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秋(空き)時間文学賞受賞作品紹介!

 天才不純文学作家秋(空き)時間さんを始めとした審査員が選んだ2021年の受賞作品を紹介します!今回は非常にレベルが高くて選ぶのに苦労しましたね。まあこの文学賞の応募作品は毎年レベル高すぎなんですが今年はそれをはるかに上回りました。今年の選考委員は下記の四名です。

選考委員長:秋(空き)時間
選考員:猿山サル子
選考員:ダーリン
選考員:新入社員

 ジャン!佳作は『インスタントな恋』ですね。この作品は恋はインスタントラーメンのようにうまくはいかないということが非常に丁寧に書かれていると思いました。女性はインスタントラーメンじゃない。作者はこの物語で男性の女性に対する締め切り型の恋愛観にNoを突きつけているのでしょうか。興味深い作品でした。では佳作をもう一作。

 またジャン!です(笑)同じく佳作に選ばれたこの作品は漫画界の世界を書いたものですが、小説は曲亭馬琴と葛飾北斎のエピソードを元にかかれています。作者は江戸文学に詳しい方なんでしょうかね。もしかしたら大学で江戸文学を専攻していたのかもしれないですね。その江戸時代の両巨匠のエピソードを元に書かれたこの小説ですが、これは同じく佳作に選ばれた『インスタントな恋』と同じように男の独りよがりの恋愛観に対する批判が書かれています。作者はここで漫画家の女性に原作者の男の女性に対するバカな妄想を思いっきり批判させているのですね。

 さて次からはいよいよ入賞作品の紹介です。この作品はちょっと扱ってるものがマニアック過ぎてこんな一般人向けの賞にはどうかな?という意見も選考員の中にちらほらありましたが、やっぱりそのクオリティーの高さは無視できなく銅賞に選ぶことにしました。この作品はナボコフが好きな人が出会い系サイトで自分好みの文学好きの女の子との出会いを求めるのですが、やっぱり現実は彼の願望どおりにいかず手酷い裏切りを受けるといった内容です。ちなみにポーシュロスチという言葉が小説の後半に出てきますが、シチューのことではありません。

 とうとう銀賞の紹介です。この作品は久しぶりに出会った友人からとある短編を紹介されて一緒にその小説を読むと言った内容ですが、その友人の勧めた作中の短編があまりに素晴らしいので選考員の中にはこれこそ金賞にふさわしいんじゃないかと言う人もいました。それぐらい素晴らしい短編がそろってますね。しかしこの賞は作家が自分で書いた作品に与えられるのであって、たとえ紹介されている短編がどんなに素晴らしくてもそれが作品の評価になることはないので、ここではあえて短編部分を覗いた部分のみで評価しました。しかしそれでも銀賞です。この事実だけでもこの作品が如何に素晴らしいとこがかわかるでしょう。

  いよいよ金賞作品を発表するときが来ました。この作品は選考員の全会一致で金賞に選出しました。やっぱり選考員一同もうどんがなくなってからどうやって生きていけばいいんだというこの作品も力強いメッセージに感動したんです。うどんがなくなったら天かす生姜醤油のうどんが食べられなくなる。それはとっても悲しいことだし、それはキューティーな女の子の浜辺で見せるチャーミングな笑顔が消えてしまうぐらい悲しいことなんです。この物語に出てくるカップルの男性はかけうどんを注文してからいきなり天かす生姜醤油をぶっかけます。それはうどんへの愛ゆえからです。うどんへの愛は世界を超え、地球をも飛び出す。選考員は作者のそんな無償のうどん愛に感動して金賞に選出することにしました。


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