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2024春の視聴記録

結構好きな作品が多いかも、な春クール。
観た話数までのネタバレを含みますのでご注意ください。


虎に翼

NHK、朝ドラ
日本で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性の実話という題材も興味深いし、1週目から寅子(伊藤沙莉)が自分にとっての幸せとは何かを考えて行動に移す頭の良い女性だということが分かり一気に好きになってしまった。1週目の時点ですでに応援したくなる主人公なんだもの。当てがき?って思ってしまうくらい伊藤沙莉にぴったりなキャラクターなんですよね。「はて?」がかわいい。
3週目まで観て本当に毎週面白いんですが、やっぱり1週目の掴みが見事だったなあと思います。このドラマの姿勢が見えて信頼出来るなあと感じる素晴らしい1週目でした。「優秀な男と肩を並べて戦うのだ。君など泣いて逃げ出す。地獄を見る」なんて言う桂場さん(松山ケンイチ)に「あなたにその責任はないとでも?」と返すはるさん(石田ゆり子)に痺れた。そういう時代をすでに生きてきた、はるさんだからこその重み。地獄を見る覚悟じゃないと男性と同じ目線に立てないなんてどう考えたっておかしい。「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかない」なんて言葉は信じたくない。寅子の、未来を信じる心に、変化を信じる行動に毎朝救われながら、令和の現在だってまだまだ戦っていかなきゃいけないことがあるよなあ、と噛み締める毎日です。
いわゆるモブキャラクターまでちゃんと生きているのも素晴らしい点ですよね。最初にあれ?って思ったのは女学校で階段を降りる寅子を先生が上から声を掛けようか悩んでいるようなシーンだったんですが、その後で特に描かれることもなく。他にも道ですれ違う人たちもただ歩いているだけでなく、意味を持った1人1人の日常が映し出されていて、ちょっと驚く。そこまでしているのか、って。
縦書きテロップは同じくNHKの『これは経費で落ちません!』を思い出します。

366日

フジテレビ、月曜21時
HY『366日』を元にしたオリジナルドラマ。主人公・明日香(広瀬アリス)が好きになれず1話で離脱…。好きなひとに会えて嬉しいのは分かるんだけど、1話の中でそんなに毎回「あ〜格好良いなあ、好きだなあ」の表情出さなくても良くない?と思ってしまって。そう思ってしまうほど、その回数が多いんだもの。恋してますモードとそれ以外の日常モードでの明日香の差にもついていけなかったかなあ。

アンメット ある脳外科医の日記

フジテレビ、月曜22時
「今期なにかお勧めありますか?」と聞かれたら、こちらを勧めます。杉咲花と若葉竜也を毎週1時間きっちり観られることに喜びしかない。メイン2人がこんなにも静かに喋るドラマってなかなか無いですよね。ドラマっぽい話し方ってあると思うんですけど、この2人は珍しく?ごく普通の会話のトーンで落ち着いて観ていられます。
事故の後遺症で1日しか記憶が持たない脳外科医のミヤビ(杉咲花)は日々のことを日記に残す。脳外科医だから(そこまでの記憶はある)自分が今どういう状況に置かれているのか毎朝しっかり理解し、出勤する。日記に書かれている以外のことは分からないため医療行為はしない。だからこそ自分は医者なのか、と悩んでいる。
そんなミヤビが患者さんに対して出過ぎた真似をしたかなと、アメリカからやってきた三瓶先生(若葉竜也)に謝ったとき「別に出過ぎてないですよ。あなた医者なんだから」と言われるシーンがとても好きだった。
まだ2週しか観ていないけれど、今期いちばん格好良いんじゃないですか、三瓶先生。若葉竜也がこのメインキャストを演じているのがたまらなく嬉しいです。余談ですが、わたしの母は井浦新に裏の顔があるのでは、と案じていました。

95

テレビ東京、月曜23時6分
テレ東開局60周年記念ドラマ。最初スルーしていたのですがカレーごはんさんが「同世代観て!」と書いていたのが観たきっかけ。タイトルの通り1995年の渋谷が舞台。テレ東らしく実験的で1995年当時の映像も挟み込まれます。ノストラダムスの予言を信じ、地下鉄サリン事件をきっかけに生き方を変えようとする主人公・Q(高橋海人)と、その周りの熱苦しい仲間たち。彼らの熱と焦燥感に目が離せなくなります。
最近“当時“を描く面白さにピントを当てたドラマ多いですよね。「女子高生は金を稼いで、こっちはチンピラにカツアゲされて」な1995年当時の表現(映像のセピア感が良い)に目が惹かれる。紙タバコもさ、今でも現役なんだけど時代を表すアイテムになるのかなあ、なんて思ったよ。
「俺は生き残るよ、絶対」って言い切る中川大志がまあ格好良いし、髪を切った息子に対して「雰囲気変わった?」って聞き方をする山中崇がやけにツボでした。
1点挙げるなら、世界にグッと入り込めちゃうドラマだからこそEDがメイキングなの一気に現実に戻される感があるなあって思う。けどこれはわたしがそういうタイプだからなんだろうな。気にならない人は気にならないだろうし。逆にOPイントロのスクラッチ音はめちゃくちゃ好きです。

くるり〜誰が私と恋をした?〜

TBS、火曜22時
この枠を観るの1年前の『夕暮れに、手をつなぐ』以来。恋愛ドラマは主人公を好きになれるかどうかが大きいと思っているんですが、めるるはその部分に安心感があります。記憶喪失になってしまうわけですが(今期、記憶に絡んでいるもの被りすぎな気はしますね…)「自分の年齢分かります?」ってお医者さんに聞かれて「…この肌の感じだと30代?20代はさすがにないかなあ〜」って明るくって、キャラクターに好感を持てちゃう。
記憶を無くす前の自分を知っていく中で「こんなつまらない人間だったの?」って戸惑いも芽生えていくので、恋愛だけが描かれるのではなく内省も大きなテーマなのかなと思います。記憶を無くす前の職場でのキャラが今の自分には受け入れられないからと勢いで退職しちゃう1話、記憶が無いが故に好きなものもわからないし自己PRも履歴書すらも書けないじゃんって困り果てる2話、その中で出会う男性陣3名は誰もが何かを隠しているようで…?というミステリー要素もあって見どころは多いです。
「元ね、元カレ。今じゃない」をいつもより低音ボイスで言うお花屋さん瀬戸康史、最高です。ありがとうございます。好きです。頼むから良いひとでいて。

からかい上手の高木さん

TBS、火曜23時56分
原作未読。原作は中学生設定なのになぜか今泉力哉監督が大人設定で実写映画化する、というニュースは以前見ていて。なんでだろうって思っていたんですが…映画の前にこのドラマがあると観たくなりますね。上手いなあ。というわけでドラマも今泉力哉監督です。
香川県小豆島で起きる中学生のからかい。ひたすらかわいいです。高木さんにからかわれている西片役・黒川想矢くんの「うぇッ?!」っていう裏返っちゃう声が最高すぎる。高木さん役の月島琉衣ちゃんも声が良いです。この2人が永野芽郁と高橋文哉になるんだもんな…って思うとなんかグッときちゃうもんね。

滅相も無い

TBS、火曜25時28分
ここ数年気になっている加藤拓也作品です。昨年は舞台『いつぞやは』も観に行きまして、軽い日常会話の中に見え隠れする、敢えて言わない言葉や出さない感情がリアルでゾクゾクしました。あと加藤作品のザワザワする余韻が好みなんだよなあ、と再認識しましたね。怖いもの見たさ感。
というわけで、ドラマ好きのひと、ゾクゾクしたいひとにはこちらをお勧めします。とはいえ今のところどう進んでいくのか全く分かりません。過去の衝撃作『きれいのくに』は、いきなりこうなる?!という展開もあったので今回もそうなるのか、どうなのか。
一応分かっていることとしては、突如巨大な「穴」が出現した日本を舞台にした8人の自分史、ということらしいです。穴が落ちるタイプではなくてトンネルタイプなのが面白い。事故で落っこちちゃったってことはないわけで、自分から入るのか入らないのかを選択出来る謎の穴。そんな世界で教祖的な立ち位置の堤真一が、まあ良いんですよ。なに、穴の教祖って。あと加藤作品といえば、な平原テツさんもいらっしゃるのでそこも楽しみ。
自分史、つまり回想シーンが舞台セットになっているの魅せ方として超格好良いです。確かに回想なんてある種リアルじゃない「つくりもの」な感じがするもんね。

ゆるキャン△ SEASON3

TOKYO MX、木曜23時半
SEASON1-2から制作会社が変わったわけですが、バイクの動きの滑らかさにものすごく目がいきますね。相変わらず癒しな作品。ずっと観ていられる。なんといっても今回はわたしの大好きな土岐綾乃がいっぱい出ますからね。しあわせ。

イップス

フジテレビ、金曜21時
ゲスト俳優含めキャストは好きなんだけど、ポップなバディものでそこがウリなはずなのに肝心の2人の掛け合いが滑っているように感じちゃった。ただゲスト俳優は好きなので2話の藤原季節の回は観ておきたい気はする…。悩む。

9ボーダー

TBS、金曜22時
この枠って金曜の夜に観てほっこりする作品が多いイメージで最近良いなあと思っていたんですけど、期待値が高かった分、なんだか1話はどこを楽しんで観れば良いんだろう…ってなっちゃったかも。
19歳、29歳、39歳の3姉妹の抱える悩みがリアルで応援したくなるし、3姉妹の喧嘩シーンもとても良かったんだけど、3人もいるんだから「幸せ=結婚」以外の形を持つ人もいたって良いし、3人とも幸せな結婚を目標に据えるならむしろ最初からその線で描いてくれればいいのになあ、と。いや、まあこの先どうなるか分からないですけど。テーマは好きなはずだったのに実際に観たらその好きなテーマと少しズレていたって感じ、かなあ。幸せの形って人それぞれだよね、を描くドラマが増えてきている中で…?と思うんだけど、どうなるんだろう。

アストロノオト

TOKYO MX、金曜22時半
料理人の宮坂拓己が(嘘だらけの求人情報を見て)就職面接で訪れたのは木造アパート「あすトろ荘」。朝食付きがウリのアパート、のはずだけど新しい大家さん・豪徳寺ミラの作る料理は食べられたものじゃないと住民たちは大ブーイング。ミラに一目惚れした拓己はあすトろ荘に住んで朝食を作りながら就職活動を続けることに…というお話なんですが、実はミラさんは宇宙人なんですよね。
面白いのが、音で聞いて騙される点。拓己はミラさんが「未亡人」であると聞いてしまってショックを受けるんですが、正しくは「ミボー星のミボー人」。ミラの幼馴染の名前がショーイン・ジンジャーなのもだいすきです。
最近では珍しいタイプのSFアパートラブコメでOPが最高。

季節のない街

テレ東、金曜24時42分
クドカン作品で池松壮亮、仲野太賀、渡辺大知、濱田岳…って出ているのにディズニープラス配信…だと?と思っていたドラマが地上波でも。歓喜。
ものすごくネタバレしますが、2話の太賀メインの回がしんどすぎてさあ、、家族のために必死に貯金して、仮設住宅から引っ越そう、オートロック付きの高級マンションならみんな喜ぶぞって頑張っていて、でも「それお母さん望んでるの?」の言葉にハッとなって。だらしないお兄さんにお金を貸そうと決意してさ、そのタイミングでお兄さんが自分の通帳を持ち出したことを知ってしまって、しかも実際はお母さんがお兄さんにそれを渡していて。お母さんにとってはずっとそばにいてくれた次男より、会ったときにやさしい言葉を掛けてくれる長男の存在が嬉しかったんだな、って。ああ、辛い。あんたは自分のことばっかりって言われて、言い返せない太賀が辛くて辛くて。家族のことを考えての貯金だったはずなのに。でも、言えないのかなあ。そうやって何も解決しなくても日常は続くんだ。続くんだよなあ。
そういう「続く」が描かれているドラマです。

花咲舞が黙ってない

日テレ、土曜21時
前作は観ていないんですが、同じく日テレで放送していた『悪女』で今田美桜ちゃんが演じていたマリリンが大好きだったので。ハッキリ物申すお仕事モノに今田美桜ちゃんはぴったりですね。観ていて爽快!分かりやすい勧善懲悪ドラマなので気軽に観られて良いです。早速、迫田孝也が懲らしめられました。

夜のクラゲは泳げない

TOKYO MX、土曜25時
何になりたいかは分からない、だけど量産型ではいたくない。
友人に「変な絵」と言われたことをきっかけにパタリと絵を描かなくなった女子高生・ヨルが、メンバーへの暴行事件?をきっかけにアイドルを辞めた女の子と出会い、一緒に覆面アーティストとして活動を始めていく物語。本名ではない別の名前を持つことでようやく自分の好きなことが出来る、っていうのはあるかもしれないなと思う。大麦こむぎの名前でnoteを書いている今のわたしがまさにそうだし。暴行事件の真相、どうなっているんだろう。早くその部分が知りたいなあ。

ささやくように恋を唄う

テレビ朝日、土曜25時半
高1のひまりは新入生歓迎会で観たバンドのボーカル、高3の依先輩に一目惚れ。放課後、下駄箱で偶然会った際にテンション高く「一目惚れしました!」と伝えるひまりは(この時点では)ファンです!最高です!の気持ちなわけで。だけど生まれて初めて「一目惚れ」なんて言われちゃった依先輩の方は「あれ、この子かわいいな…好きかも…」となってしまう、そんな百合アニメ。先輩、好きになっちゃうの早いね、かわいいね。

光る君へ

NHK、大河ドラマ
毎週面白いですねえ。最近は道兼(玉置玲央)にばかり目が行きます。彼がいままでしてきたことを知っているし、だけど「汚れ仕事は俺の役目だ」と自分の使命を果たそうとする姿に(いや、それこそが自分の使命だと思っているところがもう…!)大きく感情が揺さぶられています。うう、どうすればいいの。
高畑充希ちゃん、普段ドラマでちょっと不思議な役を演じていることが多いので定子さまがとにかく可愛くって、ききょうのように「ほぅ…」って見惚れてしまう。一条天皇と定子さま、ずっとキャッキャと遊んでいて欲しい。

アンチヒーロー

TBS、日曜21時
好きなタイプの日曜劇場!面白い!わたしは自分の中の「正義」を持っているキャラクターが出てくる作品が大好きなんですよ。正解とか間違いとかじゃなく、正義と正義のぶつかり合いが観たいわけで。最初の事件はたっぷり2話使って完結っていうのも良かったですね。見応えがあった。姫野検事(馬場徹)応援しつつ、馬場徹の悔しくてたまらない顔だって見たくて、ずっと「姫野ー!」って叫んでました。
逆転裁判をプレイしてから勘が良くなった気がします。「え、この証言おかしくない?」のポイントが当たるので、ものすごく得意気になりながら観ています。1話の証言台に立つ人物を見てザワつくシーンがありましたが、逆転裁判ではオウムだって証言台に立ちますので、全然冷静ですよ。えっと、なんの話でしたっけ。
「正しいことが正義かー 間違ったことが悪かー」というコピーも好きです。殺意があって殺人を犯した人と、大切な人を守るために殺人を犯してしまった人、それはどちらも同じ殺人犯なのか、という問いも投げかけられましたが、毎週こういう正義を一つ一つ考えていって、どこかのタイミングで明墨(長谷川博己)に「意義あり!」と言える日が来ることを楽しみにしています。

ブルーアーカイブ The Animation

テレビ東京、日曜23時45分
元々ゲームをプレイしているのでそのままアニメも視聴。ゲーム内のシナリオが好きなのでそれをアニメでわかりやすく観られるのは大変助かります。エデン条約編までは絶対アニメ化してくれ〜!(アニメでイチカも観たいです。)


というわけで、現時点で間違いない良作だなあと感じているのは『アンメット』、展開が全く読めず続きが楽しみなのが『滅相も無い』でしょうか。
長くなりましたが、、春クール楽しんでいきましょう〜!


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