見出し画像

ビオディナミとシュタイナー


発酵とワインにも書きましたが
今回はビオディナミについて。
ナチュラルワインが好きな方は聞いたことがあるかもしれません。

ビオディナミというのはナチュラルワインの葡萄栽培方法のひとつなんですが、その前に
まずナチュラルワインとはなんぞや。から


ナチュラルワインの条件

ナチュラルワイン(自然派ワイン)と呼ばれるものは
いくつかの定義があります。

大前提として、栽培から醸造までを極力化学肥料を加えず、除草剤も使わずになるべく人の手を加えず、その土地の個性を引き出すワインのことを指します。

醸造の条件には

▪︎酵母を足さないこと
葡萄栽培方法では①〜③を経ないと天然酵母はつきません。
添加されたものではない、その土地に寄生する
天然酵母で発酵します

▪︎濾過しない

葡萄の果皮までを含むのが自然派ワインには多いです。
(生産者によるが、基本は無濾過)


3つの葡萄栽培方法


葡萄の栽培方法には3つの条件がありその栽培方法や醸造に特徴があります

ビオディナミは、そのうちのひとつ。
①ビオロジック→循環農法、有機肥料であること
②ビオディナミ→天体や月の満ち欠けを元にした
カレンダーに合わせた農業

③自然農法→肥料を与えない、放置農法、野生に近い農法


ビオディナミとは



英語だとバイオダイナミクス農法といいます。
ドイツの哲学博士、シュタイナーが確立した人智学(アントロポゾフィー)という哲学に基づく農業方法。

人智学は農業の他に、教育、医学、薬学、社会学、建築、芸術、自然科学などあらゆる分野で実践されています。

シュタイナーは人の名前


シュタイナーについては、先に教育の分野で
知ったので、10年越しにまさかナチュラルワインで繋がるとは驚きでした。

シュタイナー
[Rudolf Steiner]1861-1925年 哲学博士
自ら創始したアントロポゾフィー(人智学)を広めるべく、スイスのドルナッハに自身で設計したゲーテアヌム(人智学協会の集会所、劇場)を建設し、活動の拠点とした。1925年に64歳で没

0〜7歳を大切にする
シュタイナーの子育て

宇宙があるから太陽や地球があり、
植物が育ち、わたしたち人間も生きることができる…
人智学では、この世界にあるもの全てを関連づけます。


ビオディナミには
種まきカレンダーがあり、毎年宇宙のリズムに合わせて作られます。
宇宙のリズムと言うとただただ怪しいですが、
具体的には潮の満ち引きに関係する月の引力が土壌に与える影響を考慮しています。
太陰暦を元に、カレンダーは作られ、
果実の日、葉の日、根の日の3つに分け、
ワインは果実の日に作業します。

特徴的なのは
プレパラートという植物や牛糞、水晶など8種類の自然の物質を攪拌したものを撒き土壌を育てます。
例えば、牛の角の中に牛糞をつめたものを秋から冬の間に土の中に埋める、など。


シュタイナーはわたしにとっては教育から入ったのですが、教育では人の成長を7年周期で捉えているところもロジカルで面白いと思いました。


土壌を育てることと、人を育てることは似ていて
生まれた状態で人間は個性を持っていると考えられています。ナチュラルワインの特徴でもある、
その土地には個性があるというのも頷けます。


例えば病気になったとしたら患部だけではなく
その原因、食べ物を見直したり
体質を改善する、という視点は
東洋医学と西洋医学の違いにも似ているし
人間は自然の一部であるという
アーユルヴェーダの世界観ともリンクしますね。


色々と知ると楽しくもありますが、あまり難しく考えずに、料理とのペアリングを楽しんでみたり、
味覚と嗅覚で体感できるのがナチュラルワインの魅力だと思います。


お読みくださりありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?