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ダイハツの調査と統一教会問題

この記事の要約

・ダイハツの不正は許されるものでは無い
・第三者委員会による調査報告書は統一教会も見習うべきだ

15年以上 自動車開発をやってきて、ダイハツの不正問題はどういう状況で起きたのかがよく分かる。
ハッキリ言ってどのメーカーも同じ問題を抱えているし、自動車メーカーだけでなく多くの企業が同じだと思う。
そして、統一教会もね。


ダイハツの不正を簡単に説明


新しい自動車を作ると、発売するために国の型式認証を得ます。この時に自動車の構造や性能が法律を満足しているかどうかをテストされます。
このテストでエアバッグを不正に起動していたり、速度をごまかしていたり、試験データを差し替えたりしてしまっていた。
内部告発で発覚し、第三者委員会の調査によって174もの不正行為が見つかりました。

第三者委員会の調査について


第三者委員会の調査はダイハツ社員の生の声をしっかりと吸い上げたと思います。
私も同じ業界で長く働いている身として、このアンケートに寄せられた声はこの問題をなんとかしたい。今まで口を閉ざしてきた本音の部分がしっかりと書かれていると感じました。
いくつか抜き出してみました。本当にこれは多くの企業で働いている人が抱えている本音ではないでしょうか



そして、調査委員会はアンケートを元に問題の原因をこのようにグラフ化しました。

問題の原因

そしてここからのアプローチが重要です。
私も旧ツイッターや、サンジャポでも言いましたが
真因を特定することがとても大事なんです。

表面上に見える現象や原因は複数あり、それらに振り回されていては自動車開発はうまくいきません。
複数の要因や原因のようなものに辿り着いたからといって、そこでやめてはいけません。
問題の根本的な原因である真因に論理的にたどり着かないといけないのです。

第三者委員会の出した真因
1.不正対応の措置を講ずることなく短期開発を推進した経営の問題
2.ダイハツの開発部門の組織風土の問題

しっかりと、経営の責任だと結論づけました。利害関係の無い第三者委員会だからこそ出せた結論だと思います。
そして、組織風土の問題もです。

実はこの2つの真因はそっくりそのまま 統一教会問題の真因でもあると思うんです。
だからこの記事を書きました。

統一教会の失敗


事件以降、統一教会のやってきたことを振り返ってみましょう。
ダイハツの調査ではデジタル・フォレンジック調査を行いました。これは簡単に言うとデジタル機器を保全してそのデータを復元調査することです。
一方、統一教会はふみの日などと言って、書類を燃やす等、伝統的に証拠隠滅を行っています。
信者の献金データは所属教会に問い合わせれば数千円単位で記録されていますが、それらのデータを統一教会自ら 問題の原因究明には使っていないと思われます。

アンケートも対象を現役信者に限ったとても恣意的結果を出すためのものでした。

そして何より、結論をどうしたかが大きな違いです。
統一教会は高額献金や宗教による児童虐待は「信者が勝手にやったこと」と繰り返し主張しています。
ダイハツは認証業務をやっている従業員に罪をかぶせて真因を隠蔽するということはしませんでした。ここに大きな違いがあります。

この真因の1番目は誰しも分かっていることなんです。
統一教会はあらためて、上層部の責任を認めるべきだと思います。

統一教会にそんな対応は期待できない。本当は国がやるべきことなんだよな…  

2.の組織風土についてはまた今度  これは答えが見えた時はいろんな 不条理がガラッと変わって解決できるぐらい
困難で効果の高いことだと思うのだ


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