20210517後悔と雨

この土日からずっと調子が悪くて、日曜日から月曜日にかけては全然眠れなかった。
頭が散り散りの思考に支配されたまま、寝付けはしない。30分に一回目を覚まし、寝返りを打ち、じっとりとした汗を拭う。
夫のいびきと、漏れ聞こえる雨の雫がコンクリートに打ち付ける音だけが、刻々とすぎる時間を教えてくれた。眠れない焦り、汗をかいて蒸れた肌の痒み。微睡みにいる、という謎の言い訳を抱えて私は爪を立てて喉元を掻きむしる。

明け方、1時間だけ眠ったが体は重く持ち上がらない。灰色のカーテンを何となく透けて部屋全体を明るくする朝日は重い。気が滅入る。
季節の変わり目はいつもそう。特に梅雨にはいる時、私の体は酷く重い。梅雨生まれなのに。
こんなことで普通の社会人は休んだりしないのだろうな、と思いながら上司に休む旨のショートメールを打った。
すぐ心が折れる。分かっている。
分かっていても折れたものは戻らない。

刻一刻と時間はすぎていく。歳をとる。言葉を忘れて思考もなくなる。
私、もっと、生き生きと苦しんでいたはずなのにな。
いつからか、ぼうっと苦しむことが多くなった。
苦しむことすら、ぼんやりしている。何も、残せないふうに。

夫が、子供が欲しいと言っていた。私は、いらないと言った。
結婚した時、彼はあなたが産むのだからあなたが決めたらいいと言ったので、じゃあたぶん産まないよ、と答えた。わかったよ、と彼は言ったけど、今、彼はその言葉を撤回して、子供が欲しいと私に謝った。
謝ることではないよ、と、私は答えたけれど、やっぱり子供はいらないと思っているから、産むよ、とは言わなかった。
子供ができるかも分からない。先週終わった生理は4ヶ月ぶりだった。病院に行かなければ行けないのだけど、諸々に忙殺されて行けない。
別に、行きたくない。内診台は、やはりつらいから。
周りは子供をすでに産んだ人か、妊活をしてる人ばかりで、私のこの歳で、まだ、産むか産まないかを悩む人は居ない。
何もかもが遅すぎるのだと思う。
これから子供を作ろうにしても、産むにしても、年齢によるリスクは無視できない。結婚も、妊娠も、出産も、早い方がいいと言うのは残酷だけれど事実だとも思う。
そうでない人を責めるつもりは全くないが、それでも、早い方がいいのは紛れもない客観的事実だ。
今更子供が欲しいと言う彼を恨む気も無いし、その事が私の苦しみに直結している訳でもない。ただ、私の中の些末な悩みのうちのひとつと言うだけで。
皆が皆、抱える悩みの中の、ひとつのジャンルなのだろう。一生付きまとう呪いのような。

29にもなって子供ができないんで、病院通ってるんですよ。
子供、実は流産しちゃって。お腹に、いるうちに流れちゃうのって結構多いみたいで。
子供作って育休入ってから、また仕事復帰ってしんどいよね。
子供が大切なら仕事辞めたらいいのにね。
30越えたら妊娠出産のリスクめちゃくちゃ上がるから早く作って産んだ方がいいよ。
作ろうと思ったってすぐできる訳じゃないし。

君は、凄くいい母親になると思うから。


明日は、曇り。
1週間後には提出しなければならない書類が山のようにあって、まだ解決の糸口も見つからないけれど午後は社外の人との打ち合わせ。
残業確定。
社会人の1人として、平然と残業するしかない。こんなふうに、過ごすしか、ない。