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新・オーディオ入門164 図表編 ブロックダイヤグラム

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

 ブロックダイヤグラムとはブロック図とも言われており、回路図を区画に分けて簡易的に示した図です。 1960年代にNASAが宇宙関連の事業に使用し、世界中に広がったといわれています。 機能別に分けられた区画をブロックと呼び、左が入力側、右が出力側で、信号の処理の順番になるように書かれます。 たとえば、パワーアンプであれば、 左から、入力回路、初段、ドライバー段、終段、出力回路、電源回路、保護回路のようなブロックに分けられます。 分けられたブロックの中には回路名や機能が書かれており、回路図が複雑で判り難い場合でも、 ブロックダイヤグラムによって概要を確認することが可能です。 たとえば、プリアンプの入力にはバッファ回路を用いますが、入力切り替えスイッチの前にあるか、 後ろにあるかを確認する事ができます。 前にある場合は、各入力ごとにバッファ回路持ちますので、 入力の種類によって特性を変化させて最適化を図っていると読み取ることができます。 本来のブロックダイヤグラムは回路のブロックの他に加算等の処理記号があるのみですが、 オーディオで使用される場合は、 スイッチやボリューム等のインターフェースや真空管といった主要な電子パーツがあえて書かれる事があります。

 ブロックダイヤグラムによく似た図表にフローチャートというものがあります。 フローチャートはブロック図に似ていますが、コンピューターのプログラミングに使用され、処理のプロセスを示すものです。 フローチャートは上から下に書いていきますので、この点でもブロックダイヤグラムとは異なります。

 ブロックダイヤグラムはデザインとして使用されることもあります。 ムジカの オーディオ・コントロール・センター Raicho7acc では多くの機能を判りやすく表示するために、 フロントパネルに実際のスイッチやボリュームと共にブロックダイヤグラムを描き、直感的に操作できるように工夫されています。

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