見出し画像

OLD_ピボット前のアイデアに再挑戦(リーンスタートアップ実践記 chap.9)

前回の記事の通り、このままではサービスの成長は望めないと判断し、何回目かのピボットを決意しました。

ピボット現在のアイデアは、Meetyのような人をつなげるサービスでしたが、ピボット後の新しいアイデアは打って変わって「プロフィールアプリ」です。といっても、実は今のアイデアのピボット前のアイデアで、今回再挑戦することになります。

つなげるのではなく、つながるきっかけを作れないか?

現在のアイデアの反省点は山ほどありますが、そもそもTwitterユーザー同士を"つなげる"(通話する、実際に会うなど)ことをサポートするのはかなりハードルが高いことが背景としてあります。

元々、「ちょっと気になっている」くらいのユーザーをうまくつなげられないかという思想だったので、目的が顕在化したマッチングアプリなどとは異なり、顕在化しているニーズの強さはそこまで強くありません。
そのような中で、リスクを負ってまで関係性を深める必要はないよねという話です
。今のアイデアでは、そのニーズをうまく顕在化させることができませんでした。

これらを踏まえ、人をつなぐ部分ではなく、その前の「きっかけ」(まさに今のサービス名でもあります)をうまく創出すればよいのではないかという考えに至りました。

「つながるきっかけ」を考える

そこで、つながる初期段階となる「きっかけ」としてどのようなことが挙げられるか、これまでのインタビュー、そして自分の考えや経験も踏まえながら考えてみました。

特に、つながるきっかけとして価値があるにもかかわらず、現時点でその効果が発揮されていない、限定的なものに着目しました。伸びしろがある領域を狙えないかという考えです。

結局、「共通点の発見」がキーファクターではないかという結論になりました。何も特別なことはありません。

人によって社会的アイデンティティの捉え方に濃淡はありますが、たとえば地元が一緒であったとか、誕生日が同じとか、過去の実績、あるいは目指す目標が同じであるとか、そういったことです。また、常々考えていること、今感じていることなど、心理的な要素もその一つです。
類似性効果、ホモフィリー、様々な理論、研究結果から、人は自分との"近さ"を感じるものを好むということはよく知られているかと思います

そういった共通点が"きっかけ"となり、新たな関係が構築されたり、関係が深化することも多いことでしょう。Twitter上で「○○さんも(共通点)なんですか!?私も(共通点)なんです!!」みたいなやり取りから盛り上がっているのを見かけることもしばしばあります。

共通点を見つけることの"きっかけ"がなくない?

一方で、この共通点の発見は二つの問題を抱えています。

一つは、そもそも共通点にあたることをTwitterユーザーが自発的に開示していることが少ない点です。特定の興味・関心でつながる特性のSNSにおいて、必要以上に自己開示することを嫌う人も少なくありません。そのため、そもそも、「あなたも○○だったんだね!」という"○○"を知る機会が限定されてしまいます

共通点を見つけても、"つながり"に至らない

二つ目は、共通点を発見した後につながる(通話する、実際に会う等)ところに至るまでの道が険しい点です

たとえば、Aさん、地元同じじゃん!と親近感を持っても、思って終わりか、コメントして終わりです。それはまあそうだろうという感じですが、たとえば同じ悩みを持っているとか、同じイベントに行く予定とか、よりつながる合理性のある共通点もあるかと思います

これも結局、相手の気持ちがわからない状態では動けないのです。特にターゲットとしている比較的消極的な人であれば特に。共通点に感動しているのは自分だけかもしれない、相手に声を掛けても迷惑なだけかもしれない、そんなことが頭をよぎり行動に移せません

このように、つながるきっかけとしてポテンシャルのある「共通点の発見」ですが、そもそも共通点を見つけるきっかけがないこと、共通点を見つけてもつながるに至らないことが問題として存在します。

じゃあ、それらを解決するような、
共通点を開示し、つながる直接的なきっかけを提供する仕組みを作ればええやん!!!!ということで思いついたのがプロフィールアプリです。

問いからはじめるプロフィール

プロフィールアプリのコンセプトは「問いからはじめるプロフィール」、質問に答えて自己開示するスタイルです。
(問いからはじめるプロフィール、つながり生み出すプロフィール、にしようかと思いましたが、「プロフィール」がくどいのでやめました…)

問いから始める…それだとPeing, Querieと同じではないかという疑問が生まれます
しかし、これらのアプリの使い手の多くは、SNS上での地位が一定程度あり、質問されることを確信できるような状態の方が多いため、元々私がターゲットとしている「あまり積極的ではないタイプ」へのフィット率は高くないのです

そこでこのアプリでは、他者からの質問がなくとも、既に用意されている自己開示に最適な質問の数々に、ユーザーが自発的に答えることでプロフィールを埋める仕組みにしています。

こう語るのは本当に簡単なのですが、実際問題、なぜユーザーは質問に答えなければならないか、わざわざプロフィールを生めないといけないか?という点に答えなければなりません。
ここが決め手な訳ですが、これについては次回の記事でまとめていきたいと思います!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?