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人の声

 仕事が終わって公園に直行。
 50分くらいウォーキング。
 子どもたちの遊ぶ「声」が響く。
 ぼくは結構、子どもたちの声が好き。
 
 20年ちょっと前の訪問看護を思い出した。
 僕は精神科病院に勤めていて、訪問看護もさせてもらった。
 といっても、僕は看護師ではない。
 ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)だ。
 訪問「看護」の何たるかは習ってない。
 
 ぼくの仕事は、「あいづち」を上手にうつこと。
 「へぇ」
 「そうなんですか」
 「それから」
 「すごいですね」
 なんて、言いながら、気持ちよく話してもらう。
 
 ぼくが担当したあるおばあちゃん。
 うつ病で入院。退院してからフォローしていた。
 
 訪問すると、いつもテレビがついている。
「テレビがお好きなんですね?」と言ったら、
「テレビなんか見てないんよ。人の声がないとね、なんだか不安になるからね」

 たしかに、全然見ていない。
 テレビはずっとつけっぱなし。
 
 「人の声がないとね」という言葉が、ずっと記憶に残っている。

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