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山椒魚の卵嚢と葦の刈払い

平日の都内勤務の疲れは、週末の谷津田で癒やしている。今日は、長靴履いて田起こし前の泥に浸かり、刈払機を振り回しながら無心でススキや葦の枯野を刈った。

再生した谷津田で

まあ、土の匂いを嗅ぎに来たようなものだ。

上流の溜め池に残っていたアカガエルの卵塊

谷津田整備のメンバーによると、先週この付近で3匹目のアライグマが駆除されたそうだ。今年は例年よりアカガエルの卵塊数は減っているそうなので、アライグマによる卵塊の捕食の可能性が高いようだ。

トウキョウサンショウウオの卵嚢

メンバーの一人が田んぼ横の水路でトウキョウサンショウウオの卵嚢を発見。本来は2つでペアになっているのだが見つかったのは1つだけ。また、卵嚢の中の卵を見ると白くなっているのが目立ち、孵化しない可能性も高そう。ただ、実際に滅多に見られないものを見ると嬉しい気持ちになった。

それにしても、先週の平日は仕事量が多過ぎて、朝、弁当作ってオフィスに行っても、昼休みに皇居東御苑を散歩する余裕が無く、仕事の後に美術館に立ち寄る時間も気力も捻出できなかった。

社員食堂で弁当を広げながら東御苑の大手門を望む

週末の肉体労働は、良い気分転換になる。今日は初めて刈払機で葦刈りをした。昨年、安全講習は受けてはいたものの実務は初めて。怪我をしないように慎重に操作するつもりが、実際に硬い葦を刈るとなると、なかなかうまくいかず大振りに。倒れている葦にうまく刃が入らず、刃を傾けようと、つい手に力が入り肩も凝った。今回、顔面の防御はマスクと帽子のみ装着したが、やはりツバ付きのヘルメットと防護メガネは装着すべきだった。跳ねた破片が何度もツバに当たり、1度は目の近くにあたり結構痛かった。

時間切れで左端は刈れず終い

刈払い作業は作事故防止の為、2時間で切り上げ。振動工具は使ったあと、しばらく手が痺れたようにヒリヒリする。操作している間は夢中だったが、あっという間に時間切れ。気がついたら予定時間を超過していたという感じで、きちんと時間管理をしないと、疲労から重大事故に繋がりそう。本当に危険だ。

谷津田整備は、自然観察好きが集まる場でもあるので、休憩時間に植物や生き物についてあれこれ教えてもらえるのが楽しみ。白い花を見つけ聞くと直ぐに答えを教えて貰えた。

タネツケバナ、乾いた土手に咲く

タネツケバナは、稲の田植え準備において、「種(籾)を水に浸ける時期を知らせる花」という意味。農耕に根ざした生きる知恵を思わせる名前に納得。昔はこの花を暦代わりの1つにしていたのでしょうね。

隣りに、葉を出したツリガネニンジン

元気な葉を見つけ、こちらも詳しいメンバーに聞くと「ツリガネニンジン」とのこと。名前の由来は根の形が朝鮮人参に似ていて、花の形が釣り鐘に似ているから。葉だけ見て良く分かるものだなと思いつつアプリやウェブサイトで確認すると、ビンゴだった。

さらにシュンランを見つけたという別の人に導かれて道端から少しだけ林に分け入ると、可憐な花や蕾を発見。

シュンラン(春蘭)の花

谷津田での作業終了後、里山保全地に場所を移し、先週の続きで少しだけ竹工作。温かい陽射しを受け、カエルやホトトギスの鳴き声を聞き、春の到来を間近に感じながら。

作成中のタチカマド。締付けが足りずまだグラグラ

昼寝の時間だが、オタマジャクシが寝ていた

日向ぼっこ中のオタマジャクシ

ナラ枯れ対策の伐採はだいぶ進み、切り倒された樹の輪切りがあちこち散在している。

中には上部を削ってベンチになっていた

天気に恵まれ、振り返れば振り返るほど、いい気分転換になった日だった。

昼時の谷津田を溜め池から望む

〈今日の一句〉
  葦刈りて 啼く蛙見ぬ 昼寝時
(季語)蛙(かわず):春