~卒業設計案2~ 都市のヴォイド

前回に引き続き、卒業設計案について書いてみようと思います。

この都市のヴォイドは様々な場所を定義する。昔は使われていたが現在使用されていないタワーパーキング 、廃墟と化した住宅、駅前で閉店した商店街、閉店した百貨店など現在建築として形のみは残っているものの取り壊しの費用が無く現在も残っているものを定義する。

これらのものの多くのものに共通する特徴として、都市部に存在しているということがある。今後のリモートワークなどによって地方に注力し出した時にこのような場所は徐々に増えていくのでは無いかと考えられる。この都市のぽっかりと空いた穴のような廃墟をヴォイドとして何か活用方法を考えるというものである。

壁や開口を極力なくすことによって半屋外の緑地空間を作ることもできるし、中に何かプログラムを入れることで活性化を測ることもできる。中にプログラムを入れた場合はただのリノベーションであり卒業設計で取り扱うほどのものになるかはよくわからない。
半屋外の緑地などを作ることもリノベの一歩先のものであり、都市にあるメリットや新規性はほとんど無いかなと感じている。

そこで私の提案としてはあえて何も作らないことによって周囲の建築の中に一つの穴があき、落ち着くような究極の囲まれたスペースが作れることが考えられる。これは都市の周囲の喧騒や建物、人に囲まれた場所からの隔絶された安心感のある場所を作れると考えている。

このような都市のコンテクストに対してそれから切り離されたような場所を作ることが現在の世話しない都市に対する安心感を与える場所になるのでは無いかと思う。そもそも現代建築はコンテクストを考えることが非常に重要である。コンテクスチャイズムの潮流が重要というよりもモダニズムへの反発としてあると思われるが、今回の設計の都市はビルや住宅など比較的モダニズム的な場所性の無い建築群が多く存在する。この建築群こそがコンテクストを作り、今回の提案はそのモダニズム的コンテクストを無視したいという考えがある。

この設計はヴォイドの中の提案は日陰でジメジメしたような場所となるためよく言えば落ち着いた場所を作りたいため、プログラムが重要であると考えられた。
そのプログラムを考えることが難しいなと思ったので、まだ悩み中の提案である。

簡単にですが書いてみました。読んでいただきありがとうございました。

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