君たちがやっているのはボイトレではない


 ボイトレ界隈、ボイトレ戦士、ボイトレ民などと呼ばれる、主に大学生くらいの若い集団は20人程度のごく小さい界隈ですが、観測するに去年あたりの武田フースラーブームから「ボイトレ歌い手垢」がだいぶ増えてきています。
 最初に断っておきますが、彼らの存在というかネット活動そのものを否定するわけではないです。これまで同じ音楽ジャンルでしかボーカルは交流を持てなかったわけで、そこにボイトレという共通項が生まれたということでしょう。仲間同士で馴れ合うのは個人の自由です。

が、これだけ言いたい。君たちがやっていることはただのボーカルトレーニングである

 フースラーメソッドも喉を育てるには「6年かかる」と言われていて、ボイトレは年単位です。声が変わった!とか彼らよく言いますがボイトレにそんなすぐに効果が出てたまるか。応用分野にも有効なフースラーの汎用性の高さはもちろんあると思いますが。

なぜ、歌うま氏の言うことはあてにならないのか

 というまとめでも触れましたが、彼らはその亜種と言えますね。別にトレーナー面しているわけではないが、外部から質問する人間が出てきているのは憂慮すべきことです。

 歌うまでボイトレしている人=ボイトレに詳しい人ではない。レッスン受けたこともない、フースラーをかじっただけの人間に、一体何を教わろうとしているのか。

 そして一般ボイトレ垢が、結果的に打ちのめされネットからいなくなってしまうのは私の立場としてとてもつらい。同じ立場の人間が見つかりづらいんですよね、苦労している人ほど。本来ボイトレは孤独との戦い、のはずが「ボイトレ、たーのしー!勢」を見ていたらそりゃメンタルやられます。
 対策としては現状共存が厳しい状態なので、見ない方がいい。ボイトレ垢ということでうっかり相互フォローになってしまいがちですが、冒頭のツイにもあるように混ぜるな危険。Twitter始めたが結局掲示板に戻る「闇堕ちボイトレ垢」に少しだけ同情しますね今回。

 この手の人たちは、「ボイストレーナーはもっと歌唱音源上げろ!」とよく主張します。俺よりうまくなかったら、参考にできるレベルじゃなかったら認めないよ、ということでしょう。…根本的に間違ってるんですね考えが。音源で殴り合ったらボイトレなんて成立しなくなるんですがそれは。あと、「○○さんくらいうまかったらボイストレーナーをやる!」とも。ちょっと何言ってるかわからないですね。発声の理解・勉強が進んで、人を教える能力があり教えたいと思ったらボイストレーナーをやればいいじゃないですか。なんなの、その音源成果主義。ボイストレーナーは歌うまの称号じゃないよ。

 彼らのボイトレしているアピールは名刺代わりになり、「才能あるのに真面目に努力している」と好感度を稼ぐ意味もあります。これを私は「ファッションボイトレ」と命名します。ボイトレ学習者はネットだけで無料で済まそうとせず、また無料であっても誰に相談するかはよく考えてもらいたいですね(さんざん批判しましたが、トレーナークラスの素晴らしい人ももちろんいます)。
 以下の、「ボイトレ5段階説」「ボイトレは、誰のものなのか」もよければお読みください。

 「質問もされず、音源も相手にされない嫉妬乙」というツッコミに対しては、杉村太蔵さんの座右の銘、「うるせぇ」という一言で締めたいと思いますw

11/5追記:9月にこの件の続きがありました。

 そして11月、この記事についてaskが来たので貼っておきます。
https://ask.fm/maoukpp/answers/144108374901
https://ask.fm/maoukpp/answers/144109028981

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