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目には見えない大しっぱい

「SF」はそのうちなくなる言葉かもしれない。すでにピンとこない言葉になってきている感もある。そんなSF作品を参考として探していた。しかしそこに『Winny』を見つけた。ずっと気になっていた作品で、参考のことをわすれてつい観てしまった。これ、めちゃくちゃおもしろい!単なる誤認逮捕などのたぐいではない。そのような表現はないけれど、時代に乗りおくれた人たちが先端を走る人を裁こうとする滑稽さが描かれているようにも感じた。これ、大小あれど、あちこちで起こってることですよね。批判する理由が「わからない」であること。自分の無知は自覚できない。わからないことは、とりあえず排除。ざんねんながら人間の本質のようでもある。
批判するというのは生存戦略としては優秀だ。自分にわからないことは多くの人にとってもわからないこと。こうなってしまうと、あらかじめ批判しておけば、しっぱいしたときに「ほらな」と言えてしまう。もし成功しても成功者はわざわざ、過去に批判してきた人を批判することは少ない。前を見ているから。批判するというのは優秀な戦略ではあるが、とんでもなく卑怯なのだ。これもまた神道につながる。それ、かっこいいですか?と。論破することがおもしろがられているけど、論破して得する人ってほぼいない。特にわからないことに対して論破することは。わからないことに対してどう向き合うか。それは子どものころに習っているはず。教えてもらう、勉強する。これだけだ。
このWinny事件の最中にYouTubeが誕生する。映画のなかではセリフもなく記事を1カットだけ捉えるだけなのだが、それが日本のしっぱいを表している。天才プログラマーである金子勇さんから、プログラミングを奪ったこと。そして無罪判決後1年半で亡くなってしまったこと。時代が変わる瞬間、先頭を走っているはずの人を走らせなかった。たらればでしか語れない、目に見えないしっぱいを回避する方法は、わからないことを批判しないこと。なのだと思う。


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