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ラーム・エマニュエル駐日大使はなかなかのやり手で曲者で食わせ者だぞ、楽しみなことに

去年の話で申し訳ないが、ラーム・エマニュエルが結局、駐日大使に無事に承認されたと聞いて、思わず「うぎぇ!」とか「んぐ!」みたいな音をたててしかめっ面をしてしまいました。誰も欲しがらない花いちもんめなジャイアンが隣に引っ越してきたのび太とでも言いましょうか、これは日本側の外交担当者も苦労するだろうなw

日本のマスゴミは彼のキャラなんぞ理解してないだろうから、過去の親日あるいは嫌日エピソードを探し出して、一方的に何の意味もない期待したり、警戒したりするのが今から目に見えるようだけど、こっちは今からラームが何かやらかしてくれる期待しかない。そしてそうなった時に日本の外交筋じゃ対処しきれない。

ラームがめっちゃ頭が良い人、ってのは誰も否定しない。もうね、頭の回転がくるくる速すぎて、普段から「あー」とか「うー」とかって国会で答弁するような政治家は足元にも及ばないレベチ。そしてコレと思った政策を実行に移すことにかけても長けている。

彼は元々やり手のファンドレイザーとして、ビル・クリントンの目に止まった人物。政治献金を集めることが上手い、ってことは、口八丁手八丁、コネづくりも上手いし、相手を自分のペースに乗せて財布の紐を緩ませる術を心得ているってこと。コイツ胡散くせーな、と思っていても会って話をしているうちに乗せられちゃうってこと。ビル・クリントンが大統領選に出た時、集めまくった選挙資金でコマーシャルを流しまくって浮気スキャンダルを潰してきたんですよ。

私が最初にラームという人物に注目したのは、そのクリントン政権時代にNAFTA(北米自由貿易協定)をごり押しした1994年。結局、この1件で共和党だけでなく、民主党内のリベラル派を敵に回して、中間選挙で下院がかなり議席失って野党になってしまった、という経過がある。問題は、彼が昔から(私を含めて)甘っちょろい理想論を語るようなリベラルな人間が嫌いだってことなんだろうな。クリントン時代も、人気のあったジョージ・ステファノポラス報道官をライバル視して、精神的に追い詰めてた感じだもんな。

ラームのことを指す形容詞といえば、feared(恐れられている), cutthroat(刺客), prickly(トゲトゲしい), take-no-prisoners(容赦ない),とか性格キツそうなのばっかりw もうなんか暴れまくるイメージで「Rahmbo」ってあだ名もあったくらい。

要するに根っからシカゴ的な人間なんだよね。アメリカのマフィア、っていうとニューヨークのイタリア系マフィアが真っ先に浮かぶだろうけど、シカゴといえばmafiaではなく、outfitという言葉が使われる。シカゴの州政府なんてこのoutfitがらみの汚職がすごいわけで。そうそう、ケヴィン・コスナーやショーン・コネリーがいい味出してたThe Untouchableって映画あったじゃないですか。あの映画で汚名高きギャング、アル・カポーネをロバート・デニーロがやってたっけ。マフィアボスの談合の場なのにいきなり気に食わないこと言ったヤツをバットで殴り殺すやつ。そしてショーン・コネリーが、シカゴじゃ警官もみんなマフィアの息がかかってるから、警察学校出たてのホヤホヤ新米警官をリクルートするしかない、ってセリフがあったような。そう、あんな昔から政府と癒着して腐り切った風土なわけです。

シカゴで政治家やってました、ってのはそういう手合いを相手にして渡り歩いてきたってことですからね。ラームはそのシカゴの州議会議員や市長をやってたわけですよ。リーダーとして君臨していた時代も、黒人青年を打ち殺した警官のビデオが流出しないように圧力かけたり、教育委員会とケンカしたり。結局スキャンダル多すぎで3期目は出場しなかった。

シカゴの地元紙トリビューンが「ラーム市長時代を振り返って」って記事書いてるけど、まぁ割とネガティブなネタ多し。

その後も政治の表舞台に出たかったんだろうけど、同じくシカゴの州議会で頭角を現し、大統領選に臨んだバラク・オバマの側近として、オバマのクリーンなイメージを保つために、汚れ役を引き受けていたよね。

ということで今回の駐日大使指名がなかなか上院で承認されなかったのも、民主党内のリベラル派が「え〜、あの人、ヤダァ」ってしばらくゴネてたからだし。

そもそも、あの目立ちたがりで、有言実行で、トロトロしてて行動を起こさないのが大嫌いなラームたんがなんで駐日大使、という石の上にも三年みたいな忍耐のいるポストを受けたのか。まぁ日本のために動こうなんて気はこれっぽっちもないでしょうな。日本語の記事に出てくる彼の評価が甘っちょろいというか、緩いというか。沖縄の米兵がウロチョロしてオミクロン感染増えてんですけど〜って文句でも言おうものなら「グダグダうるせ〜!お前の国にもファッキン保健局があるだろう。さっさとファッキン対処しろや」って一蹴しそう。

おそらく彼がやりたいのは、日本の政治家の尻を引っ叩いて中国や北朝鮮を抑え込もうということでしょう。そうしないと、米国内でジョー・バイデン大統領が抱える問題が増えるだけだからね。まぁ日本の政治家や外交官がどんだけ無能か、ってのを晒してくれそうだから、そこは期待してる。

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