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“ロス”

こんばんは。
新人作家のみおさんです。

ほぼ週刊note、今回は作業用BGMその2のつもりでしたが、それはまた次回に持ち越します。


来る6月5日(日)……ぼくは八王子にいました。
J:COMホールで開催された「SHOW BY ROCK!! 3969 Festival~10th Anniversary~」に参加するためです。

SHOW BY ROCK!!(ショウバイロック 以下:SB69)とは、サンリオのキャラクタープロジェクトで、スマホアプリのリズムゲーム、アニメ作品を中心に、ミュージカル、漫画など様々なコンテンツが展開されています。

3969(サンキューロック)はSB69の声優、タイアップバンドが出演するライブコンサート。
2015年から毎年開催されていて、出演者数、動員数、開催時間の長さなど、SB69のイベントの中でも最大級を誇ります。
2020年、2021年はコロナ禍のためリアルライブイベントは実施できずオンライン開催だったため、3年ぶり、そして10周年記念ということで、我々ロッカー(SB69のファンの呼称)の気合いは並々ならぬものでした。


なんで急にゲームのライブイベントの説明を始めたかというと、ぼくはこの3969に参加して、所詮“ロス”の状態に陥っており、原稿が手に付かないほど情緒が乱れておるからです。
吐き出してしまわないと原稿が書けない!
極めて切実な状態なのです!

故に、聞いていください。


SB69のはもともと、サンリオの顧客として取り込めていなかった10代~20代の男性をターゲットにしています。
当時まだ主流ではなかったスマホアプリのリズムゲームにいち早く参入したものの、アプリ戦国時代になると今度は少々時代に乗り遅れ、ゲーマー諸君からは「ちょっとレトロなデザイン」と評されたりして、初代アプリは2019年末にサービス終了。
現在のアプリは2020年3月にリリースされた二代目です。

リズムゲーム開発の初期段階で「音楽を届けるためのプラットフォーム」という構想があり、インディーズミュージシャンに声をかけ、ゲーム内でプレイ楽曲として使用。
楽曲提供アーティストをモデルに、サンリオがキャラクターを描き起こすという、現在に至るまでのSB69の独特のスタイルが確立されます。
これはタイアップバンドだけでなく、特に二代目アプリ「SHOW BY ROCK!! Fes A Live」以降に登場したオリジナルバンドでも顕著な造形方法で、声優さん本人じゃないかと思うようなキャラクターがゲームの中に存在しています。

魅力を語ると長くなるので、また別の機会に。

SB69との出会いは2014年頃。アプリリニューアルの情報を知って、なんとなくプレイし始めました。
その後サンリオのインタービュー記事を読み「音楽を届けるためのプラットフォーム」という言葉に、いち音楽ファンとして大変感銘を受け、より一層大好きに。
現在にいたるまでSB69を通じて新しい音楽と出会わせてもらっています。

ぼくは20代の半分以上引きこもり状態だったので、SB69と出会ったのは、さすがに働かないといかんと社会復帰を目指し始めた時期でした。
まったくの偶然ですが、SB69はぼくの社会復帰の歩みと共にあった。

3969の前身となった「アニメ化記念ライブ」と最初の3969は、当時バイトしてた飲食店で休みが取れなくて行けなかった。

翌年、派遣社員として事務仕事を始めると、有給休暇なるものを取得できるようになった。
以前働いていた会社では、有給どころか休暇も、毎日の昼休みも存在していなかったので、生まれて初めて有給を取って参加した2016年の3969は忘れられない。
「今、遊んでるのに給料発生してるの!?」
と叫んで友達に笑われた。

それから毎年必ず、夏の一大イベントは3969になった。

三浦海岸での3969 OTODAMAが台風直撃で中止になり、ロッカー仲間とTwitterで「OTODAMAのために用意したもの」の写真を見せ合った。
ぼくは普段絶対に買わない、SPF50+++の日焼け止めの写真をUPした。

ミュージカル公演期間と3969の開催が被り、ぼくは3969優先のため朝からグッズ列に並んだか、大半の友人は天王洲アイルから新木場に全速力で大移動していた。

初期は深夜0時に受付解禁になるチケットの先行販売があり、注文可能数は1枚のみ。
友人と連番などできず、それぞれ早い者勝ちでチケットを取って、現地集合だった。
結局最近のホールイベントでも連番はあまりせず、でも、現場に行けば友達が必ずいる。会った人と適当にご飯を食べて、バラバラの席でライブを楽しむ。

意識してこなかったが、SB69は、3969は、ぼくのワイフワークになっていたのだ。

コロナ禍とほぼ同時にぼくの作家人生がスタートし、外出自粛が叫ばれる中、PCのキーボードを打って過ごした。
執筆時間を捻出するために、ゲームのプレイ時間は一時期ほとんどゼロになった。
それは別に、無理して我慢していたわけではない。自然の流れでそうなったのだが、久しぶりに大好きなMIDICITYの音楽に直接触れて――そう、直接。
音は、現場で聞くのと、録音と聞くのではまったく違う。会場内でも、最前センターで聞くのと、端の方で聞くのでは違う。
人によって聞こえ方も違う。
あの日、あの時、ぼくが聞いていたのは、世界でぼくだけしか聞けない音だった。


冒頭に、原稿が手に付かないと記したが、書きたくないわけではない。
自分の作品よりゲームやりたい、というわけではない。
書きたい。
できれば、書いたものが爆売れしてたくさん儲かりたい。
そしてその金でガチャを回すのだ。

だから、ここで吐き出して、明日はがっつり原稿に身を入れたい。

ぼくの師匠・鈴木輝一郎先生が「小説は情報を得るためではなく、感動するために読むもの。そのためには、著者自身が何かに感動しなければならない」とおっしゃっている。
もう口を酸っぱくして、1回の講座で3回は言うレベル。
おそらく、小説や娯楽作品の本質の一つなのだ。

先生、ぼく先日、とっても感動しました。
涙を流して感動しました。
マスクの淵がベショベショになって冷たくなって、交換しなきゃと思ったけど、ライブで熱くなってすぐ乾きました。
OS1を1リットル持っていったけど、自販機で買い足しました。そのくらい汗も涙も流しました。会場のポカリと水は売り切れていたので、桃の味の水を買いました。


だから、なんかできる気がする。
ちゃんと頑張れる気がする。
明日から本気出します。


プロジェクト立ち上げ秘話などについては、下記インタービュー記事から抜粋。
ぼくの大好きなおはなしです。


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