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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第374回 「2023年の社会的な振り返りと来年への展望」ってお話

登場人物

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本文

[く] こんばんは。くらげです。
 
[寺] こんばんは。寺島です。
 
[く] さて、本日で今年も最後となりました。
 
[寺] 最終日に慌てて書いているんですね。わかります(笑)
 
[く] 寺島さんにはいつもご迷惑をおかけしております…。というわけで、早速、今年1年の社会的な振り返りと来年の抱負のようなものを語り合っていきたいと思います。
 
[寺] そうですね。まずはざっと1年の大きなニュースを描いてみました。今回もこちらを見ながら進めていきましょう。

[く] 今年は国際的にも激動の年でしたが、我々にとっては国際社会やら障害者雇用問題を差し置いて一番大きな問題がインボイス制度でしたね…。
 
[寺] あああ、インボイスと電子帳簿保存法にまつわる一連の流れについてですね。発達障害とは関係ないんですが(笑)これまで多くのフリーランサーは免税事業者だったので、純粋に収入が大きく減ることになるのでお騒ぎでしたね。くらげさんは登録事業者になったんですか?
 
[く] 一部の仕事で登録番号を求められるようになったので登録しましたが、具体的にどうなっていくのかはまだよくわかってなくて…。確定申告とかで影響がでてくるんでしょうけど、これからですね。
 
[寺] うちは元々事業所登録していましたので申告等は変わりませんが、やはり消費税が純利にかかるのではなくて、収入時の金額で確定するようになったのが痛いです。

[く] それはどこが違うのですかね?

[寺] 今までは経費を引いた後に1割を引くように計算すれば良かったのですが、収入として入ってきたときの金額で1割引かなければなりません。材料費や設備費のかかる工芸系作家などは特にヒイヒイ言ってます。

[く] アーティストは絵筆一本あれば良いという印象もありますが、違うんですね。設備費のことも考えないといけないと思うとさぞかし面倒でしょうね。

[寺] ひとごとではないですよ。パソコンやウェブサービスのサブスクなどはどんどん高度に高価になっていますが、これらも手銭がドカーンと出ていくのに消費税計算前に経費として引けません。パソコン買い替え廃業とかもあり得るかも…。

[く] とにかく事務作業が煩雑になる、というだけで嫌ですね…。まぁ、やるしかないのですが…。
 
[寺] 2023年から始まる電子帳簿保存法のこともありますので、事務作業の流れを変えなければならないという負担がキツイです。作業そのものはデジタルで簡単になっているはずなので信じて頑張りましょう…。

[く] あとは全体的に物価高騰がやばいですねぇ。
 
[寺] 本当ですね。ウクライナやイスラエルの問題、人手不足の慢性化、その他諸々で一気にものの値段が上がっていますね!
 
[く] フリーランスとしての収入がすぐに上がるわけでもないので、ボクも当面はかなり苦しい経済状態になるかと思いますが…。

[寺] え?まだ未来の話なの?羨ましい(笑)うちはもうかなりキツくなってきましたよ!?やっぱり家族が4人もいると上がり幅も✖️4なので。

[く] 日本ではずっとデフレが続いていたので、ここに来てのインフレは仕方ないという人もいます。しかしそれなら収入が上がらないとどうしようもないのですが…。

[寺] むしろ下がってますよね。中小の企業や数人でやっているような自営業は人を雇うこともできない状態ですし。Webライターなども仕事も一時期よりは減っているんじゃないですか?

[く] それに関連するんですが、ChatGPTを始めとした自然言語生成AIの開発が急速に進みましたよね。
 
[寺] そうですね。chat-GTPをベース技術にした文章作成に特化したアプリや、人間みたいに相槌を打ちながら悩みを聞いてくれるchatAIなども出てきました。画像生成AIも目覚ましい発展を遂げていますね。

[く] 前に作った文章をAIに読み込ませれば、バリエーションを無限に吐き出してくれますから、ばら撒きたい業者にはうってつけですよね…。

[寺] それで、今年当初くらげさんは「ライターの仕事が消えるのではないか…」とか焦っていましたけど、一年を振り返ってどうですか?
 
[く] 実際のところ仕事を受注する面では「影響」といえるものはそんなにないかなぁと。

[寺] おお!良かったですね。いや、まだこれからなのかな…?

[く] 今のところ、業界が変わるというほどではなかった印象ですね。ただ、仕事をするときにブレインストーミングというか一人壁打ちでネタを考えるときはすごく優秀な話し相手になってくれますね。
 
[寺] 自分が使うという点ではむしろプラスだったと。

[く] 仕事の成果物に直接使う、という点ではまだまだ使い物にならないのですが、その前段階というか「構想」においては大きな力になってくれていると思います。

[寺] 私も、別の仕事でコラムを書いているのですが、ASDの特性的に頭に浮かんだことを全部吐き出したくなってしまうので文字数制限を大幅に超過しちゃって、それを削るのが大変っていうことがあったんですね。でも、ChatGPTに「こんなテーマで1200字で書いて」と頼むと、中身は出鱈目ですがとにかく整った文章を出してくれる、書き出しは何行ぐらいで、ここで例を挙げて、この辺でもうたたむ…みたいなことが見た目のボリュームでわかるので、それに沿って内容を書き直すというやり方で、時短が出来るようになりました。
 
[く] 文字数がいつも足りなくなり気味のボクからするとあまり活用することがない機能のような気がしますが、逆に増やすことができるのかなぁ?試してみよう…。あと、昨年は画像生成AIが話題になりましたけど、寺島さんは仕事でもすでに買うようしているんですよね?
 
[寺] こちらもフィニッシュワークをやってくれるわけではないんですが、作業段階ではちょいちょい使ってます。「アジアの下町で屋台が並んでいる風景」がほわっと欲しいなみたいなときってあるんですよ。けどネットや図書館で探すと時間がすごくかかるじゃない?画像生成AIにキーワードを入れて何度かガチャすると、まあまあイメージに沿ったものができるんで、それを背景の資料にしたりしています。
 
[く] こちらでも直接描いてもらうんではなくて、資料として活用するみたいな感じですねぇ。まぁ、現段階ではそれくらいが一番安全な使い方かもしれません。
 
[寺] でも、ほんの1年前までは「そんなこと」ができるとも思っていなかったので本当にすごい開発速度ですよ。追いついていくために調べるだけでも精一杯です。
 
[く] AIが普及していったら仕事の意味そのものが変わっていくと思うんですけど、どういう方面に転がっていくかはちょっとわかんないですね。うまくAIを使える人はどんどん仕事をしていけるけど、そうでない人は仕事がなくなる…みたいな格差が大きくなっていく社会を考える人もいれば、仕事から人類が解放されるみたいな事を考える人もいますがけど…。
 
[寺] 仕事については、私はあまり変わらないと思ってますが…。たぶん多くの人にとっては、仕事と労働や労役が同じものとして捉えられているので、そこを分けていくのが仕事の意味の捉え直しにつながるのかもしれませんね。AIやロボットが労働を担ってくれるようになれば、やりたくない仕事をやる人が少なくなる、それは「解放」かもしれません。ですが、みんながやりたいことをやって良いという社会だと「やりたくないことだから本気になれない、本気出したら俺はすごい」というファンタジーを絶たれて辛いという人も出てくるかもですね。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。