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タスクと感情とフィルター越しの世界【ユタカジン】

重いタスク」とついつい言葉に出てしまう、自分にとって着手ハードルが高いタスク。
何も考えずに気軽に始めるには圧迫感が半端なく、タスク名を見ただけで、あるいは思い浮かべるだけで、その名の通り心に重さとなってのしかかる

タスクシュート、特に「先送り0」界隈でおなじみの「1分着手」。
その、たっだ1分でさえ腰が上がらない。
「こっちを先にやってから」「コーヒー入れたらやろう」、挙句、無意識にあるいは罪悪感をもちつつ、スマホに手が伸びて時間が溶けていく…。
(私の場合は異世界物の小説等にハマります。まさに現実逃避!(笑)

それが良い悪い、ということではなく、どうしてそうなっちゃうのかなぁ…という話。
やらなくても困らないものなら、やめてしまうという選択肢もあるけれど。

「逃避する」ということは、「自分を傷つけると思われる何か」から自分の心や体を守るために逃げている。ある意味真っ当な行為だと思う。
それ自体は責められない。認めてあげるしかない。

ではそれは、本当に自分を傷つけるものなのか

人は ほぼすべてにおいて、経験などからくる「自分フィルター」を通してモノを見て、感じているのではないかと思う。

同じものを見ても、人によってとらえ方が様々で、たとえば同じ曲を聴いても、楽しく感じる人もいれば そうでない人もいる。
過去に何か悲しい出来事があって、その時バックグラウンドでその曲が流れていたとしたら、それは心の奥深くに沈みこんでいて、悲しい感情が呼び起こされる。同じ曲じゃなくても、わずかな近しさ、接点でふっと何かを感じて心がサワサワとしたりする。

自分が好きな(苦手な)○○にちょっと似ている、あの時の状況に似ている、以前チャレンジした時にうまく行かなかった、以前○○と聞いたことがある…。意識の底に沈みこんだ、経験に紐づく様々な思い。

私たちは、目の前のモノをダイレクトに見ているようで、知らず知らずのうちに、過去に経験した何らかの欠片を織り交ぜた、それぞれのフィルター越しに世界を見ている

タスクに感しても同様で、それぞれに様々な感情が紐づいたりしている。
それが前向きな感情と結びついていると「やりすぎ注意」なくらいサクサクいける。

ここで問題なのは逆の場合。
「すごく大変そう」「本当に出来る?終わる?」「また何か言われたらどうしよう」「苦手だ、うまくいかないかもしれない」そんな不安から身を守るように、心がその対象から距離を置こうとするんじゃなかろうか。
手をつけられない、見たくない、考えたくない!

それらの感情を取り除いてみたら、「トイレに行く」も「おやつを食べる」も「プレゼン資料を作る」も「試験勉強をする」も、どのタスクもすべて同列にならぶ。
予定した時間をかけ、次にやること、必要なことを淡々と作業する。不明なら調べ、必要な連絡をし、終了時間が来たら切り上げて、続きはまた明日、ただそれだけのこと。
その一つ一つに何かの感情が乗ってしまうと、また手が止まる。

嫌な記憶があったからって、次もそうだとは限らない。
自分だって多少は成長しているだろうし、周りを取り巻く状況だって違う。
未来がどうなるかなんて、誰にも分からない。
その不安は、自分が頭の中だけで作り出している虚像にすぎない。

それが分かっていても、自分の気持ちをしずめ、なだめてあげるのは結構難しい。
それでもちょっとずつ前に進むために、私が「着手できない症候群」のときにやっていることがある。

  • 自分の不安な気持ちに気づいて「そうなのね」と認めてあげる

  • 「12:00だ、お昼食べよう」「15:00だ、おやつにしよう」と同じ感覚で、他のタスクにも取り掛かる
    (一度その時の感覚を思い出して、その流れのままスッととりかかる)

  • 作業をする前に音楽をかける
    (余分な感情が曲の雰囲気に流されて持っていかれるので、何かと集中しやすい。以前ピアノを習っていたのでピアノ曲がなじむ)

あくまで私の例だけれど、ここで「さぁやろう!頑張ろう!」と意気込んでしまうと「ほんとに出来る?」なんて気持ちがムクムクと湧き上がってきて逆効果になってしまう。

どうも、できるだけフィルターを外した「ニュートラルな状態」がカギのよう。この状態で出来るタスクが増えていけば、心もフットワークも軽くなるのではないかな、と思います。


最後にちょっとだけ お知らせさせてください~。

タスクシュート手帳セミナー 5/19(日)14:00-

紙でタスクシュートを実践するセミナーです。
講師はタスクシュート協会理事 佐々木正悟さん、認定トレーナーの ぞえさん、ますけんさん、sugamariさん、chiakiさん & 私 Kyo-ko です。
リアル会場(神田)とオンラインのハイブリッドになります。
まだまだ空きがありますので、ご興味がある方、ぜひよろしくお願いいたします。

なお、当回はnoteマガジン「ユタカジン」への寄稿となります。
購読いただけると嬉しいです。


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