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ほとけさまのおしえ「未病」

 最近「未病」という考え方が一般的になってきたように思います。

 高齢化社会になり、人生の最後の時期を「病気や介護」で過ごされる方が増えてきております。

 その期間をできるだけ短く、またできるだけ遅らせるために出てきた考え方です。

 殆どの方は(当たり前ですが)老いたり病気になったり、生命を早く終えたりしたくはないでしょう。

 なのでまだ若くて健康な時期から、将来のことを考えて、「病気にならない」また「病気をできるだけ遅らせて早く治療する」ように心がける事が「大切ですよ~」と言われるわけです。

 ここで大切なのは病気にならないように行動するのは「病気になる前」だということです。

 でもまだ元気だとついつい「病気につながるな〜」と思うようなこともしてしまいます。

 睡眠を削ったり、ジャンクフードを食べたり、運動を心がけなかったり、お酒やタバコを大量に嗜んだり、、、

 そしてそれが続いても元気なままだと、「私は大丈夫!」「俺には病気は関係ない!」と感じてしまうのです。

 でも生身の人間である私たちは、「歳を重ねて」いけばいずれは必ず「老いや病」の道を通らなくてはなりません。

 そして自分が老け込み病気になって、初めて後悔することも多いのです。

 それと同じように「自分の命が終わる」ことも本当に自分のこととして感じている方は実は少ないでしょう。

 それはなぜかというと、なんだかんだで、「今ここにこうやって生きている」からに他なりません。

 今日ある命は明日も明後日も、来月も来年もあると「考えたり期待したり」するものです。

 当たり前に訪れるであろう明日が、実は「平均台を渡るように危ういもの」だと感じる時になってはじめて、自分の命は「終わるのだ」と実感するのです。

 そしてその時になって今までの人生を振り返り、「後悔すること」も多くあるのではと思います。

 「未病」の今から日々の過ごし方に気遣うように、「未死」の今から人生の過ごし方に気遣える心持ちでいたいものです。


☆今日の一句☆

 この命
   明日は流れて
        どこへやら

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