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2023年、営業一筋の僕がCSやってみた

こんにちは、株式会社ベーシックのthe_mochidaです。ferret OneというBtoBマーケでリード獲得を支援するツールの開発・提供をしています。

気づけば10年ほど所属しているので社内ではかなりシニアになってきていますが、常時挑戦する環境を与え続けてくれる社長をはじめとした会社のみんなにはとても感謝しています。

また最近、オープンワーク社の調査により発表された、中途入社者が選ぶ『社員の士気が高い企業ランキング』にランクインできたということで、会社へのエンゲージメントが高いのは僕だけではなく他の社員も同じように感じていることが客観的にわかりとても誇りに思っています。

働きがい研究所 by openwork より抜粋

僕の社内でのメインミッションは「どうにかして売上を増やす」です。
直近数年間は、アライアンス、エンタープライズ、リファラル、クロスセル、ノーコード協会、などなど枠にとらわれない手法も含めて売上をどうやって増やすか?という問いに向き合ってきました。

その流れの中で2023年は、既存顧客からの売上をどのように増やすか?がメインテーマのひとつでした。特に1-6月はCS組織にどっぷり浸かり、既存のCSメンバーのみんなと挑戦したのですが、結果として前半期比較で200%以上の数値になりました。本noteではその過程を共有したいと思いますので、エクスパンションをミッションに置くCSの責任者の方などに参考になれば幸いです。


2022年までのCS

事業フェーズが変わると共にCSのあり方も飛躍的に進化してきたという前提で、2022年まではとにかく「整えること」を重要視していました。社内でいえばモニタリングすべき数値や、隣接する部署との役割整備、引き継ぎルールの制定、など。対顧客でいえば、オンボーディング時になにをどういうステップで進めることが最適なのか、汎用化させるにはどのエッセンスを抽出すべきか、顧客対応の品質担保はどのように実現すべきか、顧客の成功をサポートするための最適な体制はなにか、などなど、日常業務のあらゆることを整備し尽くした数年間でした。

整備がひと段落した次なる課題は、「顧客への提案」でした。定例で頻繁にマーケ数値など会話しているものの、顧客から「◯◯の施策をやりたいから見積もりをください」と言われるまで提案活動自体ができていなかったのです。ただそれでも一定の売上が上がっていたので、

提案ができるようになればうちの売上は上がる→顧客のマーケ施策は加速する→成果も出やすくなる→成果が出れば解約率はもっと下がる

という顧客にとってもうちにとっても伸び代しかない状態でした。
そのため、攻撃は最大の防御(CSとしての表現では微妙なのですが)だということで本格的な提案活動への挑戦がスタートしました。

取り組み1:提案先の拡充

提案をするには提案先の確保が優先、ということで提案先のクレンジングからスタートしました。
ferret Oneでは伴走支援プランがあり、このプランに申し込んでいただくと毎月の定例MTGでアドバイスをしながら一緒にマーケを実行していきます。しかし、プランに申し込んでいないと定期的に会話する機会がないため顧客の状況把握がとたんに難しくなってしまいます。

全ての顧客をサクセスに導くためにもここはまず話を聞きに行くべきだ、困っていなければいいが困っているなら解決策を一緒に考えたい、ということで定例の場がない顧客に連絡し「最近どうですかMTG」の設定をし始めました。

会話してみると、実は困ってたんだよね、という声を多数聞くことができました。ferret Oneではマーケ施策を代行できるメニューが豊富にあるのですが、そもそもご存知なかったりしたこともあり提案活動が進み、前半期の約2倍の商談を発生させることができました。

取り組み2:MTGアジェンダとストーリーの変更

通常の定期MTGに加え、定期MTGがない顧客との商談も増え始め、にわかに忙しくなってきましたが、思ったより受注までは辿り着いていません。実際の商談を覗いてみると、こんなことが起きていました。

顧客:SEOをやりたいんだよね
CS   :うちは1記事◯◯円でできますよ
顧客:見積もりください
CS   :見積もりです、どうぞ!
顧客:ありがとう、検討しまーす
CS    :・・・・・

営業シーンでもよくありますね笑
よっぽどマーケに精通している人でない限り、自社の課題はここだから優先的に◯◯施策をやるべきだ、など判断できないんですよね。サクセスに導くためには、そもそも本当にその顧客にはその施策が必要なのか?という視点での提案です。それが足りていなかったし、上記の例でいえば本当にSEOがいま最優先なのかどうかもCSが判断できていないから、ちゃんと提案できていません。質の良い提案をするためにまずは顧客の問題特定をするスキルを磨くことにしました。

赤枠部分の顧客をサクセスへ導くスキルが必要
※図中の「AS」=「CS」

顧客と打ち合わせをする際、ferret Oneの機能や各種数値にまつわる話だけで終始していたのですが、顧客の事業を取り巻く環境のことや、担当者の社内での様子、会社としてのマーケティングの重要度や今後の方向性などの会話を中心とした流れに変更しました。そうすることで、会社としての方向性と本当にやらねばならないコトに担当者と一緒に向き合える時間が増え、真に顧客のことを考えた提案ができるようになりました。


一蓮托生は昭和感あるけど喜んでもらえた
ferret One単体で解決できる範囲を超えているが、大事なことは、成し遂げなければいけないことの中にマーケが入っている、という構造をこちらが理解していること
マーケティング部に留まらないAsisとTobeの網羅性
 ferret Oneのこと以外も会話することで上がった顧客解像度

取り組み3:案件管理

CSのヨミ管理は既存顧客相手ということもあり、フォーキャストはズレにくいと思っていました。でも実際は月ズレが頻繁に発生していて全然予定通りにいきません笑
前述した提案の筋の話もあるのですが、案件管理の文化があまりなかったことが主な原因でした。
さまざまなアジェンダがあるMTGの中で個人ごとにさらっと確認する程度だったので、そりゃズレますよね。そのため案件進捗確認だけをアジェンダとするMTGをデイリーで設定し、徹底的に案件状況を細かく報告してもらうようにしました。

また、結構クリティカルだったのは、案件カレンダーを作ったことです。
多くのSFAではネクストアクション自体は把握できます。しかし僕たちの場合それだけでは足りず、ネクストアクション以降どんなコミュニケーションをとり、いつのタイミングで社内調整をして見積もりを作り、いつまでに何を準備して受注に備える、という商談から受注までの一連の流れをガントチャートでわかるようにしました。
これにより、メンバーごとの案件の解像度や受注まで描けているかどうかがまるわかりになるので結構おすすめです。

notionで作成した案件カレンダー。案件解像度低いと左の行が2,3行くらいしか書けない。ゴールまでに必要なステップをイメージしきれていないことが一目瞭然。

まとめ

その他諸々細かいことはたくさんありますが、2023年1月-6月で大きく取り組んだことは以上の3点です。もちろん7月-12月も大きく取り組んだこともあり効果は抜群でした。(7月以降は僕は関与してませんが笑)
2022年下期と2023年上期の比較を載せておきます。

受注金額は200%以上!

CSチームのみんなは自信を持って提案できるようになり、顧客のマーケが進み、サクセスへ日々向かっていることの手触り感を持って日々業務に励んでくれています。そして提案するようになってからのチャーンレートもしっかりクリアしており、やはり攻撃は最大の防御だなと実感しています。
もう少し時間が経過して、受注した顧客とそうでない顧客のチャーンレートやサクセス到達度なども計測できると、より自信を持つことができると思います。寄り添ったり顧客の言いなりになるだけがサクセスではない、時には喧々諤々、顧客と激論を戦わせながら一緒に目標到達までの道を模索していく。結果として顧客の事業は伸び、担当者は昇格、そして僕らの事業も成長していく。そこまで見届けられたら最高ですね。

営業一筋の僕がCSやってみて思ったことは、各施策自体はセールス組織でも同じようにできるけど、顧客とともに成長する過程を味わえることはサービス提供者として最高の体験だな、ということでした。世のセールスたちよ!CSやった方がいいよ!自分の受注顧客の中で1社だけでもいい、CSと一緒に伴走してみてください!また違った世界が拡がります!

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