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人と人とは

ペルーに来てからまもなく二年。こちらで働き始めてから一年経った。一年前はまさか世界がこんな風に変わるなんて想像もしていなかった。ペルーでは三月中旬からロックダウンが始まり、六月末まで継続する予定だ。今は段階的に経済活動を再開させているところであり、少しづつ日常が戻りつつある。以前のように騒がしい車のクラクションが聞こえてくるようになった。それでもまだ私は家から一歩も出ずに毎日を過ごしている。これからどうなっていくんだろうか、、、

今日以前の会社の先輩達とオンライン飲み会をした。と言っても、時差が14時間あるので、私は朝6時半からコーヒー片手に参加。画面越しでも懐かしい面々に会えてとっても嬉しかったし、変わらず温かい人たちで本当に心が和んだ。今の会社で寂しいなとか、つらいなと思うことは同じ環境の仲間がいないことだ。日本人駐在者の方々にはとても良くしていただいているし、何の不満もない。でも、軽口を叩けるような間柄でもなく、仕事の悩みを気軽に相談できる関係でもない。一方で、ペルー人の同僚達の中には、何人か友達と呼べる存在ができた。でも、やっぱり私は所詮外国人なのだと思ってしまう。一対一での会話は問題なくても、グループで会話がヒートアップしていくと完全にお手上げ。私の拙いスペイン語力では100%彼らの会話についていくこともできないし、彼らもそれを求めていない気がする。

今日その話をオンライン飲み会でしてみた。「仲間がいなくて寂しい」と。そしたら、「今職場にはそういう仲間がいなくても、今でも私達仲間とつながってるんだから」と言われて、目から鱗だった。そりゃそうだ。ペルーに来たからって、転職したからって、私がこれまで築いてきた人間関係はゼロにはならない。全てを維持していくのは難しくても、今でもちゃんと仲間と呼べる人たちがいる。それに、その仲間と呼べる人達は、たった一年やそこらで築いたものではない。十年以上彼らと一緒に悩みながら一生懸命働いた結果なのだ。心から仲間だと思える存在は、言葉も文化も違う中で簡単にできるものではないのだ。そんなことも分からなくなるほど、日々の生活で疲弊していたのだろうか。

今回のコロナでソーシャルディスタンスなんて言葉が出てきたけど、オンラインミーティングが身近になったおかげで、国が違っても気軽に画面越しで会えるようになった。もっと前からやればよかったのにとも思うけど、それは結果論。実際に会えなくても、どんなに離れていても、思っているほど心の距離が遠くなる訳じゃない。仲間がいなくなる訳じゃない。私は一人じゃない。それに改めて気づかせてくれた先輩達に感謝。そして、いつかまた近いうちに会って、思い切りハグができる喜びを分かち合えますように。




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