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14 グリーフケア入門講座

2023年10月。一般社団法人日本グリーフ専門士協会が開講している無料のグリーフケア入門講座にZOOMで参加しました。


「グリーフケア入門講座」の内容は、「1 グリーフケアとは何か」「2 自分のグリーフの状態に気づく」「3 喪失体験後の心の変化を知る」。講師の他に参加者は私を含めて4名。他の参加者の方は、家族を亡くされた経験があるものの、ケアワーカーや葬儀、保険の会社に勤務されている方で、どちらかといえば仕事の上で勉強したいという方だったようです。


以下、簡単にまとめてみました。

「1 グリーフケアとは何か」

・グリーフケアの種類として、1遺族、2支援者として関わってきた人との死別、3ペットロス(家族の一員としてのペットを失ったとき飼ったことのない人には理解されづらい)、4災害の被災者(居場所や思い出、安心感、コミュニティの喪失)、5離別」(子どもの立場に立つと、母(父)を失うだけでなく、母(父)の愛情、子どもらしさ=甘えるも失う)「6 老い(体力、気力、記憶力の喪失)などがある。

・喪失による悲嘆反応(グリーフ)をどうサポート(ケア)するか寄り添うかが「グリーフケア」。何を失ったかどのように失ったかによっても寄り添い方は違ってくる。悲嘆反応は人によってそれぞれ。過去の喪失体験が癒されていなければ悲しみは長引くことが多い。

「2 自分のグリーフの状態に気づく」

・喪失を経験した自分の状態に気づくため、「社会」「友人」「家族」「過去」「自然」「思想」「故人」「未来」との関わりが現状どうなのかを5段階で数値化し、レーダーチャートを作成して把握する。

「3 喪失体験後の心の変化を知る」

・喪失を体験すると、「哀しみ」を中心に「混乱」「否認」「怒り・罪悪感」「抑うつ」「諦め」「転換」という局面がランダムに現れ、消えてはまた現れることを繰り返す。完全に「哀しみ」がなくなることはないがいずれ「再生」する。

・悲嘆の局面によってケアは異なる。よかれと思ってかけた言葉が相手を傷つけることもある。哀しみが長引くのには本当の理由があることも。人によって価値観や死生観も異なることを認識したうえで寄り添うポイントを探す。


「自分のグリーフの状態に気づく」というワークをその場でやってみました。「社会」「友人」との関わりは、仕事を退職していることもあり、少なくなっているので、努力してつながろうとしています。逆に「家族(子どもたち)」とのつながりは深まっていると感じています。「過去」については、思い出すと辛くなったり悲しくなったりする反面、懐かしい思い出や楽しい思い出を大切にしたいという気持ちもあり揺れ動いている状態でした。「自然」については、より感じるようになった気がします。多分、ちょうど1年間の闘病だったので季節が一巡したため、思い出も季節の変化とリンクしていることがその理由だと思います。「思想」については、宗教やスピリチュアルといったものに少し以前よりは関心を持つようになった気はしますが、大きくは変わっていないと思います。「故人」との関わりは、「亡くなってからも今までどおり心の中にいる」と思うようにしながら毎日生活しているので、「変わりない」と言えば嘘になるが、「変わらないように努めている」というのが良いのでしょうか。「未来」についても「楽しさを共有・共感できる相手を失い、生きていても仕方がないのでは」と思う反面、「故人はそんな自分を望んでいないはずなので、できることがあれば何でもやってみて有意義にすごさなくては」とも思います。


入門講座を受けてみての感想は、人によって大切なものは違うものであり、なくし方、過去の体験、現在おかれている状況によって感じ方や反応もそれぞれなのだから、みんなが自分と同じ感覚と考えてはいけないということでした。グリーフケアにとって、客観的に状況を見るということが重要だと学んだ講座でした。

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