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tayoが研究業界を良くすることができる理由と、tayoからのお願い

tayo熊谷です、ご無沙汰しております!元気してますか?僕は元気です。

tayo EXPOも終わって落ち着いたので、なんとなくtayoが目指しているものと戦略を言語化したいと思います。最後にちょっと皆さんへのお願いもあるので、僕らの活動に興味のある方はご協力お願いできればと思います。

tayoが目指すのは「広告費のかからない求人プラットフォーム」

「求人企業」といって皆さんが思い浮かぶ企業はいくつありますか?リクルート、マイナビなんかはみんな知ってそう。比較的最近のものだとwantedlyとか、副業だとクラウドワークスとかが浮かぶ人もいるかも知れません。アカデミアではアカリクが有名かな。
いろんな企業があって、それぞれビジネスモデルが違うのですが、まずはいくつかの求人企業のビジネスモデルを解説します。

求人企業の業態①職業紹介事業

求人企業のビジネスモデルで一番わかりやすいものが職業紹介です。「エージェント」なんて言い方もしますね。どんなお仕事かというと、企業からの「このポジション募集してるんで人探してください!」という依頼に対し、人を紹介する事業です。
このモデルだと、大体年収の30-40%程の仲介料が相場です。年収500万円の人を紹介すると150-200万円ぐらいの売り上げという感じ。
このモデルの大変なところは、「紹介先企業への営業」「求職者の募集」、さらに入社のタイミングで報酬が発生するので「求職者が入社するまでのあらゆるサポート」をしなければいけません。「一人紹介して100万円以上!」というと割りのいい商売に思われるかもしれませんが、収益構造の中で人件費の占める割合が非常に大きくなるのがこのモデルです(労働集約型産業といいます)。

求人企業の業態②スカウト/メディアプラットフォーム

職業紹介事業に対し、より人件費が抑えられるモデルがスカウトサービスです。ビズリーチが一番有名で、理系だとlabbaseとかがあります。
このモデルの課金体系はざっくり二つで、「登録者をスカウトして入社してくれたら課金」「スカウトが送れるアカウントをサブスク課金」という形。
何がいいかというと、求職者と企業が直接やりとりするので「求職者が入社するまでのあらゆるサポート」の部分が必要なくなる点です。
こうなると「紹介先企業への営業」「求職者の募集」だけにコストを割けばいいので、人件費が抑えられます(知識集約型産業に近づいた、という言い方も可能)。
エンジニア採用のような需要と供給のバランスが崩れている分野では、求職者が多く集まれば企業も集まってくるので、基本的に「求職者の募集」だけを行えば事業が成立します。多くのマッチングアプリにおいて課金する男性側ではなく、無料利用が可能な女性向けに多くの広告を出す構造に似ています。

実際、メディア/スカウトプラットフォームを運営するキャリアインデックスやアトラエといった会社は「売上における広告費の割合」において日本の全企業の2位/3位となっており、売り上げに対し40-50%を広告宣伝費に費やしています

tayoのビジネスモデル

アトラエのモデルは成功しておりかっこいい企業なのですが、個人的に売上の半分近くが広告宣伝費というモデルはまだ改良の余地がありそうに思います。広告へのコストは顧客への価値提供に繋がらないので、広告の代わりに求職者に価値提供することで求職者を集めることができれば、企業が社会に提供できる価値がより高まるからです。
このモデルで個人的に好きなのはAtCoderで、求職者への価値(競技プログラミングの運営)を提供することで優秀なエンジニアを集め、求人文脈でマネタイズをしています。「有効求人倍率の高い(=人材が足りていない)分野において、広告を使わずとも求職者が集まってくる仕組みを作る」ことで、広告宣伝費の必要ないスカウト/メディアプラットフォームが成立するということです。

tayoの場合は大学院卒や若手研究者などの高度な理系人材が対象であり、人材が足りていない分野、というのはクリア。では広告を使わずに人を集めるにはどうすればいいのか?というのが考え所です。

そこで僕たちが取っている戦略はざっくり言うと「研究者に有用なユーティリティを提供する」ということ。
tayoに登録すると以下のようなことが無料でできるようになります。

  1. 研究者に向けた広報活動(イベント開催の告知やコミュニティのメンバー募集)

  2. 研究人材の募集 (大学院生やポスドク、技術員など)

  3. 研究者個人のプロフィールページの作成と、問い合わせ窓口の設置

  4. 研究者同士のつながり管理

特に個人HPを作るよりもずっと簡単に個人の経歴を公開できるプロフィール機能や、名刺を持たなかったりメールアドレスが頻繁に変わる研究者にとって実名SNSでの繋がり管理(現在実装中)のような機能は特に刺さるはず。

また、このモデルだと、「研究者にとって便利な機能を開発することが企業の利益追求に直結する」ことになり、tayoが儲かれば儲かるほど研究者にとって嬉しい機能への投資が可能です。

例えば無料で使える学会のメンバー管理・要旨登録・オンライン学会開催システムなどは明らかにtayoの利用者数の増加に繋がるので、実現可能性が高そうです。また、投稿・掲載料無料のオープンアクセスジャーナルなんかも作れるかも知れません。

ここまで言うと「そんな上手くいくの?」って感じかと思うのですが、実際まぁまぁ難しくて、似たようなことを考えてあんまうまくいかなかったサービスとしてResearchGateがあります。ResearchGateは論文に関する感想や議論をシェアするSNSですが、「世界中の不特定多数の研究者とフラットに論文に関する議論がしたい」という需要はそこまで研究業界にとって強くなかったのではないかと考えています。なので、ちゃんと「こういうのが欲しいです!」というのを研究業界からしっかりキャッチアップしつつ進めるのが大事かなぁと思っています。

tayoへのご協力のお願い

色々書いてきましたが、やはり熊谷の思いとしては研究者のためのソフトウェアを民間の金で開発するにはどうすればいいか、というところを出発点にtayoを運営しております。

そんな熊谷を応援したい研究者の皆さんにはお願いしたいことがありまして、もし可能でしたら、

  1. tayoでの研究者個人のプロフィールページの作成

  2. プロフィールページのリンクを研究室のHPへ設置

上記の二点、ご協力お願いできませんでしょうか。

特に2.が重要であり、研究者の皆さんが何気なく運営・更新している ac.jp (大学) とか go.jp (国研) のドメインのHPからtayoへリンクを貼っていただけるとGoogleの人工知能が「このtayoというサイトは政府や大学からとても信頼されているらしい!検索結果の上位に表示しよう!」と判断するので、tayo.jpというドメインの価値が上がるのです。

tayoのドメインパワーが強くなる -> 研究者がいっぱい集まる -> 企業がtayoにお金を払う -> さらにtayoは研究者が幸せになる機能を開発、というフィードバックループをぐるぐる回していきたいと思いますので、この記事を読んでくれた若手研究者の方や学生さん、大学教員の方、ご協力いただければ大変嬉しいです。

よしなに!

なお公開前にコンサルの友達に本記事を見せたところ、ビジネスモデルの図解を爆速で作ってくれたので載せています。kさんに多大なる感謝を。


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