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【家事】家事分担の気づきー対話の大切さ

#家事分担の気付き というハッシュタグがエントリー募集してたので、家事や育児と仕事に関して、最近読んだ本をいくつか紹介しながらつらつらと考えたこと書いていきます。

今回はこちらの本を取り上げるよ↓

『デュアル・キャリア・カップル』
『育児は仕事の役に立つ』
『エッセンシャル思考』
『エフォートレス思考』


1. デュアル・キャリア・カップル

 まずは、『デュアル・キャリア・カップル』について。


 この本を読んだのは少し前のことなので、ちょっと記憶があいまいな部分もあるかもしれないけれど、自分の中で『家事分担』を考えたときに一番エッセンスとして大事だなと思ったところを書いていくので、許しておくれ。興味のある方はご自身で読んでみてね。

 まずこの本にはどんなことが書かれているのかというざっくりとしたまとめを書くと、ジェニファー・ペトリリエリという教授が、世界中の様々な年代のデュアル・キャリア・カップル(両者がそれぞれキャリアを持ち、維持していきながら家庭を維持しているカップル達のこと)を調査した結果をまとめたものです。

 なんでも、デュアル・キャリア・カップルには、大きく分けて3つのライフステージ(人生の転換期)が訪れることがわかり、そのステージごとどのようにして解決の糸口を見つけ、乗り越えていけばいいのかがいろいろなカップルたちの体験談からわかってきたと。

 そしてその3つのステージの一番目が、(多くの場合結婚や出産などに伴う)場所やキャリア、優先順位の大きな変化。出産・育児・仕事の両立がこの時期の一番おおきな課題の一つで、どちらのキャリアを優先すべきなのか(あるいは両方?)、どちらが家事育児の一番の担い手になるのか(あるいは両方?)などなど、自由の多かったシングル時代を経て、家族を作っていくために新しい生活様式や価値観を決め、形作っていく必要がある時期です。



1-2. 心に残ったポイント ー 会話を重ねていくことの大切さ。


 最初にまずなんで、この本が『家事分担』を考えたときに最初に思い浮かんだのかというと、「具体的な分担のノウハウやあれこれももちろん大事だけど、それよりもまず、大前提として自分のパートナー(夫であれ、妻であれ、それ以外であれ)と日ごろからきちんとコミュニケーションが取れていてお互いに今の状況に納得できているかが何よりも大事だよなぁ、とおもったから。

 言い換えると、コミュニケーションの量と質、そして相互理解の基盤ができているかどうか。同じ方向に歩んでいけるのかどうか。

 ただ話すだけではなく、問題の根本問題を解決するための対話、自己開示が必要。そういったコミュニケーションが大事だと、この本にも書いてありました。

 感情的にはならず、自分の立場ややっていること、理解してほしいことなどを相手が納得できるように伝えていく必要があるし、そこの努力は必要なのではないかな、と私も思うのです。

 まず大前提として、結婚や出産、育児などという新しいライフステージに移行するということは、いままでの当たり前が、全然できなくなってしまうということ。

 時には、パートナーや家族のために、(みんなが共に生きていくために)今までの自分の心地いい世界を離れなければいけなくなることもある。
もしくは、パートナーの方ががそうなるかもしれない。

 そうなったときに、自分の気持ちや立場の変化、戸惑い、相手への希望や歩み寄りのお願い・・・それを冷静にできるのかどうか。

 相手がそうなったときに、自分のことだけでなくきちんと相手に目を向けられているか。そして、どちらかがTakerに偏ってはいないかどうか。

 お互いが、きちんと腹落ちした上で、今の生活を回せているのかどうか。お互いを尊重して、感謝を持って接することができているかどうか。

 それを対話を通してきちんと明確にして、クリアにしていくのが大切だなと感じました。


 この本を読みながら、私が考えたのは、ある意味でネガティブ思考を一度突き詰めて考えて、『その時はどうするのか』という方向性を決めておく必要があるということ。

 『お互いが合意の上で決める』ということが、建設的な対話において一番大事な気がする。決める、ということをしておけば曖昧な不安はかなりへる。そして、遺恨を残さない役割分担を遂行できる。モヤモヤもへる。そんな気がするの。
 一見ネガティブなことであってもありとあらゆる場合を想定して、それぞれの場合にどういう行動をとるのかを事前に決めておけば、いざとなった時にあたふたしたり、動揺が増幅したりすることが少なくなるかと思う。


 そして何より何より大事なのは、毎日の小さな『ありがとう』の積み重ね。
 子供は小さいうちは『ありがとう』なんてことは言ってはくれない。楽しくやってはいても、たまには大人からの『ありがとう』『いたわり』が欲しくなる時がある。だからこそ、自分も相手もちいさなことから『ありがとう』をいう習慣を身に着けることと、そういう習慣を当たり前にしていきたいとお互いに認識することが大事。

 その根本の部分がつながっていればこそ、他愛もない会話が活きていくるし、家族での時間が楽しいものになるのかなと思います。

 実質的な家事分担のノウハウはいくらでもあるし、いろいろなものや人を駆使すれば何とかなったり、何とかならなかったり。でも、結局のところどんなバランスであっても、家族のハピネスを維持できるかどうかが一番大事なんじゃないかなぁと思った次第です。

 ちなみに、具体的で建設的な第一のライフステージの乗り越え方は、『デュアル・キャリア・カップル』の方に結構丁寧に書いてあります。なので、興味ある方は手元に置いておいて、思い出したときに何度も読み返すと良い気がする。


2. 育児は仕事の役に立つ

 2冊目は『育児は仕事の役に立つ』

  こちらの本は、東大の中原淳教授の研究所で学んだ浜屋祐子氏がまとめた研究をもとに、お二人の対話という形で研究結果をまとめた本。

 「仕事での成長が一番であることは大前提とした上で、家事育児の経験が仕事に大いに役立っているよ、でもそのためには、どちらか片方ではなくて『両方』が『当事者』とし家事や育児に参加し、その上で『チームワーク』によって色々と改善したり、困難を解決したりできる場合にかぎるよ」というのがかなりかなりざっくりとした主旨。

 お二人とも、子どもを育てながら仕事をしたり研究をしたりしているということもあって具体的な話も多いし、対談形式で書かれているのでかなりさっぱりと書かれていて、わかりやすい一冊です。


2-2. 心に残ったポイント - 「ファミリーファースト」と「ヘルプシーキング」


 この本を読んだ後にまず私が考えたことは、『分担、の中には子ども自身も入っている』なぁということ。


 家事育児の分担も含め、家族間のことというのは決して夫婦2人だけの問題はなくて、家族全員のためにあるということ。実際にこの本の中で中原教授も同じような内容のことを言っていました。

 二人の保護者がお互いに納得して家庭を回していくこと、そのうえで仕事もこなしていくことも、もちろん大事だけれど、それに加えて子どものWellbeingも大事。当たり前すぎる当たり前のことなのだけど、それを改めて考えさせられたというか。


 夫婦2人で仕事を続けながら子供を育てていく中で、例えばやりたい仕事をゴリゴリやって、なんとか回していくことはできると思う。でも、もしそれによって子どもに皺寄せが行っていたら、それはそのまま突き進むべきなのだろうか。

例えば睡眠不足。

 もちろん、家族を養うために仕事をするのは大事なこと(というかそれ以外の選択肢はなかったりする)のだけれども、それによって例えば子どもの生活リズムが崩れてしまって、必要な毎日のルーティーンを維持できていないのであれば、それはうまく家庭が回っていると言えるのか。

 子供、そして自分自身に必要な睡眠時間を削って今の生活を維持しているのであれば、それを犠牲にして失っているものは健康と未来。未来に子どもへの負債を増やしながら貯金を切り崩して生きていくだけの価値がある生活なのだろうか?そう考えたときに、自信をもって『Yes!私たちの今の生活はその価値がある!』と言える人って本当にすくないんじゃないかなと思いました。

 私自身を含めて、この時期は自分自身のやりたい自分への期待値と現実が伴わないことが本当に多くて、だからといって家事育児に全振りできるといえばそうでもなくて・・・と本当に悩みが尽きない毎日だと思う。

 悩みに悩んで、何ができるのか、どうしたらいいのかわからなくなって迷子になったまま戻ってこれなくなることも、アリジゴクのような現状から抜け出せないように感じることも多々ある。そんなときに、あくまで私は、ではあるけれど、一番の軸として『家族一人一人(それは自分や夫だけではなく、子どもも)に長期的な大きな負債を残していないか』というのをまず考えてみるのが大事だなと感じました。それを軸にして考えたときに、それが守られないのであれば何かしらをあきらめたり、捨てたり、根本からやりかたを変えたり・・・あるいは周りに助けを求めたり。何かしらのアクションを起こして現状を変えていく必要がある。

 では、将来に負債を増やさないためには今、何を捨てるのか。何を周りに頼っていくのか。

 この本では、周りの支援の輪を広げていくことの大切さも説いてます。言葉を借りると、「ヘルプシーキング」と「点から線、面のつながり」

 自分たちですべてのことを完璧にこなそうとするのではなくて、自分の親でも保育園や学校でも、自治体でも、なんでもいいから必要な時に助けを求めるというのが本当に大事だということ。


 私自身の経験でいうと、社会復帰をしてから保育園の存在に本当に本当に助けられている。それまではすべて自分で世話をしなきゃ~などと思っていた部分もあるけれど、任せられる部分は思い切ってまかせてしまうと自分の時間ができたりほかの大人との会話もできるようになって余裕もできるし(もちろん、仕事はしてるんだけど、トイレ行く時間とかそういうかなりレベルの低い自分の時間。(笑))、何より子どもの成長や毎日の様子を気にかけて見守ってくれる人たちが自分や夫以外にもいるんだという思いがかなりの精神的ゆとりをもたらしてくれています。

 娘の場合は保育園もとても楽しんでいるし、通っている保育園は食にもこだわっているので栄養満点でおいしいご飯も提供してもらってる安心感もあるし、子どもがたくさん走り回って体力つけてくれて大助かりしてる。

 そういう『居場所』になる場所や人を、家族の外にも延長していくことで、自分たちの誰かが犠牲になる形ではなく、健康的な形でハッピーな家族を維持していけるんじゃないかなと思います。



3. エッセンシャル思考&エフォートレス思考

 エッセンシャル思考については、前にも記事を書きました。

 エッセンシャル思考&エフォートレス思考は、まさに文字通りのごとくで、「以下にして、常に本質をとらえたものの考え方ができるのか」「いかにして、物事の無駄な部分や余計な部分を取り除いてエッセンシャル思考に回帰することで、必要のない労力を無くしていくことができるのか」ということだと思います。


 具体的に「じゃあ、実際にどうやって毎日の家事育児を回していくよ?」となった時にこの思考をもとにして物事を遂行していくとより楽にできるようなぁと思ったので紹介。


3-2. 心に残ったポイント - 『捨てる』ということと、それを『続ける』ということ


 大元となるエッセンシャル思考を読んでからの方が、理解が深まるとは思うけど、今回のテーマにおいてよりためになるなと思ったのは『エフォートレス思考』の本の方です。エッセンシャル思考の提唱者であり一番の実践者であるの著者が、一冊目の成功によりさらに新しいチャンスや仕事が舞い込んできたときにあれこれ目いっぱいになってしまったことを発端としてこの2冊目を書き上げているから。うれしい悲鳴ではあるものの、同時にそんな人であっても意識をして今の状況を見直して改善をしていかないと、簡単にてんてこ舞いの日常に戻ってしまうことがままあるということをまざまざと見せつけられたというか。

 これってまさに、仕事をしながら家事育児をする状態に本当に似ているなぁと思ったのです。いろいろ話し合いを重ねて、周りの人からの助けも借りて、上手に生活が回るようになった!ハッピー!!と思ったのもつかのま、子どもはどんどん成長していって気づくとまた新たな課題や問題が!ということだらけだなぁと感じます。

 そんな時に立ち戻って『じゃあ、何を捨てるのか?』『何を自動化して労力を減らそうか?』と都度都度考える必要がある。

 何かがうまく回らなくなったとき、その原因を探してメンテナンスしたり、必要であれば改善したりする必要がある。

 『エフォートレス思考』の本の中でも、日本の禅の考えやミニマリスト、片付けの考え方がちょくちょく紹介されているのだけど、その中でもいろんな人が言うのは片付けも思考の断捨離もなんでも、一度やればおしまいではないということ。

 日頃から、『捨てる』『整理する』『掃除してきれいにする』『リセットする』という習慣を繰り返すことによって、だんだんとより自然に、効率よく毎日が回っていくようになる。
 そんな気がします。

 この2冊でも、結構具体的にどうやっていけば実践できるのかというポイントが上手にまとまっているので、気になる人は読んでみるのが一番かと思います。


4. まとめ


 『家事育児の分担』をめぐって、4冊の本を紹介しました。


 1冊目の『デュアル・キャリア・カップル』では、家事分担を決めるにあたっての夫婦(パートナー同士)の深い対話の必要性を

 2冊目の『育児は仕事の役に立つ』では、物事の決断のための軸になる「ファミリーファースト」の考え方と、「ヘルプシーキング」の大切さ。

 3~4冊目の『エッセンシャル思考』『エフォートレス思考』では、うまく物事を回すために要らないものを「捨てる」ということと、定期的に見直してアップデートし続ける必要性を学んだというのが今回のお話。

 つらつら長々と書き連ねてしまったけれど、つまりはこのまとめにすべて集約されている。笑

 具体的にどう実践に移せばいいのかという部分については、それぞれを読んだ方が早い気がするので(どの本も、ちゃんと章ごとにまとめが用意されていて、読んだ人が実践しやすいようになっている親切設計)、興味があればぜひ読んでみてください。時間がない方は、ほんの各章のまとめだけでも。


ではでは。


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