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「Stella Binaria」についての解説②

「Stella Binaria」/ 桐壺 × 七味羊羹
作曲:七味羊羹、桐壺
編曲:桐壺

 今回は、10/21の東京農工大学作曲・DTMサークルの作曲大会(テーマ「合作」)で出した楽曲「Stella Binaria」の続きをします。①を読んでいない方は、先にそちらを読んでからこの記事を読み進めて下さると嬉しいです。

合作の流れ②

 さて、前回は作曲の流れを書いていきましたが、この記事では編曲やタイトル決めについて書いていこうと思います。

編曲

 編曲で特に難しいのは、①音色決め、②音量バランスの調整、③細かい所の微調整 の3つではないかなと思います。本当に難しい。

①音色決め
 私を知る部員の中には「どうせお前ってメロディはパルス波しか使ってないんだから悩む事無いだろ💢」と言う人が居るかも知れませんが (居ない)、パルス波といっても調整が非常に難しいんです。
 CUTOFFの値によってはキンキンしてやっっっったら攻撃性の高い音になるし、逆に軟弱なクソ雑魚リードを錬成してしまう事もあります。後はReverbのそれぞれの値を大きくし過ぎると、ワンワン響いてとてもやかましいリードになるし、かといって値が小さ過ぎるとチワワみたいな弱々しい音になります。抑々、線が細い音をしているので、音圧が出辛いんですね。
 今回のリードはReverbを気持ち多めにして作りました。最初の16小節のせいで割と宇宙的な曲になったので、幻惑的にする為にはReverbは不可避なんですね。
 メロディの他に、ベースも音の調整が難しいです。未だに正解が分かりません。どうやってやるんだあれ。
 CUTOFF使用で他のパートとの衝突は避けられる訳ですが、そうすると低音が軟弱になって面白くない感じになってしまいます。ギリギリのバランスを見定めなければいけない訳ですね。
 又、今回初めてベース単体にイコライザーを掛けてみました。イコライザーで高音域をガッッッッッッッッツリ削りました。aran氏が作曲講座で割と高音域をガッツリ削っている印象が強くて、それに影響されたんですね (自白)。いざ削ってみると、低音の雑味が消滅して、結果としてはとても良かったです。これからもじゃんじゃん削っていきたいと思います。
 メロディとベース以外はフィーリングで音色を決められたので、それも良かったなと思います。個人差はありますが (寧ろ個人差しか無い)、メロディとベースが突出して難しいですね。
 あ、そうそう、OTTは良いぞ!!! OTTを挿し込んどけば音が最強になるとはよく言ったもので、挿し込む前と後では曲のかっこよさが段違いになります。今回はダブステップの低音部分、最後のデンデンデンデンの部分等にOTTを挿し込みました。OTTは良いぞ (再放送)。

②音量バランスの調整
 低音を強くし過ぎると、たまーにとんでもなく汚い和音が出現します。あと単純に他の音が消されるので、いい塩梅でやるべきですね。

③微調整
 微調整は地味な作業です。音量を局所的に変更したり、キックを短めにしたり、そんな感じの作業を延々とやります。
 音量の局所的な変更は、例えば「この部分だけはベース小さい方が良いな~」とか、「ここのReverbのせいで残響が鬱陶しいな~」とか、そんな部分をちょこちょこ修正します。修正部分が広くない割に、作業が煩雑で、とても地味ですね。

 この①~③を経て、「Stella Binaria」は無事に完成しました。完成して良かった、本当に良かった。
 
さて、曲名とか決めますか!

曲名決め

 取り敢えず、こちらで候補を出して、七味くんがその中から選ぶといった形式を取りました。
 何か合作っぽくて宇宙っぽい曲名にしたいなと思い、「あっ二重惑星や連星とか良くね??」と閃きまして、そこからイタリア語だのフランス語だの欧米の言語で翻訳しまくって、七味くんに送り付けました。その中から七味くんが連星のイタリア語訳である「Stella Binaria」を選択し、曲名が決定しました。

 これで後は大会フォームに提出するだけになりました。それでは作曲大会の時の感想やら何やらについて書きます。

大会はどうなった?

 「これだけ良い曲を作れてる事だし『すげぇ』ってなるんじゃないかな(淡い期待)」とは思いましたが、やはり結構好評でした。やったね。
 そしてその勢いのままに「これすき部門」「技術部門」「テーマ一致度部門」の3つの部門で優勝し、何と総合優勝となりました。嘘だろおい。因みに私と七味くんは今年度初の総合優勝者になりました (桐壺調べ)。凄くびっくり。前部長のれつれつP先輩からは新入部員卒業と認められ、「クッソ恐縮だな……」と思わざるを得ませんでした。いやホントにクッソ恐縮なんよ。
 結果発表後のインタビューでは、同学年の部員に推しユニット扱いされ、我々の合作でアルバムを作れと言われ、挙句の果てには何故か七味くんが焼き肉にされかける等ありましたが、色々と楽しかったです。
 又出来たら合作したいなと思います。

合作は、やった方が良い。

 ここまで長々と書きましたが、私の出した結論は以下の通りです。


人生に一回は、合作をやるべき

 やはり合作をする事でしか得られない知識はあります。作曲のやり方とか、よく分からない分野での音作りとか、今まで知らなかったソフトの便利な機能とか、どうしても一人で作編曲していると見えないものが、合作を通して見えるようになります
 合作は大変です。音源のやり取りはかなり大変ですし、シンプルに責任が倍になるし、作業を先延ばしにすると合作相手に迷惑が掛かるし、色々思い通りに行かぬ部分もあります。しかし合作によって得られる知識やテクニック、相手との意思疎通能力はかなり大きなものです。得られるものは苦労量に合っていると思います。
 今回の合作でかなり良いものを作れたのでは無いかという自負はありますが、同時に今後これ以上の曲を作れるのかという不安もあります。但しこれを超えねばいけないなとも思っています。大変。

 兎に角、ごちゃごちゃ書きましたが、これからも色々と頑張ろうと思います応援宜しく御願いします

 拙い文章でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。



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