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『アラーキーさんが家にやって来た!?』

それは…
読売テレビの東京支社で
東京宣伝部とアナウンス部を
兼任していた時のこと。

朝、会社に出勤するため、
南青山のマンションの玄関を出ると!

ピンポンピンポン、ピンポンピンポン…
呼び鈴を鳴らし続けている人がいました。

え?
なにっ?
と何気なく目を向けると…

なんとっ!
そこにはっっ!!

どこからどー見ても
アラーキーな方がいらっしゃるではないですか!?

そして…
なんと、なんと!!!
我がマンションを
ピンポンしまくっているではないですか!!

個性的な髪型。
そして分かりやすいメガネ。

えーえーえーっ!!

とは言え、
ピンポンを鳴らし続けても応答はなく、
困っていらっしゃる様子。

『どうされましたか?
 何かお困りですか?』
「いやぁね、
 ここの2階に友達が住んでると思うんだけど
 出て来ないんだよ。」
『お名前は確認されましたか?』
「ポストには名前がなくてね。」

おーっ!
“友達が住んでると思うんだけど…?”
ちょっと不思議でしたが、
とにかくお困りの様子。

なんとかお助けしたい!!
「よろしければ、中に入ってみますか?
 2階の部屋の前にネームプレートが
 あるかもしれませんし。
 私はここに住んでいるので、
 宜しければ2階までお付き合いします。」

と…なななんと!
アラーキーさんと一緒に
2階の部屋を見に行ったのです。

ところが、
そこにも名前を表すものは何も見つからなくて…

結局、わからず仕舞い。
「同じ名前で“アネックス”が付くマンションが
 すぐ隣にあるので、そちらかも。」
『そうですか、有難うございました。
 じゃあ、そっちに行ってみようかなぁ。
 おかしいなぁ…』

そうおっしゃりながら、
肩を落として、
青山の道を歩いて行かれました。

ひゃあっ!
『迷い猫』ならぬ『迷いアラーキーさん』。
不思議な朝になりました。

と。
京都で開かれている
アラーキーさんの写真展を観て
10年ほど前の、
ある日の朝に思いを馳せましたっ☆

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