若い頃から、筋金入りの低血圧だ。

たぶん、子どもの頃も低かったのだろうと思うが、健康な子どもの血圧を気にして、しょっちゅう計測しようとする小児科医はいなかったので、正確なところはわからない。
ずっと朝が弱く、寝起きの悪さに定評があったので、低かったのだろうと思っている。

最近、年齢のせいなのか、医者にかかると必ず血圧を測られる。
「○歳以上の患者は、絶対に血圧を測れ」
というお達しでも出ているのか、毎回、あの空気を手動でシュコシュコ入れるタイプの血圧計で測られる。

そして、毎回必ず看護師さんが
「ん？」
という顔で、血圧計が壊れてるのかな？と機械に触れてみて、
「もう一回、反対側の腕でも測らせてくださいね」
と言うのである。

あー、なるほど。
私がピンと来て
「大丈夫、いつもこれくらいなんです」
と言うと、ホッとした顔になり、ついでに油断して
「もっと高くても良さそうなのにねえ」
とのたまう。

これ。

これが地味にいつもメンタルを削る。
見た目で「血圧高そう」と判断されるのは、何かのハラスメントに当たらないのか？
要するに
「あなた、それだけお太りになっているのだから、もっと不健康で血圧がお高くても良さそうなもんなのに」
と言いたいわけじゃないですか。

私の血圧は、病院まで早足で歩いて行った時でも上が「100」ちょっとしかない。
普段は90台、ちょっと寝足りないと80台は当たり前、下も一貫して「20台」だ。
血圧を上げる薬を服用するほどではないが、まあ、見た目よりだいぶ低い。

しかし。
「ん？」
という顔で再計測されるたびに思う。
「デブは高血圧でなきゃダメなんですか？」
と。

「脂肪が血管壁を覆って、硬くなってなくてよかったですねー」
「血管が健康で何よりです」
たまにはそういう顔で、一緒に喜んでくれてもいいんじゃないの？と思う。

まあね、「何ハラだこれ？」というのは冗談だけれど、プロの看護師さんが、迂闊に顔に出すのは、どうなのよ、とは思っているのですよ。

＊＊連続投稿832日目＊