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「おかえり」って、あったかい。

わたしはいつも、作業着に長靴、ヘルメットというスタイルで、自分の桑を自転車の後ろに括り付け、週2回、9km先の村までチャリで爆走している。
今のところ、同じようなムズング(外国人)は、自分以外に見たことない。(笑)
こんなことを半年以上も続けたら、現地の人も、この変人ムズングに慣れたのだろう。
最初は「チャイナ!」「チンチョン!」と揶揄されることも多かったが、
最近はみんな口を揃えてこう言う、「Kulikayo! (おかえり!)」と。

9km先の村の道中では、そのへんに通りかかったバイクのおじちゃんに、「メイ~!Butuntumula(村の名前)に行くのね~!」とわたしの行動を完全に把握されており(多分JICAの安全管理的にはよくない(笑))、
目的地の村に近づくと、「Kulikayo! (おかえり~!)」と言われる。

わたしからしてみれば、むしろ家からだいぶ離れた場所に「やってきた」という気持ちなのだが、
なんだかこの「おかえり」という言葉が、他のどんな挨拶よりも、現地の人から受け入れられている、自分も村の一員になれたような気がして、とってもあたたかい気持ちになる。
だから、わたしは得意げな顔で「Nvudeyo! (ただいま!)」と返事をするのが、いつものお決まりである。

驚いたのは、更にその村の先、家から20km離れた村にて。
さすがに往復フルマラソンの距離はチャリではきつい、そして職種はトライアスロンでもない、だからいつも車を使って行くのだが、そこでも「おかえり~!今日はチャリはないのか?」と聞かれたことがあった。
わたしはその村にチャリで来たことはないのだが、現地の噂は怖いもので、居住地の20km先までわたしがチャリガールである情報が入っていたのにはさすがに驚いた(笑)

そして、本当の自分の居住する村に着くと、そこでももちろん、「おかえり~!」「ただいま~!」のやりとりがあり、帰宅するのが一連の流れだ。

目的地に向かう/帰る道中でも、
自分が住む村でも、住んでいない村でも、
「おかえり」という言葉は「その人を受け入れて迎え入れる」
どんな挨拶よりも、あったかい言葉
だなあと、
「おかえり」という言葉が、今まで以上に好きになったのでした。

だからわたしも忘れずに言おう、
もし日本に帰って孤独な思いをしている外国人の方が近くに住んでいたら、

「おかえり~!」と。


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