか、ぜひ振り返ってみてください。


■2-1. テレアポ部隊化チームは、機会損失を生み出している。

●会社の機会損失

インサイドセールスがテレアポ部隊になってしまうことは「会社の機会損失」につながります。

機会損失には大きく分けて、「お客様との関係性を失う」と「レピュテーションリスク」の2種類があります。

①お客様との関係性を失う

テレアポ部隊として、架電数をKPIとし、リスト順に焦って架電するだけになってしまうと、最悪の場合、信用を失い、二度とアプローチできなくなる可能性があります。

コストをかけて繋がったお客様との関係性は会社の資産です。会社の資産を無駄にすることは避けたいところです。

大前提、お客様には、お客様のタイミングがあります。

担当者ができることは、顧客に自社サービス、商品の価値を届けることができていれば、すぐに商談に繋がらなくても、今後必要だと思われるタイミングで連絡がくるでしょう。結果として受注、その後のビジネスにつながる機会が生まれます。

ただリストを消費していくテレアポでは、この機会を損失してしまうことになります。


②会社の評判が下がるリスク(レピュテーションリスク)

わかりやすい例で、レピュテーションリスクについて説明します。

誰しも、取引を検討するタイミングで、会社名で検索しますよね。
いざ検索を結果をみた際に、「〇〇 テレアポ 迷惑」と表示されたり、Google口コミが極端に低かったりして、不安になった経験はありませんか?

顧客と接点を持つ全員が、お客様にとって会社のイメージを良くすることも悪くすることもできます。

このように、インサイドセールスがテレアポ部隊になってしまうことは、会社単位で機会を損失することになり得るのです。

■2.2テレアポ部隊化する、根本的な原因

先ほどの章でお話したように、会社の機会損失に繋がる可能性があるテレアポ部隊。どうしてこのような組織になってしまうのでしょうか。

根本的な原因は「組織目的がチームに浸透していないこと」です。

目的とは、いわばチームビジョンのようなものであると考えてください。

●チームビジョン

チームビジョンでクリアにしたいことは、「私たちはインサイドセールスという役割で、顧客にどんな価値を提供するのか」です。

「なぜこの会社でインサイドセールスをやるのか?」が不明瞭であれば、インサイドセールスチームは、ただ電話をかける集団になってしまします。

またチームメンバー全員が、ビジョンに沿って、「意識せずに行動」できるまでが浸透です。リーダーが率先して、口酸っぱくビジョンを伝え続けかけなければ、少しずつズレていきます。

●初期に限って、チームビジョンよりも重要なこと

チームビジョンが重要と書きましたが、実務上、インサイドセールス立ち上げ初期のKPIは「アポ数」が正しいと考えています。

これは、UNITEが過去20社以上のセールスチームをご支援させていただく中で、発見したことです。過去にKPIにアポ数を設定しなかったこともありましたが、多くのケースでうまくいきませんでした。

立ち上げ初期で心がけることは、まずは行動し、素早く改善することです

したがって、KPIをアポ数にしないと、「電話」慣れが遅れ、インサイドセールスチームの土台が立ち上がらなくなるのです。

具体的に、初期のフェーズでは、

・いつまでに何件の商談数が必要なのか
・そしてなぜこのKPIに設定されているのか

この2点がチームで共有されていることが望ましいです。

ここが特に、難しいことなのです、、、

●まとめ

チームやプロジェクト次第ですが、チームビジョンの浸透に向けて動きながら、KPIであるアポ数目標を3ヶ月間安定して達成できるようになることで、チームを立て直していくことができています。


■2-3. 立て直すための初期アクション

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●マインドセット醸成と顧客理解

組織が出来上がってから日が浅い場合は、「Why us」を考えるところから始めます。

なぜ私たちはこの仕事をするのか?ということをメンバー自身腹落ちしていく過程で、会社において自分が担う役割と、自分が取り組む意義を接続していくことが必要になります。

同時に、フィールドセールスやカスタマーサクセスと定例MTGを設定し、顧客理解を深めます。マインドセット醸成と顧客理解両方に取り組むことで、初めて結果に繋がります。

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●マネージャーに求められること

次に、「架電→繋がる→ヒアリングできる→商談につながる」各フェーズの移行率を抽出し、最適な改善ができるマネージャーの存在も重要です。

正確な数値の管理と適切な改善があってはじめて、テレアポ部隊から立ち直ることができると考えています。

この「数値管理と改善」についても、今後コンテンツを作成していく予定です

■3. テレアポ部隊から脱却した、実際の事例

実際にUNITEが関わる中で、テレアポ部隊化したチームが、どんなアプローチで、目指す状態に近づいていったのか、ご紹介します。

あくまで組織の特徴やフェーズによって取る方法は異なってくる為、一事例としてみていただければと思います。

●参画当初の課題感

UNITE参画当初、テレアポ組織になってしまっているものの、プッシュ型営業をしているエース級のメンバーが一番「アポ数という結果」を出してしまっている状態でした。この場合、結果が出ている分、変えることの難しさを痛感しました。

そこで、一番結果を出しているエースが変わること、エースが変わることができるように、マネージャーが働きかけていくことをセンターピンにおきました。

●最初に取り組んだこと

このケースでは、はじめにトークスクリプトの確認から行いました。「無料の期間があるので一度話しませんか?」というプッシュ型のトークスクリプトから、ヒアリング重視のトークスクリプトへの変更です。

いきなりアポを獲得しようとするのではなく、その電話でヒアリングをする時間をいただき、お客様の課題に対して貢献できる場合であればそのまま商談のご提案ご案内をします。

一方で、その時点で解決ができなくてもそこで終わりではなく、「解決の事例ができた際にまたご案内してもいいか」という約束をするようにトークスクリプトを設計しました。

また、その際に「Why you Why now(なぜ今日あなたに連絡をしているのか)」が伝わるように設定しています。

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●実際に起こった変化

スクリプトという具体的な手法を変えることで「このスクリプトの方が顧客に信用していただけそうな気がします」「このスクリプトで顧客と話すと、好意的な反応が返ってきます」という形で、アポ数目標を追いながらも顧客から信用を得られる楽しさを感じてもらうことで、仕事の意義を再認識してもらいました。

合わせて、フィールドセールスと定例MTGを設定し「自分たちがお客様のどのような課題を、どのように解決しているのか」を聞くようにしました。

自分たちが接点を作った顧客が、その先のフローでどう成功していくのか、どう課題が解消されていくのかを知ることで、自分たちの仕事に誇りを持てるよう促すためです。

●まとめ

今回のケースのようにプッシュ型の営業が成功事例としてインプットされている組織の場合、トークスクリプトの改変後、数字的な結果が出てきてからチームビジョンの設定、マインドセットに移行することが鍵になります。
メンバーがチームビジョンを受け入れられるタイミングをどう作っていくかが重要です。

■4. 最後に

いかがでしたでしょうか?

テレアポ部隊になってしまうことは想像以上に会社への損失が大きく、できるだけ早く組織を変える必要があります。その一方で、こうなってしまった組織の変革を進めることは簡単ではありません。

UNITEではインサイドセールスの立ち上げや立て直しに特化した支援を行なっておりますので、インサイドセールスで何かお困りの際はぜひご連絡いただければと思います。

まずは気軽にディスカッションしましょう。


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