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「原子力災害対策指針の見直しZoom勉強会」報告

1月20日に「原子力災害対策指針の見直しZoom勉強会」を行った。呼びかけに応じてくださった皆さんと、約3分ずつ、指針を見直すべき根拠を提起しあった。

きかっけは、2024年1月1日の能登半島地震。志賀原発周辺の放射線モニタリングポストの欠測、家屋倒壊、道路寸断のさなかに、原子力災害対策指針(以下、指針)は機能しないという現実が露呈したからだ(既報)。

参加者の発言を箇条書きで紹介し、原子力規制委員会の現在地は文末に整理する(発言者資料は文末に)。


池田豊さん(京都自治体問題研究所副理事長)

  • 地方自治体では、原発事故が起きたときに司令塔となる対策本部が、政令指定都市や県庁所在地にあり、原発に近くて、対応できるのかというところに関心がある。

  • 全国立地自治体の調査を3年前に行った結果、原発立地自治体の特殊性にどう接近するかを改めて考え直す必要がある。

  • その際、アンケートを行った中で、新潟、石川県だけが回答を再三要望したがいただけなかった。(調査して)比較すると、石川県は体制が弱いことがわかった。危機管理対策課の中に原子力防災対策の担当がいる。他の自治体はそうなっていない。

  • 立地自治体では防災・危機管理の部署の下に「原子力安全対策課」が設置されていて、職員配置は島根県を除き、ほぼ14〜20人。この体制で対応せざるを得ない。周辺自治体では4〜7人しか配置されていない。

  • 彼らの在任期間は約3年。1F事故から5年ぐらいは新しい指針に対応した人材が代替わりし、対応力が落ちている。その中で指針がどんどん変わって、追いつかない状況もある。

  • 福井県原子力総合防災訓練では、車両の「流水除染」が「ウェスに拭き取り」に後退、「防護服・シューズカバー・ゴーグル」が「ガウン、マスク、帽子」に後退するなど同時並行でマニュアルについても併せて検討する必要がある。

武本和幸さん(新潟県刈羽村議)

  • 1月1日、16:06と16:10にもの凄く揺れて外へ出たが、防災無線が鳴り、2分後ぐらいに津波警報が出た。海岸部は速やかに高台に避難するということで連絡も何も取れない。

  • 私のところは原発の近くだが、山の裏なので津波の心配はないが、津波で避難した人の話を聞くと、高台は車がつながっていて動きが取れない。その段階で、柏崎8号線が止まり、高速道路も止まったと。そういうことで避難ができないということがあった。

  • 今回、地盤が4メートルも隆起した。原発が冷却できなくなるという心配が出てきて、海岸段丘について20年前に出版された本を今、検討しているところ。

上岡直見さん(環境経済研究所/新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会委員)

  • この1枚でお話する。背景は現在の指針(P17)。どういう時に何をするのかをまとめたフローチャート。その上に今度の能登半島地震で何が起きたかを重ね、指針で書いてあることが本当にできるのかをチェックしたもの。

上岡直見さん資料
  • 武本さんの話にもあったが、津波があった場合とにかく逃げる。その後は、携帯も通じない、TVも見られない、そもそも情報提供がダメじゃないか。

  • 安定ヨウ素剤を配るといってもできない。

  • 「屋内退避」とあっても家屋倒壊、倒壊しないまでも窓が外れて「外」と同じ。

  • 道路の破損もあり、避難先に行くにも、今回の場合、避難先の方がひどく被災していて、行こうにも行き先がない。

  • プロットしてみると、この手順は全部崩壊している。

  • では見直すといって、いくら見直してもダメ。それでも原発を運転しようということになると、もう「避難しなくていい」という話になりかねないと懸念している。

  • 先日、『原子力防災の虚構』という本を出して指摘したことが、その通りになってしまった。想定していたより更にひどい。自治体対応も問題でそれにも触れた。

満田夏花さん 国際環境NGO FoEジャパン事務局長

  • 従来から指針は使えないことは指摘されてきた。2段階避難で、まずは5キロ圏内の人たちが原子力施設の状況によって避難。この間、30キロ圏内の人は屋内で退避しなさいと。極力避難をさせない設計だったが、今回そんなの無理だと明らかになった。

満田夏花さん資料
  • たとえば、5キロ圏では全面緊急事態となったら避難開始、事前に配布されている安定ヨウ素剤を服用となっているが、今回、それどころじゃなかった。随分前にもらったヨウ素剤を探し出せただろうか。30キロ圏内は、避難途中に拠点で配布だが、自治体職員が混乱の最中、備蓄場所まで取りに行き、途中で配布は無理。

  • 30キロ圏は、一定の線量で避難指示が出るが、その「一定の線量」もモニタリングポストの欠測とか通信断絶とかで無理だとわかった。道路は寸断、地盤は隆起し避難困難どころか不可能。避難先も被災。

  • 避難時には、車両や乗っている人の線量を測る「スクリーニング」をすることになっているが無理(渋滞、混乱は必至。自治体職員のキャパを越える)。

  • 無理だらけで複合災害というものが、全然想定されていなかった。

  • 「屋内退避」のシミュレーションも、前提が過小評価だとこれまで批判してきたが、今回、屋内退避ができないという現実の前で、シミュレーションどころではないということがわかった。

青木美希さん 「なぜ日本は原発を止められないのか?」著者

  • そもそもなぜ避難計画を基準に盛り込まなかったのかを立案者たちに取材。すると、それは内閣総理大臣が議長をやっている内閣府の原子力防災会議で見ているからいいんだ、と強い口調で言われ、実際どうかを調べた。

  • 川内原発では、原子力災害が起きたときの避難バスの乗り場が、津波のハザードマップに載っていたのに、原子力防災会議はそのまま了承していた。議事録を見ると会議に確かに総理大臣は出席しているが、挨拶だけ。「意見はありませんか」、「ありません」、「では了承します」と何の意見も交わされず了承されていた。そもそも、しっかりやるつもりは毛頭、国にはない。

  • 今回も会見で記者が質問し、女川で人々が訴えて、指針の見直しということになりそうだが、一度はちゃんと見直すといっていたのが、大幅に見直さなくていいんじゃないかと委員長はトーンダウンしている状況。

  • また以前と同じように、内閣府で見ているからいい、防災会議で見ているからいい、自治体が作るからいいと逃げられそうだ。

  • 自分の身を守るためには私たち国民一人ひとりがちゃんと避難計画を作ってくれないと無理で、避難計画が作れないんだったら、原発は無理だよということにしていかないといけない。

  • 鹿児島県の避難計画の専門委員にも話を聞いたが、避難計画は、深層防護の第5層だが、前からボロボロだが、何回やってもボロボロだ、今回、ちゃんとした避難計画を作るのは無理だとわかったと言っていた。

吉田千亜さん ジャーナリスト

  • 今回気になったのは、職員が参集できないじゃないかということ。地震発災時、穴水町だと5、6人、輪島市だと職員2〜3割だったと報道されていた。

  • 石川県は職員参集予測を出しているが、それが予測と合っていたかを検証・公表して欲しい。

  • 「警戒事態」ということで規制庁はオフサイトに2人集まったということだが、そもそも「警戒事態」を解除して良かったのかが気になる。1日の地震の後に6日にも参集している。17項目ぐらい「警戒事態」の項目があるが、全部潰せたのかどうか。今回、項目には書いていない海岸の隆起などもあったので、見直しという意味ではそういうところも、考え直した方がいい。

  • 6日時点での道路状況を30キロ圏で作ってみたが、スクリーニング場には行けないと思った。昨日の2時の時点でもまだ無理。

吉田千亜さん資料
  • 通信機能が全く機能していなかった。停電がまだ6200戸あるということは、テレビも携帯もダメというところがある。すると避難ができない。

  • 福島の方は「ガソリンがない」ということをずっと言っていた。これに関しては、阿部知子議員が質問し、経産省から、ガソリンに関しては重要だと認識しているので、調達するという回答をもらっていた。しかも、停電になっても「住民拠点サービスステーション」を作る、そこで給油ができると言っていた。

  • にもかかわらず、輪島市5つ、珠洲市2つ、志賀町6つ、能登町7つの拠点があるが、1月6日のニュースで輪島、能登にあるガソリンスタンドは停電が続いていて「このうち、3ヶ所程度では、電力が復旧すれば営業が再開できる見込み」(NHK)となっている。結局、住民拠点サービスステーションは機能していなかった。避難ができないという証拠の一つとして言いたいと思った。

  • 「のと里山海道」は、一次緊急輸送道路という地域間連携や救命活動のための道路なのに、そこが寸断されていた。問題ではないか。

  • 「避難しなくてもいいということ」は気になっていて、「F-REI」(福島国際研究教育機構)という研究拠点が、浜通りに作られ、シンポジウムで山下俊一氏や高村昇氏が登壇して、原発事故が起きても避難をしなくていいんだという研究ができると、話をしていたので、警戒した方がいいのかと思った。

大河陽子さん(弁護士/新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会委員)の指摘

  • 原発裁判で、避難計画は機能していないという点が争点になっており、大河陽子さんの指摘(動画)を本人の了解を得てまさのあつこが紹介。

  • 一つは裁判官が「深層防護」考え方を理解していない。「第5層」が重要で、それなしには原発はあり得ないという考え方を理解していないのではないか。

  • 一つは、車両等によって避難ができない場合は、警察、消防、海上保安庁、自衛隊などの実働組織による各種支援(ヘリコプターなど)が予定されているから「避難計画が著しく合理性を欠くとまではいえない」という判断が伊方原発などで出ている。

  • (まさの)「実働組織」をあてにしても避難できないことは今回、明らかだ。

大河陽子さんのスライド
【原発耕論 No10】矛盾だらけの原発避難計画 20200226(デモクラシータイムス)動画 から

意見交換/質疑応答(指針見直しに関するものだけまとめ/敬称略)

  • (武本)今後、「避難しない」という方向へいくのではないかについて。私は原発から3キロのところにいるが、当初は「5キロ圏は即時避難」ということだった。ところが2月に毎年のように雪が降る。雪が降って交通遮断になると1週間まったく動けないということが続く。高速道路も2日間ぐらい閉鎖されることがあり、「即時避難は不可能だ」という議論をしたら、自然災害、大雪のときは「屋内退避せよ」というのが国の方針として出てきた。原発を動かすために、5キロ圏は避難できないことがしばしばあると、内閣府は承知して、それを外しちゃったというのが去年あたりからの動き。

  • (上岡)安定ヨウ素剤配布の手順は、複合災害がなくても、最初から破綻している。放射性物質の摂取(被ばく)の24時間前から6時間後ぐらいの間に服用しないと意味がない。服用指示をいつ出せるのか。24時間前に今後の事故の進展を予測しなければならない。福島事故でわかるように、現場でもいつ何が起きるか、わかっていない。新潟委員会の時に原子力規制庁担当者が言っていたが、空間線量は、モニタリングポストでオンラインで、通信が生きていれば、リアルタイムで取れるが、ヨウ素の場合は持ち帰って分析に1日か2日かかる。放出24時間前に服用指示を出すなんてそもそも手順が破綻している。配布できるできない以前の問題がある。結局、原発から放射性物質が放射される場合はいろんなものが降ってくる。安定ヨウ素剤はヨウ素にしか効かない。

  • (満田)国は安定ヨウ素剤の配布には消極的で、5キロ圏しか事前配布しない、30キロ圏は拠点備蓄で避難の途中で配るとしていたが、市民運動で勝ち取って、自治体によっては積極的に配る対応をするところもある。

  • (満田)志賀町の原子力防災計画を眺めると薄っぺらくて、ハンドブックも安易な内容。その辺の事情をご存知の方は?

  • (上岡)他のところと比べてみると、石川県も志賀町も原子力防災のレベルが低い。他も書類の上で積み上げて実効性があるかという問題はあるが、そうだとしても、志賀町は特にひどい。

  • (吉田)内閣府「地域原子力防災協議会」の「緊急時対応」が、志賀地域ではできていないのが原因の一つか。

北野進さん(珠洲市在住、志賀原発廃炉に!訴訟原告団長)

  • 石川県・志賀町の計画がお粗末なのは、志賀原発の敷地内断層の問題が浮上し、敷地内断層が認められればそこでアウトということで、石川県・志賀町も、再稼働の日が来るかどうかもわからないという認識はあったかも。

  • 今回の能登半島の特徴は、家屋倒壊だけではなく、津波が来た、火災も起きた、大規模な道路損壊もあったということで、地震による災害が全部揃った。半島特有の問題もあり、避難も救出も難しいということが重なった。そういう複合災害を想定していなかったのは、志賀町・石川県含めてあると思う。

  • 毎年、原子力防災訓練を、2012年からは複合災害想定もやっている。震度6強の地震が起きて、原発事故が起きましたというところからの訓練だが、実際に震度6強の地震が起きたら、どんな災害が起きるのか、津波なり火災なり道路損壊、住宅倒壊も含めてあるということは全く想定していない。道路損壊は一箇所だけという非現実的な訓練をしてきた。「複合災害」訓練と言いながら、真剣に検討する気はなかったということを指摘したい。

  • 空の問題も指摘したい。石川県の防災訓練でヘリが登場するのは2カ所。一つは被ばくした住民が簡易除染で除染しきれなかった時に、県立中央病院への搬送するときにヘリが出る。もう一つは、孤立住民の避難。孤立住民の避難でヘリが使えるなら、今回、使って欲しいと思うが、結局、使えない。なぜかと言うと、着陸できる場所が孤立集落の中にない。結局、訓練でやっているのは、ある程度、距離のある学校に、集合してそこから避難するという訓練。それも破綻しているということが今回わかった。

意見交換:「緊急時対応」(避難計画)を誰が審査?

  • (氏家)深層防護がどういう経緯で内閣府になったのか。今日、参加していて思うのは、再稼働のための原子力規制委員会に対して、どんなことを言うのが有効なんだろうかというところ。

  • (上岡)第5層を原子力規制委員会の判断にすべきだという議論はあるが、私はしない方がいいと思っている。規制委に委ねると、結局、合格させしまう懸念がある。今の状態だと実効性のあるものができない。できないという事実の方が重要ではないか。

  • (青木)深層防護がどういう経緯で内閣府になったのかについて、当時の規制委員に聞くと、避難計画を入れるかどうかについての議論は、一人はあった、一人はなかったと。自治体に責任をもってやってもらった方がいいんじゃないかという話もあった。先ほど、規制委にやらせない方がいいんじゃないかという話があったが、その結果、内閣府の原子力防災会議で、これでいいですか、いいですねで終わって誰も審査していないという状況になっている。しっかりとした審査体制を、規制委員会ではなく必要ではないかと思っている。

  • (まさの)自治体がもし避難計画できませんということになれば、原発稼働できませんとなるので、現状では自治体が最後の砦になるとは思うが、自治体が機能しているかという問題はある。

意見交換:再稼働ありきの指針見直しを原子力規制委員会がするとしたら何を言えるか

  • (まさの)見直したとしてもボロボロな指針を、再稼働が前提の原子力規制委員会が見直す。そこに対して何が言えるのかという指摘。最後に一言ずつ。

  • (池田)指針そのものは、深層防護の5層というより、自治体の原子力災害の計画に対しての専門的な「指針」の範囲を脱していない。あれに対しては現実をぶつけていくしか仕方がないと思っている。スリーマイル島の事故を受けて1980年に防災指針ができた時から、災害対応で十分だということで出発したのが、そのまま原子力災害対策指針に精神が引き継がれているのが現状。そこに限界がある。石川県の体制は他の自治体よりも弱く、今後調べていく必要があるかなと思う。

  • (武本)実は、月曜日に規制庁が、柏崎刈羽に説明にくる。これは、3年前にID不正、核防護施設が壊れていたのを長年放置してレッドカードが出ていたのが、年末に解除されたことの説明。その際に、今日のような議論をして、原発が大事なのか、地域の住民の安全が大事なのか、根本的な議論をやって、多くの人が気付く、こういうことをやっていきたい。

  • (上岡)実際のところ、指針の見直しというタイトルで、どうするかというアイデアは出ないが、いずれにしても、もっと自治体がしっかりしてもらわないと、ということ。新潟だって、泉田知事(当時)がダメだといえばダメだった。自治体には原発があるとメリットがあるかもしれないが、今はもう、こういうことになったらもうお荷物でしかない。

  • (満田)今みたいな議論は重要だと思う。原子力規制委員会はお茶を濁そうとしていると思う。現実的な避難計画も指針も、絶対無理。ただ、わたしたちは大真面目に現実をぶつけていかなきゃいけないなと思っている。勉強会は頭の整理をする上で良いと思った。規制庁・内閣府に問題を突きつけるための場を設定しようとしている。自治体は大変。激甚災害でこれに原発が加わったらと思うとゾッとする。それを各地でも中央でもぶつけていくのが大事かな。

  • (吉田)2020年から1年間、原発立地自治体の避難計画の検証ルポを書くので取材に回っていたが、どの地域にもこの問題を長くやっていらっしゃる方がいて、頭が下がる思いで教えてもらっている。自治体にも仲間になってもらう、自治体職員も住民であり、福島でも大変な思いをされたと伺っているので、一緒に反対していくようなことができれば理想だと思っている。

以上が濃密なブレインストームとなった勉強会の中身の報告。

原子力規制委員会の現在地点

以下は、この日までの原子力規制委員会の動き。

1月10日、地震後初の原子力規制委員会では指針に関する議論はなし。定例会見で山中委員長は「木造家屋が多いようなところで屋内退避ができないような状況というのが発生したというのは事実」、「知見をきちっと整理した上で、もし災害対策指針を見直す必要がありましたら、そこはきちっと見直していきたい」と言明。

3日後、女川原発視察で、周辺自治体の首長らから、屋内退避について「長期に及ぶと物資枯渇や健康悪化のリスクがある」、「道路寸断などで孤立し、避難や支援を受けることができない」と問われ、山中委員長は指針を改善したいなどと回答(「原子力規制委が女川原発視察、女川町長らと意見交換」1月14日朝日新聞)。

17日の委員会で山中委員長は「能登半島の地震の経験を踏まえた防災対策等について」と議題にない発言をして(議事録P34)委員たちの発言を促した。

  • 視察に同行した杉山委員からは「能登半島の地震の経験を踏まえた屋内退避というものがそもそも成立するのかということ、それと孤立地域に対してどうやって対応するかというようなことの問題を提起されました」と報告。「原子力の問題だけが起こったときの話に備えればいいというものでは当然ないということを改めて今回、その点が浮き彫りになった」、「プラントの状態がどうであるということを、電力会社からの情報などから我々が判断し、かつ、モニタリングポスト等からの実際の放射性物質の放出状況」を踏まえた上でないと決められないと発言。

  • 伴委員は「屋内退避という防護手段を最も有効な形で使うために今の指針で十分なのか」「改めて議論する必要がある」。「プラントの状態を見て、屋内退避を要請すべきではないかということになってくると、この議論はEAL(緊急時活動レベル)にも跳ねてくる」「数ヶ月で結論を出すということにはならないかも」と発言。

  • 田中委員は「複合災害のときにどう考えればいいのかというのは大きな問題」と発言。

  • 石渡委員は「能登の被害を見ていると、とにかく自然災害が起きた場合の避難ということがまず大前提になっていて、その上で原子力災害が発生した場合にということを考えるべき」「今までの原子力災害対策指針はそういう方面の考えが少したりなかったのではないか」と発言。

これを受けて山中委員長は、「今回の能登半島の地域の状況から、原子力災害と自然災害の複合災害があった場合の屋内退避の防護の基本的な考え方に、特にこれまでと何か大きく変更する必要がないという皆さんの御認識だったと理解をしておりますし、私も同じように考えております。ただ、(略)屋内退避が開始されること、あるいは屋内退避をいつまで続ける必要があるのかということについては、これから屋内退避のタイミングあるいは期間に対する考え方など、再検討をした方がいいというところもある」と、1月10日会見での認識と見解からは後退した。

片山原子力規制庁長官が「論点はいろいろあろうかと思いますので」「事務方で整理した上で原子力規制委員会にお諮りして、ご議論を頂ければ」とまとめ、了承された。

【タイトル画像】

吉田千亜さん資料より。左「JARTIC(公益財団法人日本道路交通情報センター)のデータと志賀原発から30キロ圏内の地図を重ね合たもの(2014 .1.6時点)」、右「JARTIC(公益財団法人日本道路交通情報センター)のデータと柏崎刈羽原発から30キロ圏内の地図を重ね合たもの(2014 .1.6時点)」

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