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抗がん剤治療から生き抜いた猫の物語

うちの猫は世界一かわいい。
猫の飼い主なら、みんなそう思いますよね。

世界一かわいい猫が世の中には何億匹もいる。
そう思うと微笑ましいですね。

我が家の猫(龍馬)は、10年前に生まれ、私がはじめて飼った猫でした。
うちに来た時、世界一可愛い存在だなと思いました。
そして、この子を死ぬまで守り続けなければならない!というプレッシャーも同時に感じました。
必要以上に気負いすぎたせいか、数日腹を下したくらいです。


赤ちゃんの頃は二頭身くらい笑

人懐こくて、甘えん坊で、お笑いキャラ。
いま10歳になり、すっかり落ち着いてしまい、お笑いキャラを封印してしまいましたが、それでも10年前からずっと可愛さを更新中。
ペットを飼ったことがある人ならわかると思いますが、一緒にいる時間が長くなればなるほど、どんどん好きという気持ちが増していきますよね。


一緒に育ったラグドールと二匹同時に飼いました。この子も世界一可愛い。

わたしは猫を飼って「ああ幸せだなぁ」と心の底から思えるようになりました。
こんなに可愛らしい生き物が、自分に全力で甘えてきてくれて、愛されているなと感じます。動物は人間みたいに演技をしないので、純真でまっすぐな愛を感じます。

子供のいない私たち夫婦にとって、この二匹の猫は子供と同様に愛おしい存在でした。
猫と一緒にいる時間を大事にしたいので、楽しみのひとつだった毎年一回の旅行もやめました。


我が家のお笑い担当でした

元気がよく、まったく病気にもなる気配がなく、スクスクと成長しました。
もう一匹は、アレルギーなど病気しがちでした。

5歳を過ぎて、そろそろペット保険に加入しようかな?と検討していましたが
「健康そうだし、いま出費を抑えたいし、まだ先でいいか。6歳からでいいや。」
と問題を先延ばしにしていました。

今にして思えば、ここが悲劇のはじまりでした。

人が好きで、初対面のお客さんにも挨拶へいきます

5年前の夏は、異常に蒸し暑い夏でした。
そんなある日の夜、猫の息が荒いことに気がつきました。
猫も蒸し暑くて大変なんだな〜と、クーラーをかけて過ごしました。
実はこの時、少し不安だったのですが、ただの気のせいだろと自分に言い聞かせていたように思います。

何日か後、猫の呼吸が前よりも速くなっているように感じたので、一分間に何回呼吸しているか測ってみたところ、50〜60回くらいでした。
もう一匹飼っていた猫の倍くらいのスピードで、さすがにこれは放っておけないぞと、ネットで猫の呼吸回数を調べるとやはり倍くらいの呼吸回数で、異様な速さだとわかりました。激しく動揺しました。

この頃、こうやって横になりがちでした。呼吸が楽になったのでしょう。

これは暑さが原因なんかじゃない。
しまった!病院へ連れていくのが遅かった!

妻に相談しました。これは絶対におかしいよねと。
一刻も速く病院へ連れていこうと。
妻はいまにも泣き出しそうな表情でした。
翌日の朝、仕事そっちのけで動物病院へ連れていきました。

ケージの中で苦しそうに、口を開けて呼吸していました。
猫が口で呼吸するなんてはじめて見ました。

大変だ、どうしよう神様お願い助けて!

無神論者の私が神頼みしました。
私はこの猫を信じられないほど深く愛しているのだと気づきました。
この苦しみ自分が引き受けてあげたら、どんなに良いだろう・・・

先生に見てもらい、すぐにこれは早くに処置が必要だと伝えられました。
レントゲンや採血をしてもらい、動物病院の先生に伝えられたのは、
悪性リンパ腫という病気でした。

つまりガンです。

目の前が真っ暗になりました。
いまでもこの地の底に落ちたような感覚は忘れられません。
とんでもないことになってしまった。

そんなぁ・・・
うちの龍馬は、まだこんなに若くて、可愛くて、いい子で、何も悪いことしていないじゃないか!
なんでこんな酷い病気にならなきゃいけないんだよ!!


愛想がよくて、みんなに愛される子です

先生からは、生き延びるためには抗がん剤治療をすぐにやらなければならないと言われました。
もうすでに、かなり危険な状態だと。
そして、この病気から生存する確率は低く、治療しても数ヶ月生き延びるかどうか。
「治療費がかなりかかるのを覚悟してください。どうしますか?」
と決断を迫られました。

わたしは、迷わず抗がん剤治療をするようにお願いしました。
少しでも望みがあるのなら、賭けたいと思いました。
先生はキリッとした顔で
「わかりました。すぐに決断してくれて、よかったです!頑張りましょう!」
と返事してくれて、ただちに抗がん剤を手配してくれました。
その時の先生の態度を心強く感じたものです。

呼吸が速くなり、ほとんど横になっていた

抗がん剤は、薬の在庫の都合で、その日すぐにはできず数日後にやることになりました。
そして、いますぐ酸素ハウスをレンタルするように伝えられました。
業者のチラシを渡され、家に帰りすぐに電話して取り寄せました。
レンタル料が1ヶ月で2〜3万円と送料が別にかかりました。
普段なら手痛い出費のはずが、どうでもいいやと思いました。

この日のことは、生涯忘れることができないと思います。
本当につらい経験でした。
動物病院から帰り、やることを済ませて落ち着いたら、
しばらく涙が止まらなかったです。

心の底から愛する存在が、いままさに重い病気で死にかけている。
こんな経験で正気でいられるわけありませんよね。

でも、自分がしっかりしていなければ、猫のことを助けることができない。
だから、メソメソモードからバトルモードへ切り替えました。

翌日には、酸素ハウスが届き、さっそく猫を入れましたが、とても滑稽で可哀想に見えました。
「こんな思いにさせて、ごめん」と思いました。


酸素ハウスにはいる龍馬

癌治療と正面から闘いました。
抗がん剤治療で、お金が飛ぶように出るわ、精神的にも疲弊しましたが、ちょうど4年で終わりました。

あれから5年。
もって数ヶ月の命だと言われた龍馬は奇跡的に生きています。

わたしはこの4年にわたった治療(約一年前に治療は終了)とその間にしてきたことを、同じような境遇の方に希望を持ってもらうために、このnoteをはじめました。
現実的に癌治療で知ったおくべき、役立つことを伝えることができます。
私の経験してきたことは、おそらくネット上には載っていない唯一の情報です。

この経験を経てわかったことは、ただただ受け身で過ごしていては、猫と飼い主は●●●●(後に述べます)に食い物にされてしまうという残酷な現実です。
だから、だれかのアドバイスが必要だと思ったのです。

治療中は毛がバサバサになったり、ヒゲが抜けたりした

私は食い物にされたことが悔しくて、いろいろな人にこの現実を知ってもらいたくて半年前にブログに書き綴りましたが、誰も読んでくれませんでした。

なぜなら、どんなに役に立つ良い記事を書いても、医療や健康の情報はGoogle検索に全く引っかからないからです。
だから、noteを使ってみることにして、Xも併用することにしました。
広告も使う予定です。

莫大なお金を治療費に使ったことを憐んで欲しいために、noteを書いているわけではありません。
いままさに猫の癌で悲しんでいる人、どうしたら何をしたら良いのか心細い人、そんな人たちに、自分には希望を与えることができると思っています。
誰よりも不安を和らげることもできるでしょう。

5年前の何も知らなかった絶望していた自分へ宛てるつもりで書きますので、嘘偽りは一切ありません。


追伸
現実的な問題として、この5年、治療費がとてもかかり大変でした。
もしペット保険に入っていない人がいたら、いますぐ入るべきです。
ある日突然、重篤な病気にかかる可能性があります。
具体的な金額まで把握していませんが、私は200万円以上支払いました。

猫を飼っている友人が何人かいますが、保険に加入している人はあまりいません。
保険料の何十倍ものお金が余裕で飛んでいきます。
猫の癌治療は、本当に飛ぶようにお金が出て行きます。
爪に火を灯すような思いで貯金したお金が、一気になくなってしまいました。

猫の癌が発覚した直後、もう一匹の猫をペット保険に加入しました。
癌治療を全額負担だと何百万もの大金がかかります。
いろいろ保険がありましたが、比較して検討した上でe-ペットにしました。
(加入した最大の理由は、年間60万円まで補償という金額が、年間の癌治療の金額とほぼ同じだったからです)
ペット保険にはいろいろありますが、みなさんの都合にあうペット保険を探してみてください。

たまたまこの記事を読んだペット保険未加入の方は、ラッキーだと思います。

もしあの時、治療しなかったら、確実に私の猫は死んでいました。
抗がん剤治療には問題もありますが、あの時に治療したことは正解でした。

本当に酷い話ですが、犬や猫のペットが癌のような重篤な病気にかかるようになっています。
それはキャットフードであったり、ワクチンなどの医療行為であったりするわけですが、長くなりますので別記事で詳しく説明します。

もし、まだ保険に入っていない方は、早くから保険には入っておきましょう。
私のように何百万円も全額自己負担するのは本当に苦しい。
わたしのような辛い経験をしないで欲しいと思います。

耳が立っているタイプのスコティッシュです。

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