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金沢一泊おんな二人旅 〜前編〜

新幹線の割引を利用して金沢へ一泊旅行へ。朝早い電車に乗り遅れることなくゆかぴと合流、駅弁を買って新幹線に乗り込む。二人とも雨女寄りだけど今回は幸先もよく天気良好、既に楽しい予感がする、いや既に楽しい。と思いきや軽井沢で霧が出現し一時心ざわつく。やっぱり…もしかして…。でも金沢は晴れた!良かった。

ザワついた景色。

バスに乗り近江町市場へ。今回の旅で実はバスがとても苦手だということがバレた。何度乗ってもよく分からない。近江町市場で降りると朝から人で賑わっていた。お花屋さんとか魚屋さんとか沢山あって、余所者たちがワイワイしている感じや、慣れたおじさんがカートにデカい魚を入れて歩いているのを見るとああ東京を離れたなと実感。旅行に来た!と思った。今の時期は香箱蟹が沢山いる。のどぐろは干物ばかり。そしてよく喋る寿司屋の女将さんの口車に乗りその店の寿司を喰らう。ビールも飲む。もう楽しい。来たぜ金沢!修学旅行らしき学生の目の前で飲酒、最高だよ大人は!やたらとお店のメニューの字がうまかった。

前は修学旅行生、アタシたちはビールを流し込む。
T3にはモノクロを入れた。
確かに字がうまい、ゆかぴ撮影。

そのあとは21世紀美術館へ。やっぱりバス移動だけどバスが怖い。ゆかぴの後ろにコソコソ着いていく。フェミニズムズ展、「シャドーワーク」が良かった。「the pale house 蒼ざめた馬」も好きだった。ただ見るよりも立体や体験に近いものに刺激を受ける。写真とは別の受け取り方が出来るものの方が記憶に残る。

ワシ、ゆかぴ撮影。プールの下はこの日入れなかった。
開催中と開催予定のポスター。BLUE見たい。
Doug Aitken 、好きな映像だった。

21世紀美術館の横にある松濤庵を見学。木漏れ日が芸術的。茶室って面白いな。現代アートよりこういうものの方が惹かれる。案内人のおじさんが聞いてもないのに色々と教えてくれてより楽しくなった。茶室にあったお軸は「喫茶去」、まあまあ一服どうですか?という意味らしい。マガジン一服じゃん。森下典子さんの日日是好日をまた読みたくなった。所々に「ここより先は入れません。」の札があり、襖の微妙な境界線にあったのでよく分からず、どこまで入って良いですか?とおじさんに聞いたらどこまででも案内してくれた。オイオイ大丈夫か?抹茶碗まで見せてもらった。金沢で有名な九谷焼はボンヤリとは知っていたが、大樋焼というものを初めて知って初めて見た。濃い飴色で舐めたら甘そう。それとなく傷のような印があり、目立たないけど確かにあって、それが良いように思った。抹茶碗は箱に綺麗に仕舞われていた。おじさんはその箱に戻して紐で閉じようとしていたが結び方をスッカリ忘れていた。大丈夫か?おじさんに金沢城でお茶が飲めるということで歩いて移動することにした。21世紀美術館に荷物を取りに戻ると人がどんどん増えていた。

松濤庵にて。
気のいい案内係の方。
モノクロ持って行ってよかった。

金沢は冬の準備を始めていて、雪吊りという松の木に紐を垂らす雪除けがあちらこちらで
見れた。両手を広げるように横に広がる松はそのままだと雪の重さに耐えきれず折れてしまうらしい。人間に守られないと怪我をしてしまう松の木を不思議に思った。

もう私たちは美術品たちの見学で疲れていたので兼六園はいっか、お城もまあいっか、お茶お茶、と花より団子精神でサクサク歩いた。こういう時、どうしても観光巡りしたいタチの人と来ると厄介だったりするな、と思ったりした。金沢城公園のなかにある玉泉院丸庭園でお茶。玉泉庵から見える庭園の美しいこと!!天気も良くて緑と紅葉も上手い具合に入っていて金沢に来てよかった!!とここでちょうど100回目の旅行の喜びを感じていたように思う。庭園を見ながらお茶を飲んで我々の人生について語らう。素晴らしい時間だ…!縁側にコートを脱いで座り陽が当たってるので寒くもなく、紛れもなく人生の喜び全てが揃っていた。

玉泉院丸庭園。
玉泉庵入り口。
畳と太陽光の相性の良さ。
美味しいお菓子🍡
景雲飛、金沢の景色と私たちの旅行と人生のことを指していた。

玉泉庵を後にし、宿へと向かう。なんとここから歩いていける距離だった。ヤッター。落ちた葉っぱや神社やテスト運転している道路のスプリンクラーを横目にテクテク歩く。スプリンクラーは随分と元気で、避けるのが大変。

ゆかぴ撮影、綺麗だね。
全てのバランスが好き。

雨庵にチェックイン!ひとまずベッドに横たわる。旅行の宿も毎回楽しみなんだよなあ、と疲れて横になってるのに目が爛々としてきた。ワクワクしながら夜ご飯の作戦会議。ゆかぴが目を付けていたうきぐさに電話、空いてるとのことで向かう。店に向かうまでまたバスに乗ったり歩いたりして、こういうところから、いやこういう時間こそプライスレスなんだよな旅行って、と思いながらテクテク歩く。

素敵な内装!器!美味しい料理!中庭がこっそりとカウンターから見えてそれも良かった。香箱蟹の美味さよ…!!結構調子に乗っていたのか酔いが回るのが早かった。大将と女将さんの空気感もより一層品が増すというか、とにかく来て良かった、と千回目の強い気持ち。酔っ払いの私でも隅々までお店の気合いを感じられる素晴らしい空間だった。

お腹いっぱい食べて8時頃、バーへ向かう。金沢出身の方に教えてもらったオススメのお店マザーズは行った時にちょうど満席になってしまって入れず。けれど入り口の佇まいから魅力的で後ろ髪を引かれながら次のオススメの店、倫敦屋酒場へと気を取り直す。このお店の佇まいもただならぬ様相で、急にビビり始める私たち。しかし勇気を振り絞って入ると、なんとも優しい空気を纏ったマスターがまるで常連を迎え入れてくれるようにカウンターへ案内してくれた。堂々と並ぶウイスキーの樽、昔行ったロンドンを彷彿とさせる店内、忙しそうな女将さん、隣の常連さんと打ち解けオススメメニューを押してもらう。バイ貝のアヒージョ美味しかった!樽から出てきたハイランドパークは飲むごとに別の男が…いや別の味が現れる。世紀の二枚舌の楽しくて可笑しいテンポだけのやり取りは今となっては何一つ思い出せない。毎日通いたいお店だ…!

バイ貝のアヒージョ。無限に食べれる。
ウニクム、フェルネットブランカの友達って感じ。好き。
「今日無事」、金沢は啓示が多い。マスター最高だぜ。モノクロが似合います。

お店を後にし、向かいにあったお店でラーメンを喰らう。私たちほど「ラーメンを喰らう」という言葉が似合う人が居るだろうか、いやいない。あんなにたくさん食べたのにそれらは食べた後、どこへ行ってしまったのだろうか…。

ホテルに入る前に尾崎神社を入り口から見る。夜の神社は不気味という人もあるけど、静かで人のいないピンと張り詰めた空気に私は呼ばれる感じがあり、不気味と思わないこともないが、それよりもワクワクが強い。

明日のためにちゃんとお風呂に入って寝た。後編へ続く。読んでくれた人凄すぎます😂読んだ上に終わらなくてすみません笑。

玉泉院丸庭園のモノクロ。

追記 2021/12/22
雨庵にチェックインしたあと、おでんを食べたのを忘れてた。お店の予約をして少し時間があったので近江町市場で開いてた居酒屋さんへ。やたらと話しかけてくれる店員さんだった。ガス海老めっちゃうまい!くるまぶもおいしかった〜。我々の台所こと近江町市場…。

おでんです!!

#わたしの旅行記

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