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読書記録 大きな鳥にさらわれないよう

今日は書くことがないので最近読んだ本の感想を書きたいと思う。
川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」を読んだ。
川上弘美さんといえば「某」「センセイの鞄」「パスタマシーンの幽霊」「真鶴」も読んだことがある。

この作品はかなりSFらしくてSFが好きな私としてはとても面白かった。

簡単に言うと現在の人間が滅びた後の世界が舞台になっている。

小さな短編がいくつも組み合わさっていて、それぞれ時代や場所が違うが世界線は共通しており、少しずつ重なり合う。
詳しく世界の説明があるわけでもなく淡々と主人公たちの視点で世界が語られていく。
今の世界と似ているようで違って語られないところが気になってきたり違和感が生まれたりする。
最後にメタ的視点で謎が明らかになるところがワクワクした。
といっても一回読んだだけではまだすっきりしないほど深くて細かい話だった。
もう一度読み返したら気づくことが多いのではないかと思う。
私としてはもっとワクワクするような展開とか面白い結末があればなあとおもうのだが、それがないことこそがリアリティがあっていいなとも思った。
たかが人間、大きな展開などあるはずもなくただ滅びていく。
そこにどんな意味を見出して抗うかが人間らしさかなと感じた。

やっぱりもう一回読みたい。


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