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約半年の定住を得て。

ここ半年間の間、いろいろありまして埼玉のとある田舎に定住していた。考えてみれば我々、大学を終えてからというもの、3ヶ月以上同じ場所に定住することがなく、初めての2人だけの定住生活。
なんとなくアパートを借りて、なんとなくバイトを始めてといった具合に、ユースワークやユースセンターなんてほぼ無縁の生活を送っていた。特にどこかへ旅行へ行くこともなく、何かを勉強するわけでもなく、旅をしていたのが嘘かのようなスローライフを送れるかと思いきや、暇なようで忙しい気がする、そんな毎日が気づいたらやや半年。毎週末は海外サッカー観戦に没頭し、気がついたらPS5が部屋にやってきて、フランスから友がやってきて、、娯楽には以外とお金がかかって、でも疲れたときには娯楽に浸るしかなくて、気がついたらベットで横になる時間も増えた気がする。でも何に疲れているのだろうか、そんなことを考える日々。
そんなこんなの定住生活に終止符を打つ時がやってくる。
なんとなく無気力のまま過ぎ去って行った時間が惜しくも感じるけど、幸せはたくさんあったし楽しくなかったというのは嘘になる。でも体や頭が思うように動くうちにできる何かがあるような気がする。そんな予感を与えてくれる良い期間だった。
なんとなく進んだ約半年は、厳しい時間設定の中で敷かれたレールを走り去っていく新幹線のような日本社会に埋もれた若者の姿そのものなのかもしれない。いい意味でも悪い意味でも、ヨーロッパを旅していたときの熱意は中途半端に失われた。振り返れば、日本を2ヶ月ほど旅するあいだに、ポロポロと欠けていくかつての自分たちがあった気がする。そのときは少し旅疲れを起こしていたのだと思う。
定住を始めたときは嬉しさとワクワクしか無かった。普通は旅が始まるときにそういう感覚なのだろうけど、、2人でのプライベートが邪魔されない定住が新鮮だった。
冷蔵庫やレンジみたいな家具が無かったから、買い物はその都度行く必要があったり、あったかい時期は作り置きできない、部屋の壁は薄っぺらで冬は高頻度で出動する救急車に起こされる、みたいな不便もあったけど、それも楽しめた。外に出て散歩をすれば、地域の方の目に触れる機会も必然的に増え、新たな知り合いにも恵まれた。バイトも地域に根付いた飲食店で、暖かく迎え入れていただけた。散歩で見つけた地域のサッカーサークルの活動に混ぜてもらうこともできた。本当にありがたい日々であった。感謝はたくさん溢れてる。
そんな定住生活もあとちょっと。プライベート空間でダラダラできるのもあとちょっと。インターネット環境が常にあるのもあとちょっと。食事を自由に作れるのもあとちょっと。毎日決まった布団で寝れるのもあとちょっと。あとちょっとがたくさんあるけど、いつでも崩壊する可能性のあるあとちょっとを噛みしめながら、日本での残りの日々を楽しんでいきたい。
もう少しだけこんな生活を

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