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「成功」することと「幸せになること」は同じなのか?頑張っている人に一度は考えてほしいこと

先日読んだGRIT(実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる キャロライン・アダムス・ミラーhttps://www.amazon.co.jp/dp/479910683X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_G4XNBb29RCP37)の本に、こんなことが書いてありました。

「人は何かに成功して幸せになるのではなく、幸せだからこそ成功する」

これ、本当にそうだなぁと思うんです。
幸せって、私は瞬間の積み重ねで、目に見ないし、手にも残らない
ものだと思っています。

でも、人はまるでそこに「幸せという塊」が存在しているかのように、
それを手にいれようとしてしまうときがあると思うんです。

その一つに、「成功」というものがあると思います。

成功の定義は人それぞれだと思うのですが、
ここで言う成功とは、要は”何かを成し遂げる”ということです。

幸せの青い鳥症候群

私は一時期、成功すれば幸せになれる、と信じ込んでいた時期がありました。外資の保険で営業していた頃です。

当時は成功=結果を出すことだったので、そのために何かを犠牲にしなければならないと本気で思っていました。でも、そうやって犠牲にして成功すれば、絶対に幸せになれるんだ、と。

確かに結果を出すためには、どうしても優先順位をつけなければならない瞬間はあります。
圧倒的な熱量を一つの物事に注ぐために、それ以外のものの優先順位が下がり、結果的に犠牲が伴うことはあると思うんです。
これが、短期的に求められる結果に対するアプローチならばまだいいのです。でも、長期的に持続性が求められる場合、これを続けていると、どこかで破綻を迎える時が来ます。

実際に、私も1380人ぐらいいる中で3位、初年度ルーキ女性1位という営業成績を残せました。それは、自分が思い描いた1つの成功の形でした。

でも、その成功の先にあった世界は、私が思い描いていた幸せの世界とは全然違い、ちっとも幸せではなくて、むしろとても悲しくて、すごく空虚だったんです。

こんなに頑張っているのに、それでもまだ見つからない。私の青い鳥は一体どこにあるんだろう、どこまで行ったら見つかるんだろう、と本気で思っていました。

どんな時も原動力は”自らの幸福”

一時関数的に短期間にぐっと結果を出すのではなく、二次関数的に、より価値がある大きなものを成し遂げるには、自らが満たされている状態がすごく大事だと思うんです。

結局自らの幸福がなければ、他人を幸せになんてできない。そうでないと極めて脆いエンジンになって続かなくなってしまう。

そして、自分が幸せでないと、結局成功しても幸せにはなれないんです。

なぜなら、どんなに大きな成功を手にしても、その幸せですら、その結果を手にした「瞬間」にすぎないからです。

だけど人はどうしても、何か大きな成功を得ればきっともっと大きな幸せが待っていると思ってしまいます。
そして、なかなか日々訪れる小さな幸せには気づきません。
たぶんどこかで、自分が本当に望む幸せが、すごくささやかで、平凡で、ありきたりであるなんて思いたくないのかもしれないです。

そう思うことが、まるで自分の夢や世界が狭まるような錯覚に陥るのかもしれません。特に大きな夢を描いたり、目標を追い求める人ほどそう思ってしまうのかもしれません。

自分の幸せはもっと大きくて、もっと価値があって、素晴らしいものなのだと。

成功はあくまで幸せに”包含”されるもの

だけと自分が幸せと感じることと、人生を通して何を成し遂げたいのか、は重なる部分もあるし、そうじゃない部分もあってよいのかなと思うんです。

成し遂げたいことが成功しなくても、不幸せになるわけではないし、

成し遂げたいことが成功しても、幸せになるわけでもないのかもしれない。

ある意味残酷なこともしれませんが、それが事実なんじゃないかなぁって思うわけです。だから、大きな夢や目標を掲げる人ほど、それが成し遂げられなくても、自分は幸せなのだろうか、と考えることは大事だと思います。

そしてもし、それを突き詰めた結果、本当に自分が望んでいたことは、”成功することではなく、ただ、自分の大切な家族を幸せにしたかったんだ”
と気づいたなら、別に成功を目指してがむしゃらに駆け上がることを選ばなくてもいいんです。

自分の心に気づき、潔くやめるということも、自分を幸せにするためには大切な決断なのではないかと思います。

大きな夢を抱くことだけが幸せじゃないです。それが偉いわけでもないし、崇高なわけでもないんです。単にその人が目指したい、ただそれだけです。

でも、本当にこれが自分の望む幸せなのだろうか?と、どこかで不安に思いながら、不安定なエンジンで走り続ける方がよっぽど辛くて険しい道です。

私は起業家が鬱になりやすかったり、精神的に追いつめられやすいのは、
本質的に、単に責任が重かったり業務量が多い、ということ以外に、こうした内面の葛藤があるからなんじゃないか、と思っています。

だから、これが成功しなくても、今十分に幸せ!本当幸せ!
だけど、もっと幸せにしたい人たちがいるから、これを絶対に成し遂げたいんだ!と思えた時に、

自分が本当に人生をかけてやりたいことが見つかるんじゃないか、と
思います。私はそれが本当の使命感だと思っています。

私自身も、起業して自分の幸せに素直になってからのほうが
よりパワフルに、力強く今の仕事を進めていけるようになりました。

不思議なことに、自分の幸せや欲を満たすと、満足するどころか、
こんなに幸せな私なんだから、もっと何かができるんじゃないか?
という純粋な欲で満たされる
んです。

これはとても不思議な感覚でした。頑張るなんて言う概念はそこにはなくて、内から湧き出るビジョンと、それを実現したいという欲望が止まらない、そんな感じで過ごしています。

だから、成功を目指して頑張っている人ほど、一度は立ち止まってなぜそこまで成功を目指すのか、考える時間も大事だと思います。

満たされている時代だからこそ、どこまで本質的な幸せに向き合えたか、でしかないんじゃないかと思うんです。

そんな小さな幸せを積み重ねながら、大きなイノベーションを起こしていく。そんな幸せイノベーションを生み出していけたらなぁと、止まらぬ欲望と妄想にふける午後でした。


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