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はじめてのKDPペーパバック

こんにちは新居直明です。すっかりnoteをご無沙汰していました。最近、背中を押されて、はじめてAmazon KDP ペーパーバックをつくってみたので、その理由と制作上の気づきを書きます。

電子書籍Kindle本を基本として取り組んでます

昨年春から、企業や地域の知られざるプロジェクトXを伝え残す、というテーマでKindle本に取り組んでいます。

3,000字とか少ない分量でも、ひとつのテーマ性があってまとまっていれば、小さな本として無料(書く側は)で公開して残せる(Amazonがサービスを続ける限り)のが魅力です。

Amazonストアの棚に並んでいる(探せば出てくる)ということで、意義を感じていただく方、また、Amazon商品ページの直URLをQRコードにして、カードで紹介する人もいらっしゃります。

Amazonアカウントを持っている人はスマホでちょこっと読める、というのも良さだと思います。

紙の小冊子もつくる理由

企業や地域の知られざるプロジェクトXというコンテンツの場合、主人公の会社や個人の方が、そのプロジェクトでお世話になっている人、家族にも読んでほしい、ということがあります。また、オフィスで誰でも閲覧できるとよい、というニーズがあります。

つまり二つのご要望がありました。

(1)読者には、Amazonアカウントや費用が必要にならないようにしたい。

(2)スマホがなくても、手に取ってパラパラっと読めるようにしたい。

そこでKindle本をつくっているAmazon KDP (Kindle Direct Publishing)のサイトで、オンデマンド印刷のペーパーバック版にも取り組んでみた次第です。

制作上の気づき

  • KDPセルフパブリッシングでペーパーバックをつくるには、元となるKindle本、電子書籍が必要でした。短いKindle本2冊を合本として、それをペーパーバックにできれば(Kindle本なしで)、と考えたのですが、だめでした。

  • EPUBファイルをシングルソースにできると簡単、と考えたのですが、やはり「ページ単位で構成」したPDFファイルが必要になります。結局、ソースは分岐してしまい、Wordで編集してAcrobatで印刷して準備しました。

  • リフロー型の電子ファーストで書く場合には「ページ単位で構成」を気にしなくてよいのですが、紙の場合には、改ページや見出しの場所など、レイアウトを考えて編集していかないとなりません。

  • ルビ(フリガナ)も、WordでEPUBをそのまま読み込めないために、Word側でひとつひとつ手作業で振り直さないといけません。

  • 執筆・編集のためのよいツールやワークフローを、もう少し研究していかなければならない、と感じました。

  • KDPペーパーバックの版型としては、縦書きの文字ものストーリーなので、「12.8 x 18.2 cm (5.04 x 7.17 インチ)」がちょうどよかったです。これに合わせて、Wordの余白マージンを調整して、一ページの行数と、一行の文字数を設定していきます。ひとまず、自分としての定型テンプレートにするのがよいと思いました。

  • 表紙も、Kindle本では表紙1枚の画像ファイルを用意すればそれでよいのですが、KDPペーパーバックでは印刷断ち切りマージンも考慮して、表紙・背表紙・裏表紙をひとつのPDFで制作しないとなりません。

  • 1万字程度のコンテンツで本文30~40ページとすると、背表紙への文字レイアウトなどはできません。

  • 「校正刷り」を、公開前にAmazonに有償で注文できます。やはり、校正・校閲は、「紙」で見ると、注意力・集中力・読書感が優れていると思います。すぐに修正して見直し、では電子版・ディスプレイが優れていますが。

ぺーバーバックの価値についての気づき

  • KDPペーパーバックでは、ISBN(国際標準図書番号)が簡単に無料で取得して使えるのがよいです。

  • 地域の図書館などに献本して、閲覧に供して、補完・収蔵してもらうのによいと思いました。

  • いったん紙で献本すると、Amazonのサービス継続からは独立して、伝え残すことが出来ます。

  • また、Kindle本電子出版のセルフパブリッシングでは、著者(発行者)としての私が死亡したり認知症になったりすると、アカウントの維持や承継がめんどうです。自分自身に著作権があるものは、ひとつひとつは小さな電子本でも、それを合本してKDPペーパーバックで紙として形にすることも先行き考えてみます。

商業出版ではなく、ビジネスや地域コミュニティでの記録のための本、というコンセプトでは、Kindle本とペーパーバックの両方をうまく活用していこうと思います。

どうしても、執筆・編集・校閲・校正・変換/版下出力のどこかの段階で、電子と紙とが分岐してしまうので、効率的なツールやワークフローは引き続き試行錯誤していきます。

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