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クソシェアハウス奮闘記其の六「戦慄」


お疲れ様です。豆鉄砲の佐藤です。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。


【登場人物】

ポテトカレッジ コモダドラゴン
🐉大きい音がなると「すみません」と謝ってしまう
センチネル トミサット
🐙気を緩めると「セックス」と口走る
豆鉄砲 佐藤
🐴弟に「お兄ちゃん」と言ったことがある





🏚️🐉🐙🐴





クソシェアハウスに住み出して1週間がすぎようとしていました。

もちろんまだ慣れてはいません。


ある日冷凍庫の掃除をしようと中を見たら、霜がとんでもないことになっていました。
霜というよりは氷塊が全体を覆うように鎮座しており、ハーゲンダッツを2個入れられるかどうかくらいの隙間しかありませんでした。

僕はアイスピックやドライバー、時には熱湯を直接かけたりしながら掃除、ないし砕氷をしました。
すぐ隣に風呂場があるので全てそこへかきだすと、チワワくらいはある霜の山ができたので、僕はそれに「くぅ」と名付けました。

くぅは夏頃だったのに次の日の朝まで溶けずに残ってくれていましたが、朝には山が崩れてグシャグシャになっており、誰かの足跡がついてました。僕は泣きながら「くぅ…」と呟き、湯葬で弔い、やつあたりで2人の服の山を蹴飛ばしました。



コモダさんとトミサットさんはいつも喧嘩ばかりしています。大抵の場合、トミサットさんが悪いです。


うちの家賃や光熱費の管理はコモダさんがしていて、トミサットさんはよくそれを滞納するのですが、

なぜか敬語

上の画像みたいな会話が、ほぼ毎月あります。
頑張りますみたいのでトミサットさんは毎回誤魔化そうとするのですが、さすがにコモダさんもそれは逃さずどう頑張るのか聞いたりします。
するとトミサットさんは逆ギレして「お前もキヨちゃんに借金あるだろう」みたいなことを言います。

たしかにコモダさんは相方のキヨさんに合計何百万も借金があるし(これはどっちかというとキヨさんがおかしいと内心僕は思っている)、人間のクズであることは確かなんですが、僕は「トミサットさん、それは今全然関係ないよ」と思いながら聞き流しています。

僕が入る以前にもシェアハウス解散の危機になったほどの喧嘩があり、その内容がしょうもないにもほどがある話で好きなんですが、経緯を簡単に書くと、

僕と入れ替わりで出て行った元同居人に、コモダさんとトミサットさんはどちらも借金があった。

コモダさんがどうしても風俗に行きたくなり、さらに元同居人から借金をした。

その同じくらいのタイミングでトミサットさんもその元同居人に借金しようとしたが、すでにコモダさんに借金をしていたため元同居人は貸せなかった。

トミサットさん「コモダが借金してるせいで俺が借金できねえじゃねえか」と不条理なブチギレ。

後日、まさに借りた金で風俗に行こうとしていたコモダさんとトミサットさんが家ではち合わせる。

トミサットさんはコモダさんから金の回収をしようとするが、コモダさんはどうしても風俗に行きたいため激しく抵抗。

コモダドラゴンが火を吹き、トミサットが雷を落とす、激しい戦いが始まる。

トミサットさんはついにコモダさんの財布をぶんどって中から金を抜き取る強行手段に出る。

コモダさん、トミサットさんの後頭部を思い切り蹴り上げ、財布を奪い返し、裸足のまま家の外へ逃走。行方不明に。


こんな感じの話でした。この後コモダさんはしっかり風俗に行ったらしいです。

この件でコモダさんはしばらく家出をすることになり、もうトミサットとは口を聞かないとまで言っていたらしいです。でも普通にユニットライブで毎月一緒なので、そこで会ったとき普通に仲直りしたらしいです。2人とも相当きもいです。


ところで、上の話でも出てきた元同居人。これからも何度か出てくると思うので、紹介しときます。


その人は、元々SMAに所属していた"バーニング炎"というコンビの、アッチッチ上野さん。
今はもう芸人を辞めていて、みんなからはウエモンと呼ばれています。

トミサットさん曰く、日本のお笑いが古いと言って韓国でのお笑い活動を目指しているらしく、今は朝ホストをしながら渡航費を稼いでいるそうです。

僕は、ウエモンさんが怖いです。
出て行ったあともたまに遊びに来るので何度か会っているのですが、直視できたことがありません。
怖過ぎて写真も撮ったことないためフォルダに1枚もなく、お見せできないのが心苦しいですがとにかく怖いです。

年齢は僕とあまり変わりませんが、坊主でガリガリで、小学生みたいな顔をしています。
「働いたら負けかなと思っている」のネットミームで有名なあの人にかなり似ているので知らない人は検索してみてください。
そして変声期が途中で止まったのかなといった感じの声をしていて、少し高めで軽くしゃがれています。
肩幅が狭く極度のなで肩で、かつ猫背、肌が異様に白く、少し透けているような気さえしてきます。
僕は最初にウエモンさんを見たとき、ジャミラの進化前みたいな人が来たと思いました。

この家の窓に大穴を開けた張本人でもあります。最初は外から勝手に割れたとか言っていたのに、2人が外側にガラスが飛び散っていることを不審に思い問い詰めると、普通にむしゃくしゃして割ったと白状した、っていう怖い話があります。

ただ怒られたとか、手を出してくるとか、その大穴をあけた事実など、そういった実害によって怖いと思ったわけではありません。

性格的には物静かだし、腰も低く、遊びに来る時はいつもタバコやジュースの差し入れをしてくれます。
でも逆にそれが恩着せがましく思えてしまうというか、物をもらっておいて本当に失礼なのですが、腰が低すぎる感じがどこか妙なのです。

最初はその薄気味悪い雰囲気がなんとなく違和感に感じていた程度だったのですが、僕が明確にウエモンさんに恐怖を覚えたのはある夜のことでした。

その日もウエモンさんが遊びに来ていて、しかも泊まるとのことでした。
僕とトミサットさんのベッドの間には小さめのソファがあって、ウエモンさんはそこで寝ることに。

少し時間がたって夜中、僕以外の3人はもう寝ていて、全員がとんでもないイビキをかいていたのでジャングルみたいだったのですが、僕は割とそういう環境で寝れるタイプなので意識が途切れかけてきた頃。

「うぅ…」

ウエモンさんの方からイビキとは違う、うめき声が聞こえてきました。
ウエモンさんはこっちに頭を向けて寝ていたため、しっかりと聞こえます。体をもぞもぞと動かし、何かに苦しんでるようにも見えました。

「うぅ…あーぁぁ…」

うめき声は続きます。もう喋ってるくらいの発声です。うるさいなぁと思いつつ、気にせず寝ようとした次の瞬間でした。

「うぅ…ぁ…ああああああああぁぁぁあああぁあぁぁぁあああああああ!!!!!!」

(えっ…??)
僕はひどく動揺しました。
もうそれは寝言やうめき声なんてものではなく、叫びでした。それもとんでもない大声の。

顔をあげてウエモンさんのほうを見ると、もう静かに寝息をたてていました。
起きている人ですらあげないほどの音量。それを寝ながら出した。怖い。怖すぎる。

トミサットさんとコモダさんは、なぜか気付かずに眠り続けていて、今のは夢だったのかとも思いましたが、現実かそうでないかはもうこの際関係なく、僕はこの日からウエモンさんが怖くてしかたありません。

このウエモンさんがいた頃のクソシェアハウスは想像を絶します。この世の終わりだと思います。




🏚️🐉🐙🐴




今回はこちらで締めさせていただきます!
ご精読ありがとうございました!!


#クソシェアハウス






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