【64人規模シティリーグS2優勝】雪道型ルギア解説【全文無料】
1. はじめに
みなさんこんにちは、神奈川県でポケモンカードをプレイしているなかね(Twitter)と申します。
いきなりですが、2022年12月25日(日)に開催されたシティリーグ2023 S2にてルギアVSTARを主軸としたデッキを使用し、S1に引き続き優勝することができました。やったぜ。
https://twitter.com/cbhiyoshihoncyo/status/1606955661300203521?s=46&t=zSknuHOyme7t0biWg2s7fw
今回は調整の方針やデッキ構築のポイント、当日のマッチングなどを自身の備忘を兼ねて記事にしていこうと思います。
投げ銭方式の全文無料記事になるので、気になるところだけでも読んでいってください!
合わせて読んでね:【161人規模大会優勝&シティリーグ全勝優勝】ルギアVSTARデッキ解説【全文無料】
2. 調整方針
この項ではCL京都終了後のメタゲームと今回のシティリーグで目標としていた成績を前提に、どのような方針でデッキ構築を行ったかについて述べたいと思います。
CL京都終了後のメタゲーム
まずはCL京都終了後のメタゲームについて整理しましょう。
CL京都では事前に活躍が予想されていたデッキタイプに加えて、ムゲンダイナVMAX+ガラルマタドガスを中心としたデッキが活躍していたのが印象的でした。
ルギアを筆頭に上位デッキが特性をフル活用することから、非常に立ち位置が良かったのだと思います。
そして、その後に開催されたシティリーグでは上記のムゲンダイナだけでなく、アルセウス+カプ・コケコなども環境に姿を現し、ミュウを含めるとVMAXを中心としたデッキタイプがトレンドになっていました。
12/19~12/25にかけてシティリーグで入賞したデッキタイプがしらいしさんの記事(※)にまとめられていますが、ルギアが抜きん出ていることも含めてなかなかの煮詰まり具合です。
入賞デッキ数でこれなので、予選ではどんなデッキとでもマッチする可能性があります。
目標としていた成績
続いて、今回のシティリーグ出場での目標成績についてです。
もちろんどの大会でも優勝するに越したことはないのですが、目指すべきラインによってデッキ選択や構築は変化すると思っているため、競技的な大会では目標を設定しそれを達成するための条件をぼんやりとでも意識するようにしています。
今回のシティリーグでは決勝トーナメントTOP4以上への進出(CSP50以上の獲得)を目標ラインにしていました。
そして、上記の目標を達成するための条件として以下の2点を念頭に置いていました。
予選5回戦のうち、少なくとも4勝すること
決勝トーナメントに進出しうるデッキタイプに対して、先攻後攻に左右されずに戦うこと
メタゲーム整理で述べたとおり、環境は煮詰まり多様なデッキタイプが結果を残している状況です。
そのような状況の予選で4-1以上するためには幅広いデッキタイプと戦える、地力の高いデッキタイプを選ぶことが必要だと考えていました。デッキパワーは正義。
私は前回のシティリーグからルギアを使い込んでいたため、今回も同様にルギアを選択することでこの条件は一旦OKとしました。
ハードルが高かったのは2つ目の条件です。
まず、決勝トーナメントで対面しうるデッキタイプとしては以下の3つを強く想定していました。
いずれも元々のデッキパワーが高く、雑多な環境でも勝ち上がることができるデッキタイプになります。(ギラティナに関しては近郊の自主大会でよく見かけたため少し評価を高めにしています)
不動の環境トップであり、母数も多いことが予想されるルギアVSTAR
大量ドローからの安定感が非常に高く、雪道+手札干渉まで手にしたミュウVMAX
流行しているVMAXを中心としたデッキタイプに対して特に強く、地力の高いギラティナVSTAR
決勝トーナメントで上記のデッキタイプとマッチしたことを考えた場合、
まずルギアミラーの後攻はかなりキツく、一般的なルギアをそのまま使用することは避けたい状況でした。
また、ミュウは序盤の雪道が相当にいやらしく、追加でバケッチャを要求されてしまうため、ルギア側が2ターン目にアーケオスを2体展開するための要求が非常に重くなっています。
一方で、ギラティナはルギア対策に寄せた構築が主流になっているとはいえ、有利がついているマッチアップという認識をしていました。
こうした状況から決定した調整方針は以下の三点でした。
なお、調整方法をおまけにざっくりと書いてみたので、興味のある方はそちらも読んでみてください。
3. デッキレシピ
以上の方針をもとに組み上げたデッキがこちらです。
構築の大まかなポイントは次の項に書いていくので、合わせて読んでいただければと思います。
4. 構築のポイントと解説
まずはじめに断っておくのが、今回の構築は以下のリストを参考にしたものであるということです。
調整の方針を定めたのが大会の2週間ほど前であり、そこから1週間ほどでミラーの捲り手段として雪道+手札干渉パッケージを採用するところまでは考えていました。
ですが、なかなか納得のいくものができずにTwitterを見ていたところ、このリストが目に飛び込んできました。
ルギアの採用枚数に目がいくところですが、スタジアムと他の対策カードの配分が絶妙で感動したことを覚えています。
これまでの雪道とマリィを多投した型のルギアは枠の都合上どうしてもデッキパワーが下がってしまい、不意にあたるメタ外のデッキやミラーマッチで有効なアタッカーを用意することが出来ませんでした。
このリストはオーロラ型と雪道多投型の折衷案という感じで、ルギアというデッキタイプのもつ最大値を保持しつつも一手遅れてしまった際の一つの回答を用意しています。
特に好きなポイントがレジギガスの採用です。
詳細はミュウVMAX対面に記載しますが、イベルタルとの2面構成で相性がだいぶ改善しました。
採用カード解説
以前に書いた記事で多くは紹介しているため、変化のあったポイントだけ述べます。
・初動に必要なカード
ルギアVに触れるカードが合計14枚は欲しいです。後攻1ターン目のかぜよみが強いため、現物は減らさない方が良いと思っています。
逆にVSTARの枚数は2枚でも十分です。サイド落ちが確認できていない状態で博士を打ってVSTARを巻き込む事が嫌だったので、今回は現物を3枚にしています。
また、アーケオスは現物4枚の採用を強くお勧めします。トラッシュに送る、という行為に他のカードが必要な都合上、VSTARを持ってくるよりも要求が重いためです。
・ネオラントV
クロバットを抜いたことで、ネオラントから動くことがほとんどになり特需になりました。2枚採用はサイド落ちケアが主ですが、ボールからいつでもボスにアクセスできるカードとして常にデッキに1枚いて欲しいという狙いもあります。
細かいテクとして、はかいのさけびイベルタルを連続で動かしてくる対面にはネオラント2枚でぐるぐるすることでエネルギーを割られなくなります。
・レジギガス
VMAXが環境に増えたことで採用に踏み切りました。ベルトやロストスイーパーを要求されずにVMAXをワンパンするのは非常に強い。
全体的にエネが重いのでツインエネルギーを合わせて採用しています。
また、ネオラントのアクアリターンからの壁にも一応できます、HP高いのがgood。
ルギアは環境や盤面の状況に応じてアタッカーを選んでいくタイプのデッキなので、こういったシルバーバレットカードは積極的に試した方がいいです。
・ツツジ
中盤以降に雪道と合わせたい黄金のやつ、ロスト系統にも刺さるのが良いですね。
本当は2枚入れたいけど枠がありませんでした。
・頂への雪道
今回は崩れたスタジアムではなく雪道を採用しました。崩れたは汎用性が高くLZBなどの小粒なデッキ相手には有用なのですが、どの対面を鑑みても必ず必要な場面がないなと結論づけた感じです。
一方で雪道は手札干渉と合わせることで貴重な1ターンを作り出せるカードになります。
採用枚数は2枚ですが、中盤以降に必要なためこの枚数でOKという認識です。
3枚入れる場合は先行で理不尽を押し付けるためになるのかな。
・有色エネルギー
ヤレユータンがいないため6枚あると安心です。
ウォッシュ水はボス無しのロストカイオーガを簡単に詰ませられるので採用しています。メタ読みに自信があるならキャプチャーにしても良いかも。
ちなみにヤレユータンはバケッチャを要求される事が多すぎてベンチに枠がないため不採用にしています。
安定性とゲームプランを結びつける
まず、抽象的な議論にならないために「安定性」という言葉を定義しておきます。
ここでは特定のターンに達成したい盤面をどれくらいの確率で再現できるか、としましょう。
そして、ルギアというデッキの安定性は序盤の盤面形成に大きく偏っています。
というのも、序盤の要求さえ満たしてしまえば、中盤以降は各種ボールからのサーチで要求を満たせる(アタッカーを用意するなど、望んだ盤面を形成できる)ことがほとんどであるためです。
しかし、この序盤の要求を満たす、というのが本当に大変でクロバットVやバーネット博士を採用したとしても先攻2ターン目にアーケオス2体を展開できる確率は6割〜7割程度しかないように感じていました。(ここ有識者の方ツッコミどころあれば教えてください)
加えて、序盤に雪道を張って来るミュウやアルセウス系統のデッキと対面した場合はバケッチャまでもが必要になり、更に要求値が上がってしまいます。
それならばと、今回は2ターン目にアッセンブルスターを使用しなくとも何とかなるプランを持つことを目指しました。
よくルギアは運ゲーだなんだと言われますが、上記の理由から序盤に要求が偏っているだけであり、ゲーム全体で見た場合の要求値は他のデッキより幾分低いです。
2ターン目にアーケオスを出すことが出来なかった展開に対するゲームプランを用意することで、デッキタイプとして耐えうる安定性を持つ事ができます。
ここからは各マッチアップに対して、一例となるゲームプランを紹介していきます。
VS ルギアVSTAR
極端なアンチデッキの次に対面するのが嫌なミラーマッチ。
ここでは後攻になってしまった際のプランを一例として紹介します。
上記のプランはあくまで一例ですが、雪道でネオラントVやかがやくリザードンの特性に蓋をし、相手のアタッカーを制限していくことを目標にしましょう。
1ターン作る事ができれば勝機ありです。
また、先攻時のプレイングは通常のルギアと同様に振る舞って問題ないです。
先2アッセンブルスター使用後におまけで雪道を貼れた場合は申し訳なさそうな顔をしてください。
そして、ツインエネルギーがあるおかげでレジギガスやアーケオスがだいぶ動かしやすく、ネオラントVのアクアリターンで取られない、かつアーケオスを倒す事ができる貴重な非Vアタッカーになります。
ルギアと対面した際にネオラントVに倒されるポケモンをバトル場に出してしまうことは、相手に好きなサポートを使わせる権利を差し出しているのと同義です。
他のデッキを使用する場合でも、そこを意識できているとルギア側の要求をグッと上げる事ができます。
VS ミュウVMAX
ミュウVMAXには現在後攻1ターン目からサイド獲得を狙えるフュージョンエネルギーを採用している型と、ダブルターボエネルギーを軸にしてスタジアム+手札干渉を積極的に狙う型があります。
基本的にルギア側の立ち回りは変わらず、VMAXを2回ワンパンすることを目標にしましょう。この構築ならばできます、こいつのおかげで。
ミュウ側が最速でサイドを2-2で進めてしまった場合でも、レジギガスとイベルタルでVMAXを2回ワンパンすることでギリギリ間に合うようになっています。
ミュウ側が最後にVを取るためには、
・やまびこホーン+ボスの司令で既に倒しているVをもう一度倒す
・ルギアVSTARをフルパワーで倒す
の2つのルートがあるため、ルギア側は
・ベンチを非Vで埋める
・ルギアVSTARにVガードエネルギーをつける
を目指すといいです。
また、中盤以降にはこちらが雪道+手札干渉を行うこともできるため、積極的に狙っていきましょう。
加えて、レジギガス+雪道は環境のVMAX対面に通りがよすぎるのでどんどんギガントブレイクを狙っていくと良いです。
パラソルをつけて歯茎を見せたVMAXを制裁しましょう。
VS ギラティナVSTAR
ギラティナVSTARとのマッチアップはいかにしてシンオウ神殿を乗り越えるか、にかかっています。
ギラティナ側はおおよそ3枚のシンオウ神殿にツツジを組み合わせることでこちらの要求を上げ、ギラティナが安易に突破されることを妨害してきます。
ルギア側は雪道を張ることで突破できればいいのですが、返しのツツジでこちらの要求が上がってしまうリスクを孕んでいます。
そこで、ルギアVSTARのワザである「ストームダイブ」でサイドを進めつつ神殿を割っていくことが基本のプレイになります。
シンオウ神殿下でのストームダイブは安定して220点を与えられるワザになるため、ギラティナVを攻撃しつつシンオウ神殿をトラッシュに送りましょう。
また、ルギアVのワザである「エアロダイブ」でもスタジアムは割れることは覚えておいてください。
基本的に、ギラティナ側にルギアVを一回のワザ宣言で倒すことのできるポケモンはギラティナVSTAR以外いないため、エアロダイブ+パワフル無色エネルギーをつけたアーケオスのスピードウイングでギラティナVSTARを突破することが出来ます。(実際にシティリーグ決勝戦はこのプランで最後のサイドを取り切りました)
目指すべき盤面ですが、ギラティナ側はLZBのようにゲッコウガの手裏剣+ヤミラミのロストマインでアーケオスを真っ先に狩り尽くすプランを取ってくることもあるため、ベンチには
ルギアVSTAR、アーケオス2体、マナフィ
が常にいることを目指してください。
加えて、こだわりベルトをつけたかがやくリザードンは非常に心強いアタッカーとなります。ギラティナ側にツツジを使用されるまでに準備できるとベストです。
こちらがサイドを2-2で進めることが出来ている場合、神殿+ツツジの返しにバケッチャからリザードンを動かすことでギラティナVSTARを簡単に突破することが出来ます。
5. 大会当日のマッチアップ
クライマックスゲートって何だよ!!!!(かがやくムゲンダイナから各種VMAXを展開し、環境デッキに有利を取れるメタデッキです。PTCGOでマッチし得ないデッキタイプなので練習不足が響きました)
ギラティナとこんなにマッチするとは……というのが正直な感想ですが、前シーズンからある程度対面していたマッチアップだったため相性差を活かして勝ち切ることができました。
また、ミュウやキュレム対面ではレジギガスやイベルタルが十二分に仕事をしたため、やはり両採用は正解だったように感じています。
6. おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございます。
長々と理屈っぽい文章になってしまい恐縮ですが、自分の考え方などを知ってもらえれば嬉しいです。
また、この記事を読んだ感想や質問などあれば私のTwitterまでご連絡ください。
時間のある際になるべく返答させていただきます。
そろそろポケカを始めて1年になりますが、プレイすればするほど視点が広く、深くなるのを実感できてとても楽しいです。
2023年はより大きな舞台で活躍することを目標にします。
ではまた。
おまけ 調整方法について
最近は同時期にポケカを始めた友人たちがあまりポケカを遊んでくれなくなったのでほぼ一人で調整をしています。
私は平日勤めの社会人なので、境遇が同じ方の助けになれば嬉しいです。
まず、おそらく私は人よりデッキレシピを見ている時間が長いです。
Twitterで流れてくるシティリーグの入賞レシピに加えて、海外大会のレシピを見るのが好きです。
リミットレスのトーナメントデータベースが非常に参考になるので共有しておきます。↓
https://limitlesstcg.com/tournaments
海外プレイヤーはコンセプトが明確なデッキを大会に持ち込んでいる事が多く、これらを土台にして日本のメタゲームやBO1形式に合わせたチューニングをすると良い塩梅になります。
一方で、闇雲に一人回しをする、というのはあまり好きではありません。
全く新しいデッキタイプを試すということならばまだしも、カードを数枚差し替えたところでそれらの影響がすぐに実感できるか、と言われたらそんなことはないでしょう。
ある程度頭の中で環境デッキに対しての役割などを吟味してプレイするのが時間効率がいいと思います。
シャッフルするのも面倒なためPTCGOは最強です、レギュ落ち後が不安で仕方ありません。
また、昨今のデータでわかるトレンドはあくまで入賞したデッキタイプの傾向であるということに注意しています。
大会全体で見た各デッキタイプの割合がわかるわけではありません。
私はこうしたギャップを埋めるため、積極的に自主大会にでて肌感覚にでもメタゲームの傾向を掴むことをおすすめしています。
自主大会に参加しているのはポケカに熱心なプレイヤーが多いため、仲良くなったら質問などもしてみるのもいいかもしれません。
まとめるとこんな感じ。
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