あなたは心の声が漏れたことはありますか？
彼女との出会いはまさにそうでした

季節は夏、昼下がりの時間帯
京都市内のとある交差点に徒歩で向かう俺
進行方向の歩行者信号は赤
同じように信号待ちする数人

その中にまるでひまわりのように
鮮やかな黄色のワンピースを着た女性がいた

いわゆるバックシャンというやつか？

オシャレな感じはあるけど
ご近所の人か？
それとも観光客？

5cm程度のヒールを履いた足首はキュッとしまっている
ワンピースの下に見える脹脛は若干細めに見えるが筋肉質って感じだ
下に垂れていないと思われる安産型のお尻とくびれた腰

交差点で横に並んだ

横目で彼女を見た時真っ先に目に飛び込んできたのは胸だった

「ええ乳してんなぁ」

そう、この言葉が漏れ出た心の声だった

咳払いが聞こえた
目線を上げると彼女が睨んでいた
心の声が届いてしまった

見ず知らずの男に
「ええ乳してんなぁ」
と言われて驚いたり
怖くなったりしたことだろう

睨まれても仕方がない
小さな声で「すみません」と言った

信号が変わり皆が歩き出したが俺はその場に留まった
彼女も先に行ってしまったが、睨んだ顔が美しかった

歳の頃なら70歳前後
小さな顔にパッチリした目

若い頃は女優かアイドル、宝塚かもしれない
年齢的には松竹歌劇団もありだな

なんて想像を逞しくしても有り余るほど素晴らしい女性だった

ここまでが最初の出会い
実はこの後も何度かお目に掛かることになるが、決して知人・友人の間柄ではなく単なる顔見知りの女性にしか過ぎない

彼女にとっては気持ち悪い爺さんという印象だったろう
もう覚えてないだろうけど

ヘッダの画像とご本人とは一切関係ありません

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