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手持ちの手段から意味ある結果を生み出そう!~エフェクチュエーションとは~

エフェクチュエーションってご存じですか?

”成功した起業家の行動を分析した理論” 
なのですが、
この理論が企業の新規事業開発にも応用できるので
今回ご紹介したいと思います。


|エフェクチュエーションとコーゼーション


先日参加したセミナーでこんな本が紹介されていました。

「エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する5つの原則」
吉田満梨著 ダイヤモンド社 2023年


この考え方にとても共感するものがありました。

もともとは成功した起業家の行動を分析した理論なんですが
企業の新規事業開発にも応用できるので是非読んでみてください。

ここでは私なりの解釈でお伝えします。
下の図を見ながらお読みください。

|コーゼーションとは


新規事業開発において
市場分析や目的から進めていく考え方やプロセスを
コーゼーション(Causation) という
のだそうです。

以下のようなプロセスで進めます。

・新しい機会を特定(市場・商品・サービスなど)
・リサーチ、顧客分析、市場規模、競合分析
・事業計画の策定
・計画実行のための資源の調達、配分
・計画通りに実行、変化に対応

※書籍の記述を私なりにアレンジしています。


私もセミナーなどではこれに近いプロセスを紹介していますが
実際の現場ではこの通りに進むことは少なく
やってみて気づいたり、行ったり来たりしながら進めていく。
そういう状況がほとんどかと思います。

コーゼーションはテキスト的、言い換えると"べき論"的
とも言えるのです。

|エフェクチュエーションとは


私もセミナーでは
このコーゼーションのプロセスを説明したあと
「実際には、行ったり来たりになります」
「何から進めてよいのか分からないときは、まず進めてみましょう」
などと付け加えています。

また、企業の新規事業支援、特にゼロイチでの支援のときは
プロセスを簡単に説明したあとに
「まずはアイデアを出してやってみましょう!」
とお伝えし、どんどん進めていきます。

この「できることからやってみる」というプロセス
エフェクチュエーション(Effectuation)にとても近いと思います。

プロセス的に言うと以下のようになります。

・手持ちの手段で始めてみる
・機会とリスクを想定する
・パートナーを開拓する
・偶然をテコにする(活動していると何かが見つかることが多い)
・走りながら軌道修正していく

|プロセスはバランス良く!


エフェクチュエーションとコーゼーションの考え方やプロセスは
一見相反するもののように見えますが
必ずしもそうではありません。

バランスよく適応するのが、新規事業開発には有効です。

どちらがよいか、正しいかではなく
両方の考え方が大切であり
両方をバランスよく使えるかがカギになります。


既存事業の商品企画などは
コーゼーションの考え方、つまり予測しながら最適解を探していく
進め方が合っていることが多くあります。

一方で、新規事業開発の場合は
正解がわからない中進んでいく必要があるので
まずやってみるエフェクチュエーションの考え方のほうが適しています。

また、新規事業開発の社内プレゼンでは
このエフェクチュエーションで説明しても
説得力がありません。

エフェクチュエーションでやってみて手応えが感じられたら
コーゼーション的なストーリーをつくって説明する

というのが効果的です。

相手の思考がどちらの方が強いかによっても
話すストーリーを変えるとよいでしょう。


すでに新規事業立ち上げ経験がある方は
この感覚がよく分かるのではないでしょうか?

これから新規事業開発を進める方は
ぜひこのエフェクチュエーションの考え方を参考に
まずは手持ちの手段から始めてみてください。

必ず何か見つかるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


さらに詳しくは
書籍を読んでいただくか、以下のYouTubeをご覧ください。


追伸)
しかし、理論的にうまく体系化される方がいらっしゃるのだなと
本当に感心しました。

一方で、理論は後から付いてくるもの。
企画は使える理論は参考にしながら、とにかく行動だとも思います。
エフェクチュエーションも行動が大切と言っていますね。


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